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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.07.12
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カテゴリ:ロシア
前回取り上げた小手川大助氏のブログはウクライナ問題について連載している。歴史、経済、政治と多方面にわたった具体的な記述は問題の深さと幅の広さを示して勉強になる。

 記述は客観的だが、全体のトーンはロシアに対して好意的だ。小手川氏は元大蔵省(財務省)の官僚で米国の牙城であるIMFの元日本代表理事。経歴から言って米国寄りのスタンスになるのが普通なのに、ロシア寄りになるのは明確な確信があるからだろう。その分、注目する価値があるとも言える。

 ロシアのプーチン大統領はクリミアの編入後は強硬姿勢を緩め、ウクライナの現政権と東部南部の親ロシア派住民との対話を求めている。欧米、それに日本のメディアの論調は「プーチンが西側の経済制裁の脅しにひるんだ」との見方を示しているが、小手川氏は「これは全くの誤りだ」と否定する。

 「制裁がロシア経済に一定の影響があるのは確かだが、大したことはない。本当に経済制裁を強化したら、困るのはむしろ西欧だ」という見方だ。なぜか。

 <ロシアは国内産業を保護しておらず、その市場は極めて開放的だ。……ホテル業界を見ても、モスクワの主要ホテルは、リッツ・カールトン、ケンピンスキー、シェラトン、ハイアット、ロッテと西側のホテルチェーンが目白押しである(ちなみにハイアットはオバマ政権の商務長官が社長を務める系列である)。VISAはロシア国内で毎年10億ドルの利益を出している。ブリティッシュ・ペトロリアムはロシア国内で2つの大きなジョイントベンチャーを維持し、ロシアの石油産業の重要な一角を形成している。このほか、米国、ドイツの企業を中心に西側の企業による対ロシア直接投資は莫大な額に上っており、ロシアが経済封鎖をした場合の西側企業に対する影響は極めて大きなものとなろう>

 <ロシアの富豪は海外投資をしており、プレミアリーグの所有者となったロシアのオリガルヒなどが有名だ。また、ロンドンの金融機関及び不動産業界はロシア富豪の投資で成り立っている面が大きい。仮に経済制裁がこれらの富豪に対して発動された場合……彼らは資産をロシアへ戻さざるを得なくなり、ロンドンの金融機関や不動産業界は相当な影響を被る一方、ロシア経済にはプラスの効果となりプーチン氏に有利に働くこととなる>

 <さらに、ロシアはイランや中東の産油国と異なり、石油や天然ガスの輸出だけで食っているのではない。……ニッケルやチタンといった鉱物を大量に輸出している。(前回の本ブログで取り上げたように)チタンの主要輸出先はボーイング社だ。ボ社はロシアに1991年に事業を立ち上げてから70億ドル投資してきており、チタンを180億ドル購入する計画だ。輸入停止となった場合、同社の航空機製造にも大きな影響が及ぶ>

 だから、ロシアが経済制裁に対して自信を持っているのに対し、欧州はロシアへの経済制裁には及び腰なのだ。同様の気持ちの米国企業も多い。

 プーチン大統領はこうした西側との幅広い経済交流を背景に、ホンネではロシアとコトを構えたくない西欧諸国を味方につけようとして、対話路線に動いたというわけだ。米国のオバマ政権に対しては、相当な不信感を持っているが。

 こうした中で、日本も愚直に米国に追従するばかりの外交はやめて、経済交流の道を残すしたたかさが必要だ、というのが小手川氏の主張である。

 それにしても小手川氏がブログで解説しているウクライナ経済は相当に悲惨な状況である。国内の内戦が治まらない原因の1つもそこにある。経済復活はイバラの道であり、米、欧、ロシアとも火中の栗を拾いたくないというのがホンネだろう。

 





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Last updated  2014.07.12 23:33:32
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