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カテゴリ:自閉症と情緒
泣きの役割
子どもの泣きに働きかけるにあたって、泣きの役割を考えられるとよいでしょう。泣きには、いろいろな役割があります。大きく分けて、2つの役割があります。 (1)不快感の表明。不快なことがあったときに、泣きが現れます。泣きが現れることで、周りの人は何か不快なことがあることに気づきます。そして、なんとか働きかけようという気持ちになるものです。ですから、不快だから泣きたくなる側面と泣くから不快の存在が人に伝えられるという側面があります。 不快なことが自分で対処できる場合には、泣きを我慢して困難を克服していくことは、大切なことです。しかし、自分で対処できないことに対しても泣きを我慢してしまっては、不快な事態は、いつまでも解決されないことになります。 言葉のない赤ちゃんや言葉の不十分な幼児の場合には、特に不快なことがあるときに泣けることは重要なことと言えます。大人の場合でさえ、時には泣けることが重要です。泣くことで周りの人が苦しみを理解してくれることにつながるからです。「苦しいんだ」と言葉で言っても、人がそれほど重大に考えてくれないときには、泣くことが影響力のある表現手段となります。また、とても困難な問題があるときにも泣けないということは、有効なメッセージを送るという点から言って、よくないことと言えるでしょう。 (2)緊張やストレスのコントロール。泣きだけによって緊張やストレスのコントロールが行われるわけではありませんが、泣きは強力な緊張やストレスのコントロール手段ですから、うまく活用されることが大切です。 泣くことで気持ちがすっきりしたという経験を持っている方もいるでしょう。泣くことで、不快感や心の緊張やストレスが解消されるのです。すべての望みがかなう世の中であるならば、緊張解消のための泣きは必要ないかもしれません。しかし、現実には、自分の思うようにならないこと、望みがかなわないことがいっぱいあります。自然災害や事故、病気、老化などのために嫌な思いを避けることができないものです。嫌な人との出会いも避けられません。不注意や油断による失敗も、ある割合で避けることはできません。このような場合、努力によって不快感を解消することはできませんから、事態は変わらないままで、不快感情を解消できることも必要となります。その1つとして、嫌な事態を肯定的に解釈するというやり方がありますが、もっと原始的な手段として泣きもあるわけです。 ですから、不快な感情が貯まって、人とうまくつきあえなくなったり、積極的な方向に能力を使えない場合は、「不快感情が解消されるようにうまく泣く」ことで、気持ちを安定させることが大切となります。言葉がうまく使えない発達障害の子も、原始的な泣きを使うことで気持ちを安定させることができます。そのためには、うまく泣けるように援助することが大切です。泣きに働きかけるとは、「うまく泣けるようにする働きかけ」をするということです。 ---------------------------------------------------------------------------------------- その他、人を動かす手段として、泣きが使われることがあります。泣くと要求をかなえてくれるとわかると、子どもは要求をかなえるためにわざと泣くことがあります。あきらかに嘘泣きの場合もありますが、何か要求があるときにはすぐにぐずってしまうというように条件づけされたような場合もあります。泣きは弱さを示すメッセージとも考えられます。泣くことで自分は弱いだから、世話をしてくださいと相手に伝えることになります。 しかし、とりあえず泣きの2つの役割を意識されればいいのではないかと思います。泣きは、嫌なことを感じて現れるのだから、子どもを泣かせてはいけないと考える人は、「不快感の表明」という役割しか考えていない人です。もちろん、わざわざ泣かせることはよくないことでしょう。しかし、子どもの方が泣いてしまうのであれば、うまく泣けるようにしてあげることが大切と思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月25日 10時14分31秒
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