テーマ:生き方上手(688)
カテゴリ:セミナー
その、研修の中で”1000円サバイバルゲーム”というのをやった。
全くお金を持たずグループでお店を周り何か働かせてもらい、その対価のお金をもらうというもの。 グループで歩き出してから、パインコ屋、居酒屋、美容院、問屋、八百屋、等々何軒ものお店に断られ、歩きつかれたころにある果物屋さんに入った。 個人でやっているというその店主さんが、親切に受け答えしてくれた。 「できることなら、うちで何か仕事してもらいたいけど、今何もないんだよね。」しかも、今はどこもやっていくのが難しくなってしまった。どんなにいい製品を置いても、どこかが安いというと、すぐそちらでお客さんは買い物しちゃう。 それで、もうたくさんのお店がつぶれたよ。 と、とつとつとお話をしてくれた。 そしてうちのキューイが特別おいしい、という話や、果物の紹介まで、丁寧にしてくださった。20分くらいの時間。グループのメンバーはそれを誰もさえぎることなく、うんうんと聞いていた。もちろん疲れていたのもあったけれど、その人の話を一生懸命聞いていることで、なんだかメンバー一体感が生まれてきた。。ように思う。 それは、その店主さんの店と仕事に対する思い入れをみんなが受け取ったからではないかと思う。労働に対するお金をもらうのではなくて、その思い入れから湧き起こる行動に対してお金がもらえるんだ。。ということがなんとなく肌に伝わってきた。お客さんと心が通じるお店というのは、店主の思いとこだわりをそこで売り、その思いを共有したい人がそれに払う対価ではないかな。。と思えた。 そのお店は決して繁盛しているわけではなかったけれど、その店主さんの自分らしさを貫く気持ちに溢れたお店だったと思う。 それから歩き出してしばらくしてから、また我々は素敵なお店に出会う。居酒屋を何件か回った後に出逢った素敵な居酒屋。少し古いつくりで、駅前のビルの2階にあるその弁慶というお店は入るなりいい雰囲気だった。 店員さんかどうかわからないおばさんがいたので働きたい。と告げると、社長のところに、「なんか面白い人たちが来たよ。」と呼びに行った。 そして1時間千円で、というと喜んで仕事を与えてくれた。しかもお店のホールで注文を取ったり、料理を運んだりしてくれという。え、いいんですか?と言いながらビールや食事を運び、注文まで取った。 一緒に働くスタッフの方々にも親切に相談してくれ、とても暖かい雰囲気がお店の中に流れていた。 社長さんはその店の一角でなじみのお客さんとお酒を飲んでいて、忙しくなると、少し出てきて手伝われた。 71歳というその社長さんが何度か、話し掛けてこられて、”人生は出逢いなんだよ”と言われた。もしかしたら僕と君とは一生会えなかったかもしれない。けれど、こうして出逢えてたくさんの事を勉強できる。と言われた。 その満面の笑みと、社長のところに集まる方々を見ていると、本当に自分の仕事を素晴らしいと思える人だな、と思った。 次にみんなで来たら私がおごってあげるから是非来い。と言われて社長が最後にグループの仕事ぶりに付いて書かれたコメントにはこう書いてあった。 「やればできるのですね。若い人の目の輝きに感動しました。いろいろと勉強になったと思います。」 あーなんて大きな人なんだろうな、とこのコメントを見てまた思った。何か仕事をさせて自分が得ようという気持ちはこの人にはカケラもなくて、その出逢いから何か素敵なことを経験しよう、そして、それを通じてこの出逢った人に何か持って帰ってもらおう。そんな思いが溢れているように思いました。 最後に少しだけ飲ませて頂いたカクテルを飲んで酔っ払った我々はとてもいい気持ちで研修所へ帰っていった。。 お金をもらえたことより、その社長さんに逢えたことが本当に嬉しかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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