5707739 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

かみぽこぽこ。

かみぽこぽこ。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

かみぽこちゃん

かみぽこちゃん

フリーページ

お気に入りブログ

暮らしごと 千佳りんさん
中年よ、大志を抱け! 断言児さん
じょん・どー PhDを… じょん・どーさん
エッジ・ランナーズ 猫ジャラしマスターさん
かっちゃんの~1歩… katsuchan55さん
~ももの新たなる旅… もも1016さん
人生やだとはいえな… やだやだもんさん
講師の花道 教師Aさんさん
愛国、日本 パボアホイジオタさん
田中およよNo2の「な… 田中およよNo2さん

コメント新着

 ダンスインザダーク@ 政府税制調査会は何をしたか? 結局、政府税制調査会はこっそりと増税し…
 まくらん@ ・・・ かみぽこちゃんさんのブログは、小泉政権…
 まくらん@ ・・・ かみぽこちゃんさんのブログは、小泉政権…
 タカダ@ アクセス数  アクセス数には、アンテナに登録して放…
 ゴルゴムの仕業だ@ 狂信者に薬は効かない…どうしてこうなった かみぽこさんは民主党崩壊時に起こるであ…
2005年06月23日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、今日は「英国政治ウォッチング」
で行きましょうか。

私の本業での専門ってのは
うすうすご存知の方もいらっしゃるだろうが、
いわゆる「官僚制」の研究であるわけだが、
英国にはなかなかに興味深い
官僚制についての実証研究がたくさんあって、
本業とはいえ楽しみながらいろいろ読んできた。

皆さんご存知の通り、英国は1980年代
「鉄の女」マーガレット・サッチャー首相時代に
規制緩和・民営化の行政改革を成し遂げた。

この「サッチャー改革」については、
日本ではサッチャー首相の強い指導力と、
政治家による官僚組織のコントロールの強さ
という文脈で紹介されることが多い。

ところが、いろいろ英国で文献を読んでいると、
官僚組織は英国の行革において、
組織防衛のために行動する「抵抗勢力」として
単純に登場するのではなく、
実に様々な行動を見せていて
非常におもしろい。

それらについては、
またちらちら書くこともあるだろうが、
今日は先日読んだこんな話を紹介してみたい。

俗に言われている
日本の官僚制の問題点の1つに

「天下り」

がある。これは要するに、
官僚が退職後、在籍していた省庁と関係が深い
民間企業等に再就職することである。

人事院が出している「天下り白書」によれば、
例えば2003年度に民間企業へ天下りした
国家公務員は78件、省別では財務省の13人がトップ。

この天下りには、
一般的に様々な弊害が指摘されている。

まずもって言われるのが、
官僚の企業への再就職によって、
その企業に対して過剰な便宜が図られる、
という批判である。

いわゆる「政・官・業の癒着」と言われるが、
その根っこにあるのが官僚の天下りだということだ。
特に問題なのは特殊法人や独立行政法人への天下り。
官僚が天下るためのポストを作るために
不必要な事業が作られ、補助金が出されていると
そしてその補助金の6-7割が人件費(要は天下った役員の給与)
だったりする例もあったりして、
厳しく批判されているわけだ。

そこで、国家公務員法では、
官僚が退職した役所と関係のある企業に
再就職することを禁止している。

ただし、これには抜け道があるというか、

「官僚の在職中の担当領域と
再就職先の関連が重大ではない」

と人事院が承認すれば
再就職できるし、
担当領域との関連が重大かどうかの基準は
今一つ明確ではない。

天下りが批判されるのはもう1つの大きな理由がある。

それは、退官した官僚が
民間企業や公益法人のポストを転々と渡り歩き、
渡り歩くたびに地位が上がり、
その都度退職金を手にするからである。

いろんな会社を渡り歩き、
10年間に6000万円の退職金を手にしたという
例さえあるという。

この官僚の天下りの背景には、
中央省庁での早期退職の慣行がある。

皆さんよくご存知の通り、
同期入省組の中から事務次官が誕生する時には、
同期は全員退官しているという慣行なのだが、
各省庁では係長・課長補佐・課長と
役職が上がるにつれて
厳しい出世競争があり、
競走に敗れたものは外局に出され、
やがて肩たたきにより早期退職する。
勧奨退職年齢は平均54.2歳だという。

この早期退職者の受け皿として、
各省庁は天下り先の確保に
血眼になっている。。。

まあ、ここまで書いてきたのは
官僚の天下りについて、
教科書的にまとめただけであって、
このエントリーの目的は、
別に官僚の天下り批判ではない。

天下った官僚さんたちが、
25年、30年という省庁での知識と経験を
天下った先で生かしてくれるのなら、
何の問題もないのだ。

そして、その知識と経験が
生かされているかどうかは、
ここでは論評するつもりは全くない。

このエントリーで書きたいことは、
英国の官僚制についてである。

「天下りはないけれど」

というのが
このエントリーのタイトルだけれども、
まあ要するに英国に関しては
日本的な官僚の天下りというものは
ないわけである。でも

「天下りはない」

ではなく、あくまで

「天下りはないけれど」

としているところがポイントである。
それでは、話を始めたい。

英国の官僚組織は
ホワイトホールと俗に呼ばれるが、
(日本での「霞ヶ関」という
官僚組織の俗称と同じようなもの)
このホワイトホールには霞ヶ関のような
年功序列の人事制度がそもそもない。

定期採用とか、
ある特定の時期に職員全員が
人事異動することはなく、
それらは年がら年中ある。

そして、異動は組織内部の
年功序列で行われるのではなく、
組織内外に開かれた
公募という形で行われる。

つまり、例えば課長とか部長とかのポスト
(日本的に言えば)を決める際に、
組織内での年功序列と成績によって
決められるのではなく、
そのポストにつきたいという人が
手を上げて応募する。

それは組織内だけの募集ではなく、
同時に必ず外部からも公平に募集するし、
実際に外部から採用する。

だから、中途採用のほとんどない霞ヶ関と違って、
ホワイトホールでは中途採用が多く、
民間との人事交流も盛んである。

逆に言えば、ホワイトホールでは
官僚の中途退官も普通に多いということであり、
霞ヶ関のように年功序列・終身雇用を前提にして
「天下り」という形で
組織が退官後の再就職まで
面倒を見るようなことは
ありえないわけだ。

「オープンな公募によって
公平に能力を評価し
民間の優秀な人材を採用する。」

一見よさげな
ホワイトホールの人事制度であり、
日本の政治家さんが夏休みにでも
視察に来て「この制度を導入すればバラ色」と
報告するにはもってこいのように見えるが、
ここにもやはり問題点はある。

私が読んだ本に、こんなことが書いてあった。

「官僚と経済界の密接な関係が問題だ。」

あらら、オープンで公平な人事制度で天下りがないのに、
どうしてこんなことがと思うだろうが、
要はこういうことである。

ある役所の、部長だか課長だかのポジションが空いた時、
公募にはその役所の業務に関連する企業で
実務経験がある人間が応募し採用される。
逆に、部長だか課長だかのポジションにいた官僚は、
その関連業界に就職することが多い。
(英国でもやはり許可はいるようだが。。。)

しかし、公募で役所の部長なり課長なりのポジションを得た人は、
今度は行政での経験と専門知識を生かすべく
関連の民間企業に転職する。
逆に、関連業界に転職していた元官僚は、
民間での経験を生かして役所の公募に応募し、
再び以前より高いポジションで採用される。

このように、
役所→民間→役所→民間。。。
と転職を繰り返していくことを俗に

「回転ドア(the revolving door)」

と英国では皮肉をこめて呼ぶようだ。
皮肉をこめてというのは、
この回転ドアを人が回っている間に、
民間企業に様々な便宜が
役所から図られるとささやかれているからだ。

役所に転じた人は、
元いた民間会社に便宜を図り、
民間会社に転じた人は、
元いた役所に便宜供与を依頼する。。。

官民のオープンな人事交流の間に
実はこんなことが行われてるんじゃないの?
と英国では批判されているわけだ。

一例として、
私の読んだ本には
防衛省と防衛関連企業の間の
便宜供与の疑惑があったとか
書いてあった。

要するに、
日本では官僚の「天下り」を通じて、
役所から民間企業に便宜が図られることが
批判されるわけだが、
英国でも「天下り」はないけれど、
官民の間のオープンな人事交流によって、
役所から民間企業に便宜が図られることが
批判されているわけだ。

しかし日本の場合、
いわゆる「上がり」になった官僚が、
取締役とかで企業に天下って、
やることといえば後輩の役人を訪ねて、

「うちの会社を1つよろしく!」

と一声掛けるくらいだけれども、
英国の場合は、
もっと実務的なレベルで
役所と企業が深い関係を築いて
便宜を図るってことだから、
これはどっちがやってることの
問題の根が深いかというと、
よくわかんないよね。

今日はその点については、
どっちが悪いとか
論評するつもりはありませんが。。。

いずれにせよ、
役所と企業の癒着という問題は、
どこの国にでもあることなんだなあ、
ということなんだろうと思う。

その形は国によって全く違っていてもね。
それでは、またね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年06月24日 09時16分49秒



© Rakuten Group, Inc.