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明日の風の吹く場所から・・

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Oct 15, 2006
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先日YAHOOを見てたらyahoo文学賞募集!というスレッドが目に入って、なんとなく文章書いてみよう!という気持ちになったので、1話書いてみました。テーマは「メール」ということだったのですが、あまり気にせず、思いつきで作った物語です。

せっかく書いたので8回に渡って、連載!(来週の日曜まで)しようと思いますので、楽しんでもらえたら嬉しいです。それでは。。

「雨の中の光(第1話)」

彼女の名前は美咲。OL1年目で、スーツ姿がやっとなじんできて、一人で営業もこなせるようになったばかり。顔はかわいいけれど、仕事でもプライベートでも、少し頑固でトラブルの多いそんな普通のOLだった。

 そんな彼女が昇(のぼる)という高校生に出会ったのは、ある秋の日、慌しいビジネス街の地下のcafeだった。
昇に会うちょうど前の日に、彼女は学生時代から付き合っていた彼と別れた。このままずるずると先の見えない関係を続けるよりは、きっぱりと別れた方が、お互いすっきりする。そんな別れ方だった。

だから昇に会ったときも、悲しいというより、むしろ新しい一歩を踏み出したような晴れ晴れしい気持ちの時だった。

それなのに、いつものランチを食べる込み合ったcafeで、隣に座った昇に突然「なんだか、悲しそうな顔してますね。」と言われたものだから、ちょっとカチンときて、思わず言い返してしまったのだ。「何よ!あんた。」

昇は不思議そうに首をかしげながら、「昇です」と、まるで同級生が自分の名前を紹介するように、坦々と答えた。「あのねぇ」と言いかけた美咲だったが、ふとそのブレザーの征服を着た昇の顔をまじまじと見つめ考えた。なんでこんな月曜の昼間に高校生がビジネス街のcafeでサンドイッチを食べているんだろう?

美咲は小さくため息をついてから、営業口調で、昇に話しかけた。「君は今ここで何をしてるんだっけ?学校はいいの?」エビフィレオを手に持って、そう訊ねた美咲に、またもや当然のような顔をして昇は答えた。「学校に行っても特に自分を成長させることなんてないと思うんだ。こうやって、ビジネス街で本当の社会と向き合ってる人たちと一緒にランチしてる方がよっぽど楽しいよ。」

ふーん。と美咲は思った。こいつ、面白い事言うけど、ちょっと頭おかしいな。
 第一、一緒にランチって一人で来て突然誰かに話しかけるつもりだったんだろうか。ちょっと空想入ってるな、きっと。そう思った。

ちょっとからかってみようかな、と思った美咲は「そしたら君はいつもここで社会勉強をしてるの?自分を成長させるために?」

その質問に昇はまたしても首をちょっと傾けながら、「いいえ。あなたのような、少し困った人を救ってあげてるんです。」とニコッと笑って答えた。

この答えに気の短い美咲は、自分でも一気に頭に血が上るのが分かった。仲のいい友達なら、こうなった美咲には決して話かけないようにするのだが、まるで燃え盛る炎に馬車で突っ込むように昇は「どうしたの?おばさん」と聞いた。

その一言で、美咲の怒りは頂点に達した。。。
 (明日へ続く)





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Last updated  Oct 15, 2006 05:41:34 PM
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