北閑人コーの読書日和

若気の至りと云うべきだろうが、私には旅はできない、気に入った地には棲んでしまうからと生意気にも宣っていた時期があった。
実際にベナレス、金沢、福岡、屋久島、小樽と棲んだ記憶がある。
旅という行為において、外側から見て憧れた地にそれが風習であれ、文化であれ、ジャス喫茶の座り心地でも構わないのだが、居易い場を見つけて、腰をおろして動くのが面倒になったのかもしれないのだが、兎にも角もその地に腰を据えて悠長な時期を過ごした経験を私は持っている。

気になっていた写真集を手に入れた。
柏艪社版「知床開拓スピリット　栂嶺レイ　写真集」
写真集であるのだが、この書籍には多くの事柄が語られる。


画像は「柏艪社」より拝借。

棲むという行為を軽々と行い、棲む意味を認識して後、纏め上げて後、然るべき方法で表現する行いに感じ入った。
素敵な方である。
諸々孕む事象を的確に捉えて、作品に昇華させるプロセスに強く感じ入った。

読むのはこれから。
しかし、良い蔵書を増やした気が沸々を沸き上がる宵なり。