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2007年12月09日
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さて、最後になりますが、
ここからは

「日本で大連立は可能か?」

ということを、
ちょっとだけ学問的に(?=苦笑)

「ドイツの大連立との比較」

の観点から、
論じてみたいと思う。

「ドイツの大連立」
といっても、
ここで取り上げるのは、
現在の、メルケル首相率いる
大連立政権ではなく、
1966年のキージンガー政権の
ことである。

なぜなら、当時の
西ドイツ社会民主党(SPD)は、
党勢を拡大していたが
政権担当経験がなく、
特に、東西冷戦真っ只中だから、
「外交・安全保障」に関して
西ドイツ国民の信頼を
なかなか得られなかった。つまり、

「政権担当能力」

に疑問を持たれたわけだ。

そこで、ブラントSPD党首は
キリスト教民主同盟(CDU)
キリスト教社会同盟(CSU)と
大連立政権を組むことによって、
政権担当の経験を積み、
国民の信頼を
勝ち得ることに成功し、
1969年のブラント政権樹立に
つなげたのである。

つまり、西ドイツの大連立は
政権担当の経験がない
中道左派の政党が
大連立を通じて
現実的な政策担当能力を
身に着けることで
政権獲得に成功したという
格好の前例であるように思える。

実際、そんな主張をしている
論者もいるようですね。

民主党も、ドイツのSPDに倣って
大連立によって
政権担当の経験を積んで
政権交代につなげれば
いいじゃないかという
主張だよね。

しかし、日本ではそれは
うまくいかないだろうと
私は考えます。

最初に、私は思うのだけど

「政権担当能力」

という言葉ほど
日本の政界で
ええかげんに使われている
言葉はない。(苦笑)

「政権担当能力」とか
わかったような顔をして
言っている輩の中で

「政権担当能力とは
いったいどのようなものか」

明確に定義してくれている人は
私の知る限り1人もいない。

「政権担当能力」という言葉が
いかにええかげんで
実体のないものかは
私の以前のエントリーに
しっかり書いてある。
(2007年8月25日
民主党はこれからどうすべきか。(後編):「天皇陛下の野党」をめざせ。(苦笑)

要は、自民党と民主党の差というのは
単に、

「使えるスタッフの数の差」

ということだ。

自民党の大臣は
数百人の官僚が使えるが
民主党の「次の大臣」は
民主党政調の10人くらいしか使えない。

「数百人 VS 10人」

この差があるだけだ。
それだけのこと。

その証拠に、
自民党と民主党のマニフェストを
読み比べてみるといい。

自民党は、民主党のマニフェストのことを

「財源に根拠がない」

と批判するが、
じゃあ、その自民党のマニフェストは
どうなっているかというと、

「財源は一切書かれていない」

のだ。(苦笑)
つまり、自民党が言いたいことは

「我々には優秀な官僚が付いていて
彼らが財源をしっかりみているから大丈夫だ」

ということなのだ。

だが、その官僚というのは
政権が変われば
民主党が使うことになるのだ。

そうなると、自民党と民主党の差は
自民党の政調スタッフは
民主党より充実しているとしても


「30人 VS 数百人」

くらいに、
簡単に逆転するのだ。

「自民党は、民主党よりも
官僚とうまくやれる」

という人が、
いるかもしれませんわな。

それこそ、大爆笑だ。

防衛省の問題はどうだ?
薬害や年金に対する
厚労省の動きの鈍さは
なんなのだ?
国土交通省の独法廃止に対する
ゼロ回答とかなんなのだ?

自民党は官僚に
なめられ切っているではないか。(苦笑)

「安全保障問題への対応?」

確かに、民主党はもう少し
勉強したほうが
いい部分はありますわな。

しかし、これだけ次々噴出する
防衛省の問題や
自分らが提供した油が
どこに使われているかも
把握できない自民党に
シビリアンコントロールを
しっかりやる能力があるとも
思えないよな。

要するに、
「政権担当能力」なる言葉に
まったく実体はないのだ。

だから、「政権担当能力」を
身に着けるために
大連立で経験を積むなんて
チャンチャラおかしな
発想でしかない。

次に、もっと
日本政治・日本社会の構造
という観点から、
大連立はやめたほうがいいと
論じてみたいと思う。

ドイツで大連立がうまくいくのは、
CDUとSPDの支持層が
はっきりと分かれていることが
大きいように思う。

つまり、欧州は階級社会であるという
単純なイメージで考えるだけで
わかるのだけれどもね。

キリスト教民主同盟(CDU)という政党は
キリスト教の思想に基づく保守政党で
支持層は中流以上の階層ということになる。

これに対して、社会民主党(SPD)は、
言うまでもなく、労働者階級が
支持する政党である。

これは、たとえ
大連立政権が組まれても
変わらないんだよね。

どういうことかというと、
大連立政権が組まれても、
CDUの支持者は
保守的な政策が
SPDの支持者は
労働者のための政策が
どれだけ実現されるかを
評価する。

だから、総選挙になったら、
パッと連立を解消できるのだ。

そして、保守的な政策が評価されれば
CDUが勝利するし、
逆に、社会民主的な政策が評価されれば
SPDが勝利する。

実際、キージンガー政権で
政権入りしたSPDが
その後、政権を奪取したのは
社会民主的な政策が
次々と実現したことが
評価されたからだ。

それでは、日本で同じように
民主党が自民党と大連立を組んだら
どうなるだろうか。

このエントリーで書いたことである。
(2005年10月15日
民主党はこれからどうすべきか。(後編)

郵政解散総選挙で
小泉さんが大勝利を収めた時のことだが、

「結局、日本人は自民党が好きなのだ」

と、書いた。

要するに、民主党に票が流れるのは
自民党がモタモタしてるからであって、
小泉さんのようにかっこよく決めたら
一挙に自民党に票が流れる。
それは、結局みんな
「自民党が好き」だからだと
いうことだ。

逆に言えば、民主党というのは、
まだ、日本社会にしっかりと
根付いたものになっていないと
いうことである。

これは、日本がドイツのような
階級社会ではないから、
保守と労働という形で
政党支持がはっきりと
分かれていないということであるが、
それ以上に、自民党という政党が
実に約50年政権の座にあって
1960年代に早々と
政権を明け渡したCDUとは
桁違いのしたたかさを持っていると
いうことだと思う。

そんな自民党を相手に
民主党が大連立を組んでも、
どんどん自民党に
食われてしまうだけだ。

自民党は政策的に
なんでもありだから、
民主党の主張は
いつのまにか
自民党のものになってしまって
手柄は全部自民党ということに
なってしまうだろうね。(苦笑)

そして、いざ総選挙になって
連立を解消する時には
民主党の半分は
自民党に移ってしまうんじゃ
ないだろうか。

つまり、大連立を
政権交代のステップとするには

「政党間の違い、政党支持者の違いが
はっきりとしていること」

が、重要だということを
ドイツの大連立の経験は
示唆しているのであって、

「日本社会はドイツと違って階級社会ではない」
「自民党はCDUよりはるかにしたたかで、政策の幅も広い」
「民主党はSPDほど確固たる支持層を持っていない」

こう考えると、
日本で大連立を組むと
今の自民党を延命させるだけで
政権交代のある
民主主義の成熟には
つながらないと
結論せざるを得ないだろうね。

ということで、

「いまさらですが、大連立騒動から考える」

ということで、
いろいろ書いてみました。

いかがでしたでしょうか?(笑)

それでは、またね。

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<推薦図書>

渡邉恒雄著「渡邉恒雄回顧録」


平島健司著
ドイツ現代政治

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最終更新日  2007年12月10日 01時27分47秒



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