|
カテゴリ:🌞今日の出来事🌤
ご冥福をお祈りいたします。
何度もためらった末に……玉川学園前駅「魔のホーム」から飛び降りた80代50代の母娘 2020/12/17 20:20 「娘さんのものだと思いますが、青いリュックが落ちていました。停止した列車の下から、警察関係者がジーパンのような厚手のズボンを引きずり出すのも見えました」(目撃した男性) 11月28日午後11時7分、80代と50代の母娘は、猛スピードで駅を通過する新宿行きの特急ロマンスカーの前に、2人ならんで身を投げ出し、命を絶った――。 防犯カメラには何度もためらう2人の姿が 現場となったのは、東京都町田市の小田急線玉川学園前駅の上りホーム。都心から電車で1時間弱の郊外にある、小さな駅だ。 近隣に住む女性が語る。 「ものすごいサイレンの音で目が覚めました。5台くらいの消防車と数台の救急車が、駅までずらりと並んでいました」 土曜の終電に近い時間帯の事故は、多くの帰宅客を直撃。新百合ヶ丘駅と町田駅間の上下列車が止まり、運転が再開されたのは1時間50分後、約2万4000人に影響が出た。 母と娘がホームに姿を見せたのは、事故の1時間ほど前。北風が強く吹きすさび、気温は10度を下回っていた。防犯カメラには、何度も飛び込もうとしてはためらう2人の姿が映されていた。週末の土曜日ということもあり、深夜の上りホームには人影も少なく、気づかれにくい状況だった。 都内では今年に入って自殺者が増えており、10月の自殺者は去年より85人増の255人を数える。 玉川学園前駅が「魔のホーム」と呼ばれる理由 自殺防止活動を行うNPO法人「アプローチ会」の勝瀬烈氏は「高齢者は外出する機会が減ると、孤立と孤独を深めて自殺に繋がっていく。今年はコロナで働き口がなくなった女性の自殺も増えています」と話す。 実際、昨年10月の女性の自殺者数は全国で466人だったが、今年は851人とほぼ倍になった。 実は玉川学園前駅は、飛び込み自殺が多いことで知られている。近隣住民の中には「魔のホーム」と呼ぶ人もいるが、ホームドアもいまだ設置されていない。 「各駅停車と準急しか止まらず、特急や急行がかなりのスピードを出して通過していく。上りも下りもホームに入る直前にカーブがあって、運転士からは見通しが悪いんです」(住民の男性) 駅員も「今年は事故が多い」 今回の母娘もわざわざ別の駅から電車で来てこのホームを選び、上り列車が入ってくる側のホームの端から飛び降りている。 駅前のクリーニング店に勤める女性は同駅でのこんな体験を明かす。 「7、8年前の夏に、下りホームで電車を待っていると、目の前で中年の女性がホームの線路ギリギリのところに座り込んだんです。片手に写真を持っていたので、誰かの後追い自殺を考えていたのではないでしょうか。私は震えて動けなくなってしまいました。すると学生さんが無理やり引っ張って助けたんです」 同駅の近辺では2010年以降、18件の人身事故が起きている。今年に入ってからはホームで3件の飛び込み自殺が発生しており、隣駅との間の事故を含めると4件に上る。駅員も「今年は事故が多い」と認める。 “魔のホーム”の早急な安全対策が望まれる。 (「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年12月10日号) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[🌞今日の出来事🌤] カテゴリの最新記事
|