テーマ:フランス文学(162)
カテゴリ:文学
IFJTにて、R.先生の講義、第4回。
「オノリーヌ Honorine」と「鍋 La Marmite」の解説。 この日は、比較的講義のメモを取っていたので、それを少々加工してここへUPしようと思う。 ・『にんじん』は、断片的に戯曲のような文章スタイルになることがある。「オノリーヌ」の部分などは、その代表的なものであろう。しかし、ト書きなどはなく、細かい場景ははっきりとわからない。 ・Pocket版の注にもあるように、ルナールの『Les cloportes』の中に、オノリーヌが川へ洗濯に行って突然死する場面がある。川は土地の低い部分を流れているので、洗濯の帰り道は必然的に上り坂である。また、洗濯物も非常に重い状態。肉体に負担がかかって、パタリと死ぬことは十分に考えられる。 ・『にんじん』が書かれた頃は、女中さんを雇うのがブルジョアにとってステイタス・シンボルであった。 ・田舎のブルジョアにとっては、オノリーヌのように力仕事のできる屈強な女中さんが望まれた。 ・屈強さが足りない女性は、パリのような都会に出て、都市型ブルジョアの家で肉体労働のない女中になることを夢見ていた。 ・にんじんの行動に、家族のヒーローとなろうとする努力が見え隠れする。 R.先生のご都合で学期中に休講がある関係から、この日は約30分の延長。 次回の講義は、11月4日(土)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.06 17:41:16
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