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Jul 26, 2020
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カテゴリ:仕事

コロナの影響は仕事にかなり影響していた。

正直、普通の営業じゃ成果なんて全然挙げられなかった。

緊急事態宣言が解除後、少しは状況が変わったが、劇的な変化もなく、正直手を拱いていた。

で、考えたことは…

『形振り構ってられない!』

ってこと。

実行したのはプライドも捨て、今まで働いた職場に頭を下げて営業を掛けた。

結果的にそれは直ぐに成果が出た。

でも、どうしても躊躇していた元職場があった。


それは約10年前に初めて介護業界で仕事をするきっかけになった会社。

その会社は当時、創業間際で俺が最初の営業マンだった。


その会社はヘルパーの資格は持っていたものの、業界の仕組みなど全く分かっていなかった

俺に1から教えてくれた。

特にお世話になったのは10歳年下の上司で、この方が業界に精通したかなりの切れ者。

最初は二人で営業回りや新しい施設の立ち上げを通じて、沢山のことをその方から学んだ。

その時間は確かに忙しかったが、本当に楽しくて毎日ワクワクしていた。

10歳年下の上司とは言え、人しての器が違い過ぎると痛感したのもこの方だった。

営業を回りながらも冗談を交えながら、色んな事を教えて頂いた。

営業的にも優秀な方で、市場分析能力、戦略の立て方、攻めどころを把握し手上で引き際の潔さや

どんな相手にも物おじせず、自分の主張は一切曲げず、自分の意見は通すところなどは

絶対真似できないと痛感させられた。

恐らく、長年営業の仕事をして色んな営業マンには出会ってきたが、ここまでバランスの取れた

絶対に勝てない、いや、並ぶところにまでもすら届かないと思った人は居なかった。

こういう人が会社を動かしていくんだと思ったし、俺は残念ながら歯車の一つでしか出来ないと

思ったくらいだった。

だが、その時間も終焉を迎える。

ジョブローテーションで俺の次に入ってきた営業マンと職場を交換した際に、俺はそいつに

迷惑を掛けないように、幾つか取れそうな案件を用意して引き継いだが、そいつが居た場所は

そいつが荒らしていたとも言えるくらい、評判を落としていた。

結局俺はその立て直しからの作業となった為、当然実績は挙げれない日が続いたが、対照的にそいつは

俺が段取りしていた案件で実績を挙げていた。

ある日、俺を嫌っていた常務から呼び出されて、数字を突き付けられて、営業失格の烙印を押された上で

新しくできた施設のヘルパーとしての辞令を出された。

屈辱的で、当然俺がやったプロセスなんかは見てくれない。

結局、言い訳もできず、上司からもそのことをドラスティックに言われたため、喧嘩別れ的に退職を

決意した。

最終日、退職の手続きを済ませたら、常務から

「創業時から頑張ってくれました」

と心無い文言を言われたので、無言で会社を出た。

それを上司が外まで追いかけてきてくれて、

「今まで本当にありがとうございました」

と言われて、固く握手された。

複雑な気持ちだったが、上司にお世話になった数々のことは否めなかったし、そこで俺も

「ありがとうございました」

と言うのが精一杯で別れてしまった。



俺はそれがずっと心のどこかで引っかかっていた。

もう一度あの上司と一緒に仕事をしたいと思ったが、それは叶わない夢。

でも、何か恩返しをしたいとずっと思い続けていた。


で、今の仕事に就いて、この会社なら自信をもってもう一度上司と会えるんじゃないかと思っていたが

やはり別れ方が良くなかったと心のどこかで蟠りを持っていた。

しかし、今はそうも言ってられない状況。

元の会社は創業時から順調に実績を重ねて、今や大阪市内に事務所を構える立派な会社になっている。

更に、俺が昔電話を機主変したときに電話帳を移行したら何故か元上司の電話番号が消えていた。

俺は元の職場に手がかりを見つけようと訪問したが、ダメで、当時勤めていた仲の良かった人たちの

lineが残っている人に片っ端から連絡したが結局、元上司には繋がらなかった。

で、諦めて本社の代表電話番号に玉砕覚悟で電話したが、手応えは無く、半ば門前払いだった。

その時、俺は悪あがきで元上司の部下でしたと伝えていたのが、唯一の頼みの綱だった。



だが、電話した翌日、元上司から携帯にショートメールが届いた。

そこには、日時を指定してあって、元上司から電話を掛けてくれるという内容だった。

当日、俺は電話を待った。

掛かってきた懐かしい声。

直ぐに何か空白の時間が埋まり、仕事の話をしつつ、少しだけ元上司に感謝の言葉を言って

会う約束を取り付けた。


で、その日が連休前の日だった。

私はうちの上司と同行訪問して、指定された場所に伺った。

我々は待ち合わせ時間より少し早く行き、元上司を待った。

時間になり、元上司の姿を見たら当時と何も変わっていなかった。

先ずは簡単な挨拶をした後、上司からプレゼンをしてもらい、そのご意見交換した。

元上司から聞いた提案はうちにとって上出来すぎるほどの好条件。

本当に有難かった。

その後、元上司は当時の思い出話をうちの上司の前で話し始めた。

奈良の施設の立ち上げ時に二人で1日多いときは200㎞位走りまわった話や、元上司の娘さんと

うちの息子が偶然同い年だったので、仕事の合間に子育ての話をしたことや、うちの娘が当時写真に

移る際、必ずしていたピースサインの話など、俺が忘れているような話までしてくれた。

で、極めつけは俺が残していった最後に在籍した職場で見つけた俺の名刺を

今でも大事に持っていてくれたこと。

それを聞いた時は、正直涙がこぼれそうになった。

その話をした上で、元上司は俺のことをずっと気にしていたと言ってくれ、会社が創成期で人を大事に

していなかったことを常務と反省しているとまで言われた。

俺は

「与えられた環境で、実績を付けれなかった俺の実力不足です。それは仕方ないと思ってます。」

と言ったところ、

「今考えても、あの環境で実績を挙げれなかったのは当然だと思っているし、自分でも無理だと思う」

とまで言って頂いた上で謝罪された。

俺は社交辞令だったとしても、その言葉で救われた気がした。

それと同時に、

『やっぱりこの人には敵わないや』

って痛感した。


その後、会社を出て、元上司が見送りに出てきてくれて、挨拶をして帰ろうとしたとき、

再び呼び止められて、

「〇〇さん、タバコ行きません?」

と懐かしい言葉を聞いて、それから少し喫煙所で二人で思い出話を話した。






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Last updated  Jul 26, 2020 08:24:11 AM
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