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北閑人コーの読書日和

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北閑人コー

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2007.03.14
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春近しのうららかな日々であったのだが、一転大雪である。
本日は東京乾電池「長屋紳士録」どうなるものかと、仕事を終えると定時ジャスト、車に乗り込んでシアターZOOに電話をすると当日券はまだあるとのこと、電話予約して会場に向かうと早過ぎた。
近場の喫茶店で時間を潰して会場に向かうと、会場に下りる階段前の路上を怪しげな風体の男が一人、柄本明であった。アイコンタクトで挨拶して会場に降りる。
過日この芝居を観た友人と電話で話した際、柄本明は熊役であったと聞き、僅かに意気消沈していたのだったが、本日は柄本明と角替和枝夫妻の阿吽の呼吸というかなんというか、台詞のとちりも笑いに変える余裕である。
小津安二郎『長屋紳士録』を中心に「一人息子」「風の中の牝鶏」「麦秋」「お早よう」のシーンが差し挟まれる。
小津を見ていると決して笑えないシーンで笑いが起こるのにやや不満を感じつつも、映画『長屋紳士録』において笠智衆が歌う「のぞきからくり」の口上を歌うシーンは皆の拍手が起こる、『長屋紳士録』を初見したとき、いつかこの口上を歌えるようになりたいと思った若い頃を思い出す。
映画と舞台のあわいを暗転劇として作られたこの芝居は、冒頭と仕舞にフィルムが映写される。
相米慎二『風花』において、温泉宿の主人としての柄本明が自らの旅館の夜の出し物として、「番場の忠太郎」であったか「清水の次郎長」であったかを花吹雪舞い散らかしていたシーンを思い出す。
いつからなのかわからないが、「しこふんじゃった」のなかでコクトーの相撲に関する評論の一節を滑らかに語るシーンあたりだと思うのだが、柄本明は映画の人のように勘違いしつつも、相米組の欠かせない役者としていたこと思い出し、小屋前の路上でアイコンタクトをとれたタイミングを喜んでいた。
文学とサーカスの間であれ、芸術と建築の間であれ、演劇も映画も濃く、深く作られたとき、得もいわれぬ感慨が沸く。
幸福な一夜であった。






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Last updated  2007.03.14 23:22:53
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北閑人コー@ Re[1]:お引越し(02/27) kazさん プロパイダのサービス使っていな…
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北閑人コー@ Re:ブロック出来ないの?(02/27) ちょんぱぱさん トラックバックやコメン…
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