カテゴリ:エッセイ
僕には大好きなガラスのポットがあって、
夜遅く帰ってきて、寝るまでに少しホツとしたい時や、 週末の気だるい朝の空気を明るくしたいときや、 もうすぐ終わる日曜日を惜しむ時に、 それでハーブティーを入れたり、烏龍茶を入れたり、紅茶を入れたりする。 その透明なポットの中でゆっくりと葉っぱから溶け出してくる色が、 なんともその時の僕の心を癒してくれるようで、とても好き。 特に元気を出したい時には、ローズヒップの赤いキラキラ輝くお茶を 飲むと、まるで魔法の薬のように、とてもいい気持ちになって、 その瞬間とても幸せな気分になれる。 そんな自分にとってかけがえのない時を生み出してくれるガラスのポットの フタの部分を今朝、炊事場で割ってしまった。。 今日は日曜なのに珍しく早起きして、朝から部屋の片付けをした。 昨日恐ろしく疲れていたので、8時頃寝たせいだけど。 それで、昨日使ったポットを片付けて綺麗に拭いていたとき、 細い注ぎ口の汚れをふき取って、その底を眺めようとポットを傾けた瞬間、 まるでスローモーションのように、コロッとフタが落ちて、 あまりにもあっけなくそのガラスのフタは砕け散った。。 すごいショックが身体中を走り、動揺して、うろうろして、 見ると、取っての部分が抜け落ちたようになくなっている。 そして、シンクの中にガラスの破片がいくつも転がっていた。 どうしよう・・すぐに買いに行こうか、嫌まだ7時だ。 破片はどこ?探さないと。 えっ。慌てると手を切るかな。。 なんだか一人で泣きたい気持ちで、ガラスの破片を捜索。 いくつか集まったカケラを見つめ、そういえば 引越しの時に使った瞬間接着剤があったことを思い出す。 慌てて倉庫になっている部屋をあさると、意外にあっさりと見つかった。 けれど、その後砕けたカケラとにらめっこをしながら、台所で 一つずつをくっつけていった。。 途中で指先は接着剤だらけになるし、組み方を間違えて、もう一度 外してやり直してみたり、結局立ちっぱなしで、 そのポットのフタとにらめっこをして、なんとか形にした。。 砕けてもう使い物にならなかったり、なくなってしまったカケラも あるけれど、なんとかフタとしての機能は果たしてくれそう。 本当に馬鹿みたいだけど、嬉しかった。 見た目も接着剤でヒビが白くなっているけれど、それでも なんだかいとおしいな。と思った。 頑張れ。僕のポット。 今君は世界に一つしかない勲章を手に入れたのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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