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明日の風の吹く場所から・・

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Mar 3, 2006
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カテゴリ:エッセイ
友達の女の子と話していた。

「この年になってまだ門限があって、この間母親にすっごくヒステリックに怒られた。信じらんない。」そう君は話してた。
そうだよね。きっと頭にきただろうし、なんだか理不尽だったんだと思う。お母さんにだって理屈はあるだとうし、君にだって理屈はあるんだ。

けどね、僕が色んな人に会って、話を聞いてて思ったことがあるんだ。例えばね、ヒステリックに怒ったお母さんに捨て台詞を吐いて君が家を出て行ったとしよう。そしてその日にお母さんが亡くなってしまったら君はどう思うだろう?きっとなんでもっと話を聞いてあげなかったんだろう、もっと真剣に向き合って話しなかったんだろう、なんで最後の言葉が捨て台詞なんだろう。。そう思うんじゃないかな。

逆に君が飛び出して行って、そのまま帰らぬ人になっちゃったら、きっと君のお母さんは思いっきり悲しむし、後悔するだろうな。もっとわかってあげれば良かったって思うんじゃないかな。

僕は思う。人の人生ってそういうものなんだ。今目の前にあることがいつの間にか当然になってしまったら、それが無くなるまで、その事の持つ意味や重さに気づかないんだ。

もちろん君が間違っているわけではないし、誰かが正しいわけでもない。怒られて腹を立てるのは当然かもしれない。

けど、世の中にはそんな関係を切望しても手に入らない人や、それを永遠に失ってしまった人もいるんだ。

あるおばあちゃんが、一緒にいたときはうるさくて仕方なかったおじいちゃんのいびきが、亡くなった後に恋しくて仕方なくなって、なんで録音しておかなかったんだろう。。と涙ながらに話したというお話を聞いたことがある。

それは、本当にそこにいる、というだけで大切だった、おじいちゃんの存在がなくしてしまったことの寂しさと、その事に気づかずに出し惜しみをしてしまった愛が今になって心に溢れてきたからじゃないのかな、と思う。

人の心は簡単じゃないから、これを聞いたから、すぐに何かしろとは言わないけれど、人生の中に散りばめられているたくさんの大切な人やモノの存在を、無くなってから気づくのは本当に勿体ないことだと思うんだ。

すべてのものはいつかは消えて無くなってしまう。けど、その時に流す涙は後悔の涙であってほしくはないな、と、そう思う。

君とその周りのすべての人が幸せに包まれていますように。
じゃあね。





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Last updated  Mar 5, 2006 09:22:17 AM
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