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明日の風の吹く場所から・・

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Jul 19, 2007
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カテゴリ:エッセイ
最近僕が仕事から帰るのは大体10時くらいだ。
朝の8時から出勤していることが多いから(遅刻もあるが)、帰るころには
くたくただし、朝の弱い僕は、会社に行くかどうか、毎日真剣に悩む。
それでも、今の生活のためには行かなくちゃ、と思い、そして行ったからには
仕事をしなくちゃ、と思い、やった仕事には責任が持ちたくて、
いつも帰りが遅くなる。

それがいいことかどうか、自分がそれを後悔するのかどうか、さっぱりわからない。
いつも帰り道、車の窓を開けて、夜の車の少ない道をひた走っていると、
少しずつ心の中から何かが溶け出していく。
それは、本来の自分の姿をさらけだす小さな旅であり、なくちゃいけない何か、を
脱ぎ捨てる小さな儀式なんだと思う。

家について、誰もいない部屋にただいま、と心でつぶやき、人のいなかった部屋の匂いをかぐ。
欲しい飲み物も、暖かいお風呂も、優しい音楽も、疲れきった身体を動かさないと現れない。
それでも寂しいとは何か違う気がする。どんな生活でも毎日という時の流れの中では
繰り返しは、いつしかありふれた普通に変わっていく。

窓の外は夜の空気が一杯で、迷い込むと帰ってこれなくなりそうで、
最近はカーテンを閉じている。気に入ったCDを最近見つけたことが嬉しかった。
なんだか最近あまり人と話していない気がする。
もちろん会社ではたくさんの人としゃべりづめなくらいしゃべって、
笑ったり、怒ったり、がっかりしたり、少しだけ頑張ったり、そんな風。
でも、仕事と違う話に最近縁がない。
どうでもいい話や、ゴシップネタや、誰かの恋の話や、結婚した同級生の話、
感動したドラマの話、見たい映画の話、青い空の話、遠い思い出の話、
その時には気づかないありふれた日常が今は遠く恋しい。

きっとこんな風に思っていたこともいつしか忘れて、また新しい何かを見つけて
子供のように顔をほころばせるんだろうな、そう思ってみる。

椎名林檎の「幸福論」の歌詞をふと思い出した。

時の流れと空の色に
何も望みはしない様に
素顔で泣いて笑う君のそのままを愛してる故に。。

誰かが言っていた。
「生まれてきた事に意味なんてないんだ。今をどう生きているかに意味があるんだ。」

今日も暖かさと、自由と小さな孤独に包まれたベッドで眠ろう。
おやすみなさい。





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Last updated  Jul 20, 2007 01:15:03 AM
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