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2004年05月04日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、ひっさしぶりに「英国政治ウォッチング」です。
いつ以来?
3月4日以来。。。(苦笑)

で、何書いてたんだっけ?

「英国労働党内の抵抗勢力・1」
で止まってたんだっけ?

ということは、2を書かないといかんのね、まず。

えーと、1では何を書いたかというと、

『与党労働党は、
庶民院(下院=日本でいう衆議院)で
165議席も過半数を越えた議席を確保していながら、
これらの法案を政府が通過させられるかどうかが
ぎりぎりの状況になっているのです。

これはつまり、与党労働党内に
これらの法案に反対している議員が
多数いるということを示しています。』

なるほどね。
ということは、
今日はこの抵抗勢力って誰やねん、
ってことを書かないといかんのね。

それでは書きたいと思います。

題材として使うのは、昨年10月の英国労働党大会の模様。
(ものすごく古く題材でごめんね。これが一番いいので。)

労働党内でトニー・ブレア首相の抵抗勢力として
まずもって紹介しないといけないのは、

ゴードン・ブラウン蔵相。

(ちなみに、「蔵相」というのは、現在日本では使いませんね。
「財務相」という。これは日本の省庁再編があった時に、
日本の蔵相が財務相に呼称が変わったので、
同時に英国のChancellor of the Exchequerの訳も変わったのだけど、
私は大蔵大臣のままでいいと思う。
そもそも日本のMinister of Finance とは英語の呼称が違うわけだし、
日本の財務相とは歴史的な成り立ちも風格も重みも
全然違うものなのだから。

だから、ここではブラウン「蔵相」と書きます。)

このブラウン蔵相という人、
ブレア首相と1983年初当選の同期で
当選回数も同じ。
労働党が野党時代、
ブラウンが影の蔵相、
ブレアが影の内務相
ということで、ほとんど互角のキャリア。

1994年、労働党党首ジョン・スミス
(日本でいえばほとんど鈴木太郎という名前)
が急死したとき、この2人が党首の座を争うことになった。

ここで、ブラウンとブレアの間で、
今でもささやかれ続ける
「談合」が行われたとされる。

実務面ではブラウンが上、
パフォーマンス・リーダーシップはブレアが上、
と言われていたこの2人は話し合い、

ブラウンがブレアの人気を認め、
政権奪回時には蔵相ポストを、
そして、いずれは首相の座を譲る。。。
と約束したかどうかはわからないのだが、

いずれにせよブラウンがブレアの応援に回り、
ブレアが労働党党首に就任、
1997年の総選挙で政権を奪取し、
ブレア首相、ブラウン蔵相が誕生した。

この「談合」については、
昨年テレビドラマになって話題になった。

レストランで2人が食事しながら
取引するシーンがあるのだが、
緊迫した駆け引き。。。
というよりブレア役とブラウン役の俳優がおかしくて、
大笑いしてしまった。。。(苦笑)

ブラウン役は本当にそっくり、
ブレア役は似てはいないのだが、
目をきょろっと見開いて、
歯をむき出しにする表情を何度も作って
ブレアらしさを出そうとけなげだったのが笑えた。。。

有名な俳優さんらしいけどね。

まあ、ブラウンもブレアも今日に至るまで、
2人の間で「談合」があったことを
完全に否定しているのだけれども。

それで、このブラウン蔵相、
労働党大会という年に一度の大イベントで何を演説したか。

「政権の座にあった6年の後、
労働党はそれ自身のために存在するのではなく、
より大きな高尚な目的のために存在するのだと、
私はこれまで以上に信じるようになった。」

「労働党は、政策課題を必要とするのではなく、
魂を必要とするのだと信じる。」

こう言った後、ブラウン蔵相は
労働組合の代表者や活動家から、
約2分間のスタンディング・オベーションを受けた

ブラウン蔵相は続ける、
「政府は、次回の総選挙に向けて、
保守党との違いをもっと明確に示すべきだ。

NHS (=National Health Service: 国営の病院。
我々のような外国人でも無料で診察を受けられる。)
や貧困にある子供たちに
もっと予算を投入すべきだ!」

なるほど。。。

これは、ブレア首相の推進する改革路線、
例えばNHSに市場原理を導入、
大学の学費値上げ、などなどに
真っ向から対抗、ということではないのだけど、
もろ手を挙げて賛成ということではないよ、
というアピールである。

このブラウン蔵相の演説は、
多くの労働党関係者に絶賛されたという。

特に、英国の指導的立場にある労働組合から。
Unison, GMB, TGWU, Amicusnなどなど、
いろいろあるらしいんですがね、労組が。

ケビン・クランというGMBのリーダーは
「 社会主義に基づいた、労働党の大蔵大臣の演説だ!」
と絶賛。。。

このように、英国労働党内では、
いまだ労働組合の勢力が強く、
それをバックにした
いわゆる左派と言われる議員も多い。

指導力が強いというイメージがある
ブレア首相をもってしても、
なかなか左派を抑えるのは難しいのが現実である。

ブラウン蔵相というのは、
元々ブレア首相と同じく現実派(いわゆるニュー・レイバー)なのだが、
この左派とブレア首相の間に立って、
政策課題ごとに微妙に左派の抵抗を利用しながら
ブレア首相を牽制しているように見える。

英国の首相は指導力が強いと言われる。

それは、まず二大政党制であるため、
議会で与党が過半数を常に確保しているため、
政府提出法案はほぼ全て議会を通過させることができること、
次に、党内において、党首(首相)は
人事権と選挙の公認権を握っているため、
抵抗勢力を押さえこむことができるである。

というのが教科書的な英国政治のイメージである。

どこかの国ではここ10年ばかり、
英国のようなすっきりとして、
政策論争が活発に行われる政治を
目指そうとしていたようだ。

しかし、実際には
そんなすっきりとした単純なものではないようだ。

当の英国をみると、
与党内の抵抗勢力に苦しむ改革首相という図式は、
どこかの国となにも変わらないし、
政局や裏取引も、
どこかの国と同じようにあるようだ。

次回以降、もう少し具体的な事例を紹介できればと思います。

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「英国政治ウォッチング」バックナンバーはこちら。





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最終更新日  2004年05月04日 21時37分57秒



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