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キシリトールは、ソルビトールやマルチトールと同じ糖アルコールという甘味炭水化物の仲間です。自然界では多くの果実や野菜に含まれています。例えば、イチゴには乾燥重量100g中に約300mgのキシリトールが含まれています。ただし、これらの野菜を食べているだけでは、むし歯予防効果はありませんので、ご注意を。 人の肝臓でも、1日当たり約15gのキシリトールが作られています。 私達がガムやタブレットなどのお菓子の形で口にするキシリトールは、白樺や樫などの木から抽出されるキシランヘミセルロースを原料にして、工業的に作られています。自然界にあるキシリトールも、工業的に作られたものも、同じ分子式(C5H12O5)ですので、両者に差はありません。またトウモロコシの芯からも作られます。 キシリトールは、日本では平成9年(1997年)4月に食品添加物として認可されました。しかし、それ以前から10年以上、輸液に含まれる糖質として使用されており、人体にも安全であることが知られています。 キシリトールの作用 通常、歯の表面についているプラークには、 善玉菌が10~15%と悪玉菌が85~90%住んでいます。 悪玉菌は、口の中に食べかすや糖があると取り込んで酸を作ります。 この酸が歯を溶かす虫歯の原因となります。 そして、この悪玉菌はエネルギーを蓄えて増えていき、 ネバネバ成分を出して歯の表面にしっかりくっつきます。 そのため、歯磨きしてもなかなか落ちません。 ところが、善玉菌はネバネバ成分を出しません! だから、歯磨きで簡単に落ちるので虫歯の原因になりにくいのです。 ここでキシリトールの登場! 他の糖分ではなく、キシリトールがあると、悪玉菌は同じようにキシリトールを取り込んで酸を作ろうとしますがうまく作ることが出来ません。 結局、一度取り込んだキシリトールを外に出してしまいます。 しかし、いったん外に出したキシリトールを悪玉菌はまた、取り込んでしまうのです。 この時キシリトールは悪玉菌のエネルギーにはなりません。 したがって、この行動を繰り返すことによって、悪玉菌はエネルギーを消費してしまい弱まって数が減っていきます。 善玉菌はキシリトールを取り込まないので、エネルギーを消費せず数がだんだん増えていきます。 キシリトールを1日3回食後に1ヶ月間食べ続けると、ほとんどが善玉菌になります。 2週間以上食べ続けた実験では75~83%位が善玉菌になったという報告もあります。 善玉菌が増えてくると、プラークの質が変わってきます。 増えた善玉菌はネバネバ成分を出さないので、「はがれやすい」「落としやすい」プラークになってきます。 ただし、要注意! 食べた後、きちんと歯磨きをしないと虫歯になります。落としやすい善玉菌でも、やっぱり虫歯菌なので毎回の歯磨きが必要 また、唾液の分泌が減るおやすみ前に噛むことも、むし歯予防には効果的です。 ですから、ガムを噛む場合は、味がなくなってもそのまま5分~10分噛むことをおすすめします。 その他の用途は シャツ・ストッキング キシリトールは、吸熱作用があります。その性質を利用して、着心地がさわやかなシャツやストッキングなども作られています。 化粧品・入浴剤 保湿成分のひとつとして、キシリトールが配合された製品が販売されています。 歯磨き粉・洗口剤 歯垢を取れやすくしたり、むし歯菌の増殖を抑える働きがあるので、キシリトールを配合した歯磨き剤や洗口剤も販売されています。フッ素入りの製品とあわせて使うと効果が期待できます。 医薬品 むし歯の発生を抑える効果と、薬品に加工しやすい安定した性質が注目され、キシリトールを使ったトローチや錠剤などの薬品も増えています。 輸液 キシリトールはインシュリンを介さずに、すみやかにエネルギーとなるので、糖尿病の方が摂取しても血糖値が上がりません。日本の病院でも、昔から、カロリー摂取のための点滴用輸液として使われていたんですよ。
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Last updated
2013.09.23 10:23:58
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