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小林さんの命を守るネットユーザーの会

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2011.02.12
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佐々木です。ついに2月14日に再審開始を求める申立を行ないます。
そこで、改めて、小林さんの当日の行動についてお知らせしようと思います。
以下の文章は、2月14日提出予定の再審請求書の冒頭部分(一部ブログ用に改変)です。

何もないような日常が、突然、非日常に変わり、警察という権力機関から犯人扱いされるこの不条理感。当事者であれば、耐え難いものであり、戦える力がなければ、ただただ脱力し、無気力となり、言うがままになってしまうのではないでしょうか。日本の冤罪率は、現れる数字より、ずっと高いと思います。

~~~~~~~~~~~~

第1章 事件の概要、確定判決の証拠構造及び新証拠

第1 事件の概要
1 小林さんの経歴
 小林さんは、昭和17年4月に生まれ、昭和40年5月に東京都千代田区内の小学校に勤務をはじめ、教員生活をスタートさせた。
 昭和63年4月には、東京都杉並区内の小学校の教頭となり、さらに、平成5年4月には、シンガポールにある日本人学校の教頭として赴任し、現地で3年間教鞭をとった。
 平成8年3月に帰国し、同年4月以降も教頭として勤務を続けていたが、平成11年ころより手に痛みを感じており、ついにはチョークを持つのもままならず、板書がうまくできなくなったことから、退職を決意し、平成13年3月に36年に及ぶ教員人生に幕を下ろした。
 ただ、平成13年4月以後も、週4日間、教育センターの嘱託職員として、主に幼稚園・小学校・中学校教諭の研修業務に携わってきた。

2 事件当日 自宅から逮捕・取り調べまで
(1)西武池袋線・池袋駅に向かうまで
 平成17年3月18日、この日、小林さんは教育センターへの出勤日ではなかった。
 小林さんは、習っていた手品講座の受講料を新宿の読売文化センターへ支払う用事と、池袋のメトロポリタンプラザオフィスで行われる仏教講座の受講のため、午後3時頃、家を出た。
 手品講座は、子どもたちにも見せられるし、手のリハビリにもなるだろうと思って小林さんが習っており、また、仏教講座は小林さんの趣味であった。
 小林さんは自宅の最寄駅である西武新宿線武蔵関駅から西武新宿駅へ移動し、歌舞伎町交番の裏手にある読売文化センターで受講料を支払った。その後、新宿駅まで移動し、JRで池袋へと移動した。
 小林さんが、池袋に着いた時間は、仏教講座が始まる時間(午後6時30分)に早かったので、マッサージ屋へ行くことにした。小林さんは、腰や肩が強ばることが多いので、しばしばマッサージ店でマッサージを受けることがあった。この日も、腰や肩に強ばりを感じていたので、空いた時間を利用してマッサージを受けた。
 マッサージ後、講義開始の時間にちょうどよい時間であったので、メトロポリタンプラザオフィスへ行った。そこから午後8時45分くらいまで仏教講座を受講した。
 受講後、小林さんは食事をしようと考え、池袋西口近くにある店に入り、そこで飲食をした。同店を出た時刻は、午後10時20分ごろであった。

(2)乗車するまで
 店を出て、西武池袋駅へ向かった。小林さんは、池袋から自宅へ帰るときは、西武池袋線の大泉学園駅を利用した方が早く自宅に着くので、この時も西武池袋線を使った。
 小林さんは、店を出て14~15分で西武池袋駅に着いた。この日は、年度末が近く、連休前の平日であったこともあり、行く道も駅も非常に混雑していた。
 小林さんは、地下の改札から西武池袋駅へ入り、エスカレーターで地上ホーム階へ出た。出たホームは5番ホームであった。既にホームには電車が来ており、車内はかなり混雑していた。小林さんは、エスカレーターの近くの電車のドアを見たが、ひどく混雑していたので、そのドアから乗ることは諦め、別のドアから乗った。乗った電車は、午後10時35分発急行飯能行きであった。

(3)電車内
 小林さんは、電車に乗り、入口付近で入口方向を向いて立っていた。小林さんが電車に乗った時点で、電車はかなり混雑していた。ところが、電車の発車間際、さらに大勢の人が一気に乗り込み、小林さんは押し込まれ、立っていた位置が入口付近から真ん中辺りまで移動した。混雑具合も、いっそう増して、肩がぎっしり詰まっている状態となった。
 小林さんは、当時バッグを両手で持っていたが、一気に人が押し寄せたことにより、手持ちのバッグが右側に少しずつずれてしまい、右手に強い痛みが走った。バッグを引き寄せることもできないような身動きが取れない状態となったが、少し経ってから車内の乗客の体勢も落ち着き、小林さんもバッグを元のように両手で持つことができるようになった。
 小林さんは当時から罹患している膠原病により、夜間に外の景色などを見ると目が疲れるため、目を瞑り、じっと立っていた。その間、小林さんはあれこれと考え事をしていた。小林さんは、石神井公園駅に着くという車内放送が流れたところで目を開けた。小林さんの目的とする大泉学園駅は急行が止まらないため、石神井公園駅で各駅停車に乗り換える必要があった。
 小林さんがそろそろ石神井公園駅に着くので、駅に降りるため体の向きを180度変えようとしたところ、何者かに右肩を叩かれた。小林さんは、叩かれた方を振り向いたが、それ以上声を掛けられるようなこともなかったので、夜なので酔っ払いなどもいるだろうと思い、あえて気に掛けることはしなかった。

(4)駅事務所へ向かうまで
 電車が石神井公園駅に着き、小林さんは駅に降りる人の流れに乗り、自分も電車から降りた。
 小林さんは、その際に、後方から左肩を掴まれた。小林さんが、掴まれた方を見ると、男が立っており、「話がある」と声を掛けてきた。小林さんは、いきなり左肩を掴まれたので、男に対し、「この手はなんだ。つかんだ理由を言え」と述べた。しかし、男は、何も答えなかった。そのため、小林さんは、何回も同じことを問うた。にもかかわらず、男は下を向いたり、横を向いたり、キョロキョロして何も答えなかった。小林さんは、男の態度に腹が立ち、男が掴んできた手を払いのけた。
 すると、男は、後ろを見ろ、というジェスチャーをした。小林さんが男の後ろを見ると、女がうつむいて目の下に手を当てている様子であり、泣いているように見えた。
 小林さんは、この状況から、肩を掴んできた男が、自分のことを痴漢犯人だと勘違いして肩を掴んできたのではないかと思い、ひどく驚いた。
 そうしていると、今度は、男は、小林さんの左腕を右手でつかんできた。小林さんは、痴漢など身に覚えがなかったので、人間違いだと何回も主張したが、男は聞き入れず手を離そうとしなかった。このような男の態度に対して、小林さんも、男の手を掴もうと考え、男が小林さんを掴んでいる手の上に自分の手を乗せ、かるく掴んだ。力いっぱいつかめなかったのは、手が痛かったからである。
 その後、男は「駅員、駅員」と言いだしたので、小林さんも、自分の身の潔白を晴らすために駅事務所へ行こう、と述べ、小林さんが先導する形で駅事務所へ行った。

(5)逮捕・取り調べまで
 駅事務所で、小林さんは何かの間違いであると主張した。男は、駅員らしき者から、痴漢を見たのかと問われていたが、「下の方だったので見ていない」などと答えていた。これに対し、小林さんは、強い抗議を行った。
 しばらくすると、警察官がやってきて、警察署で事情を聴くということになり、小林さんは、警察署で真実を話せば済むだろうと考え、素直に警察署へ向かった。
 しかし、警察署に着くと、取調室に連れられて行った。取調室には、5名ほどの警察官がいた。小林さんはそのうちの1人の警察官から「あなたは被疑者としてここにいます」と告げられ驚き、犯人扱いしていることに抗議をした。
 ところが、警察官らは「おまえ、ここにいることがどういうことか分かっているのか!」「おやじ、お前はなにをしたんだ!」との言葉を次々と小林さんにぶつけてきた。
小林さんは、いきなりこのような扱いをされたことに立腹し、抗議をしたところ、さらに大きな怒鳴り声で罵られた。そして、警察官の一人は小林さんのバッグを取り上げ、逆さにして中身を机の上にぶちまけた。
 小林さんは、「やめてください」と抗議したが、警察官らは全く意に介さないばかりか、小林さんの両隣りにいた警察官らが、小林さんの髪の毛をつかみ、グイグイと両方に引っ張り、小林さんの頭を机に叩きつけたりした。この警察官らの行為で、小林さんは手に負傷し、出血し、その血が机上及び小林さんのジャンパーに付着した。
 結局、この日から保釈されるまで、小林さんは身柄を拘束された。





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Last updated  2011.02.13 00:26:33
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