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脳・心臓疾患による過労死は1980年代から問題化した。過労自殺をめぐる裁判も相次ぎ、旧労働省は99年、精神障害による労災認定の判断指針を示した。その後、長時間労働による認定が増え、続いてセクハラ、パワハラによる認定も増えてきた。
12年度の精神障害による労災請求は1257件(うち自殺・自殺未遂169件)。認定は475件(同93件)で過去最多となった。別に行政不服審査や行政訴訟による認定も34件(同15件)あった。 認定例の半数以上は30代以下。原因で多いのは「上司とのトラブル」「仕事内容・仕事量の変化」「嫌がらせ・いじめ・暴行」の順だった。 認定が増えたのは、11年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」を厚生労働省が新たに定めたことも大きい。心理的負荷が「強」「中」「弱」になるできごとの具体例や過重労働の目安を示し、審査の迅速化を図った。 発症前の約6か月間に「強」のできごとがあれば、業務外の大きな心理的負荷や個人側の発病要因が明らかでないかぎり、労災認定される。「中」が複数でもなりうる。いじめやセクハラなどは始まった時からの負荷を評価する。 労災は、業務上または通勤に伴うけがや病気を、本人や企業の過失の有無とは関係なく補償する制度。認定されれば、使用者に加入が義務づけられている政府の労災保険から医療、休業補償、遺族補償などが給付される。企業の協力が得られない場合は労基署に直接請求できる。 職場の風土 改善を。 なぜ職場のメンタル不調が増えたのか。精神科や心療内科の受診に抵抗感が減ったこともあるが、労働現場の変化を指摘する声もある。 「雇用の安定が崩れ、若者は正社員を外れると大変だから、ひどい職場でも辞められない。中高年は体が先に壊れ、体が丈夫な若者は心をやられる。上司も過重労働なので弱い者にうっぷんを晴らす」とみる。 成果主義や目標管理制度などによって個人別の評価と競争にさらされ、ストレスが増大したとする産業医もいる。 厚労省はメンタルヘルス対策を呼びかけ、大企業を中心に行われつつあるが、社内でのケアと相談窓口作り、医療・カウンセリングにつなぐことが柱で、職場の風土を改善するという方向性は弱い。 三柴丈典・近畿大教授(労働法)は「悪質なパワハラの防止義務を法律に明記するとともに、メンタル対策の状況に応じて企業にメリットとペナルティーを与える仕組みを導入すべきだ」と提案する。 経営の観点からも考えたい。過重労働やパワハラでメンタル不調者が出ると、社会的信用の低下や訴訟のリスクが生じる。さらに重大なのは社員の意欲が低下し、生産性が下がることです。人を使い捨てにする会社、パワハラが横行する職場から、優れたアイデアは生まれない。人を大切にし、人の力を前向きに活かすのが賢明な経営のはずなのです。 にほんブログ村←ポチッとお願いね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.03.09 13:09:55
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