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　ラムサール条約湿地とは

条約に加入する国々は、自国の湿地を条約で定められた国際的な基準に従って指定し、条約事務局へ通知することにより、指定された湿地は「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に登録されます。これがいわゆる「ラムサール条約湿地」です。
　ラムサール条約では、沼沢地、湿原、泥炭地または陸水域、および水深が６メートルを超えない海域などを、湿地として定義しています。


Q1: なぜラムサール条約というのですか？
Ａ：ラムサール条約の正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。1971年、イランのカスピ海に面する町、ラムサールで開催された国際会議で採択されたため、「ラムサール条約」と呼ばれるようになりました。生物多様性保全に関する地球規模の条約としては、最も早期に採択されたもので、先駆的な存在となっています。

Ｑ2： ラムサール条約の特徴は？
Ａ： 湿地は、さまざまな生き物の生息地として重要なばかりでなく、私たちの暮らしを支えている貴重な資源です。ラムサール条約は、国際協力によって、湿地の保全のみならずワイズユース（Wise use=賢明な利用）を進めていくことを目的としています。また、その手段として、交流・学習・参加・普及啓発(Communication, Education, Participation and Awareness=CEPA)を重視していることが特徴です。
条約の採択当初は、国境を越えて行き来する水鳥の生息地としての湿地の機能に重点が置かれていました。各国の取組が進む中で、水鳥の生息地だけでなく、さまざまな湿地生態系が果たす役割の重要性が広く認められるようになっています。

Ｑ3： 湿地の「ワイズユース（賢明な利用)」とは何ですか？
Ａ： 湿地は、私たちの身近にあり、人間の生活環境や社会活動と深い関わりを持っています。このため、ラムサール条約では、人間の行為を厳しく規制して湿地を守っていくのではなく、湿地生態系の機能や湿地から得られる恵みを維持しながら、私たちの暮らしと心がより豊かになるように湿地を活用する「ワイズユース」を進めることを謳っています。
「ワイズユース」は、健康で心豊かな暮らしや産業などの社会経済活動とのバランスがとれた湿地の保全を推進し、子孫に湿地の恵みを受け継いでいくための重要な考え方なのです。

Ｑ4：どのように取り決めがなされるのですか？

Ａ： 約3年に一度開催される「締約国会議」（Conference of the Contracting Parties 略称：COP)」において、今後取り組んでいく事項や計画、予算などが決議や勧告として採択されます。締約国会議には、締約国のほか、非締約国、国際機関、NGO、自治体などもオブザーバーとして数多く参加し、各自の活動を報告したり、議論に参加したりします。
2012年7月には、第11回締約国会議(COP11)がルーマニアの首都ブカレストで開催されました。第12回締約国会議は、2015年にウルグアイのプンタ・デル・エステで開催されます。

Ｑ5： 日本はいつ加入したのですか？
Ａ： 日本は1980年にラムサール条約に加入し、釧路湿原が日本で最初のラムサール条約湿地として登録されました。2012年8月10日現在、世界で162カ国が加入しています。日本の協力もあり、アジア地域でも多くの国が加入しています。

Ｑ6： ラムサール条約湿地とは何ですか？ Ａ： 条約に基づく「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に登録された湿地のことです。
ラムサール条約の締約国は、自国の湿地を条約で定められた国際的な基準（9つの基準）に沿って、条約事務局が管理する「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に掲載します。これが「ラムサール登録湿地（Ramsar site)」です。
2012年8月10日現在、世界には2,046の条約湿地があり、総面積は約1億9,355万ヘクタールにのぼります。日本の条約湿地は、同日現在、46ヶ所、13万7,968ヘクタールです。

Ｑ7： 湿地とはどんなところですか？
Ａ： ラムサール条約では、「湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水（海水と淡水の混合による低塩分の水。特有のプランクトンが発生）であるか鹹水（かんすい=塩水）であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地 又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを越えない海域を含む。」（条約第1条1項）と、定義しています。
これには、湿原、湖沼、河川、遊水池、湧水地、カルスト台地（石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水、地表水、土壌水、地下水などによって侵食されてできた地形。化学的には、空気中の二酸化炭素を消費する自然現象）の地下水系、塩性湿地、マングローブ林（熱帯 - 亜熱帯地域の河口汽水域の塩性湿地に成立する森林のことである。紅樹林または海漂林とも言う。）、干潟、藻場、サンゴ礁、水田、ため池、水路、ダム湖などが含まれます。
←平尾台（北九州市）のカルスト地形　日本三大カルスト
←ブラジルのマングローブ林
これまで湿地はじめじめした、役に立たない場所と考えられ、工場・宅地・農地などとして開発され続けてきました。一度壊してしまった湿地を取り戻すためには多くの努力と資金が必要です。でもどのように努力しても、元の湿地の豊かさは取り戻せません。安易に開発せずに、湿地の賢明な利用によって、私たちの子孫もその恵みを受けることが出来るようにしておくことが大切です。

　■日本の湿原、干潟だけで、お金に換えるとしたら年間金額は：　
　⇒　一兆５千億円　
これは、社会にどういう恩恵をもたらしているのかを環境省が計算して発表したものです。
　◆　内訳は
　湿原、干潟は、人間の生活に経済的な恩恵をもたらしています。
　これをお金に換算するとわかりやすいのです。

　・二酸化炭素吸収効果：　　年間３１億円
　・大雨が降ったときの洪水をふせぐ効果：　年間６４５億円
　・貴重な動植物が生きる効果：　年間１８００億円
　・汚水が浄化される効果：　年間２９６０億円
　・干潟の動物が生きる効果：　年間２２００億円

　◆　計算方法
　・代替法（置き換えたらどうなるの・ダムなど）
　・仮想評価法（動物を育てるとしたら、、）
　今回の環境省がトライしたものは、日本にある湿原、干潟だけでした。
　それにしても、とても大きな数字であることは確かです。

　■　地球の自然の価値
　エンバイロメント（環境的）に地球を評価するとそれぞれの土地によって違ってくるようです。
　　◆　もっとも評価が高いところ　VS　もっとも低い　ところ
　地球上の土地でもっとも環境的の高いところは【湿原地」
　それに対して、環境的にもっとも低いところは【都市の宅地】
　環境的に評価すると、都市はなんにも価値がないことになります。
　　◆　地球全体の自然の価値を経済的に評価すると【年間：3400兆円】　
　　◆　日本の林業
　日本の林業関連の生産額は年間、ざっと4000億円です。
　しかし、森林を環境的に考えてみると
　・水源を維持する価値
　・土砂崩壊をとどめる価値
　・二酸化炭素を酸素に換えている価値
　これらを計算すると、日本の森林全体は７５兆円もの　恩恵を人間世界へもたらしているそうです。　
　つまり、黙って与え続けている価値は実際の経済活動よりも１８０倍もあることになりますね。
　　◆　自然あっての人間社会
　このように、自然の偉大さを経済的に金額で再評価するのはわかりやすいのですが、根本は自然あっての人間社会で　す。
　自然崇拝は日本人の根本にあるものです。

日本で最初のラムサール条約湿地として登録された、釧路湿原へ出かけませんか？

釧路湿原カヌー半日コース （手づくりお菓子にコーヒー付き）






ラムサール条約の登録湿地にもなっている釧路湿原。その広大さは他の湿原を圧倒します。塘路湖をスタート～レイクカヌーし、支流のアレキナイ川～釧路川本流を下ります。途中の入江でティータイム。手づくりのお菓子と共にのんびり楽しんだ後、細岡カヌーポートに向かいます。釧路湿原では、オジロワシやカワセミやタンチョウも顔を出す事があります。また、エゾシカやキタキツネも水辺に現れることもあります。初夏には耳を澄ませば様々な夏鳥たちのさえずりが、聞こえてきます。
ガイド同乗し、舵や解説を行いながら下るので、カヌーが初めての方でも楽しんで頂けます。

お問い合わせは→http://jfactorys.com/へ


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