本日初日です
20周年すぺさるですか?
思えば、映像でしか見たことのないこの演目。
再演を願う演目の、いつも上位にいたはずの作品を今日初めて生で拝見しました
すでにわかっていた配役は怪人さんと八重子さんだけ。
八重子さんの加納さんは定番だから特に記すこともない。
相手役の男優、山風アラシに新人の丸川くんを抜擢するとは考えられなかった。
しかし今一つ浮いてみえるのは、いきなり座長の相手だからだろうか?
そして、色出しのぶをじゅねに演じさせては丸川くんは益々緊張だろう?
しのぶちゃんには、もう少し経験の浅い、本当に若手で良かったと思う。
できあがった女形の強い個性だけが浮いてしまっていた
マネージャーの有明暁にメグちゃんはなかなかだが、やや落ち着きすぎてもったいない気もする。
溝口さんが完全復活できないためか、春杉夏希に洋ちゃんは大抜擢だと思う。
溝口さんよりもお茶目な春杉先生は愛嬌たっぷりだ
前回原川さんが個性豊かに演じた恋助を、今回は山下さんが上品に仕上げている。
だからと言って物足りないわけではない
その息子恋松に大介。
このキャスティングは想定内だった。
頑張っていたし、合ってもいた。
でも意外に馴染まなかったのは、大介の八重子さんに対する愛情に、何処か嘘臭さが見えてしまったから。
前回の桂さんの恋松は、本当に八重子さんが好きで堪らない、一瞬も離れていられない感があった。
でも、まだ若い大介にはどうも最後の一歩が踏み込めないのか?
乱十郎の水下さんは続投。
乱太郎に雷象さんは、しのぶちゃんとの熱愛ネタに救われた印象がある。
軽薄さと嫌味を兼ね備えた前回の洋ちゃんと比較するのは少し辛いかな
告世のりょんははまり役。
ある意味、最大の飛び道具だ。
ただ、苦言を言えばどの役も同じになってしまっている
まぁ、これからの磨き方次第かな?
逸美さんのあきゅばんと、浪子さんの横道さんは体型が逆転してきた。
浪子さんの迫力は山ちゃんの方が怖かった。
劉さんのみーしゃは辛そう~
初日の緊張を差し引いても、メグちゃんの劉さんを拭えない。
桂さんの早瀬さんは「桂さんらしさ」を加味し、ちょっととぼけたキャラが際立った。
リッキーの小倉山も、良い感じに脇を固めているが、この位置に落ち着くのはもったいない気もする。
あやちんとイソップの役は今回新たに増やされたものだが、果たしてこれが必要だったか否かは謎だ。
そして最後に怪人さんの八代さん
今回最前列で観た初めての怪人さんに、私の心は釘付けでした。
衣装は勿論、踊りの美しさ、表情から下手の端っこでこっそりやってる小芝居に至るまで、
彼は緻密に作り込んでるに違いない。
全体的には、ベテランと新人の配分のバランスが今ひとつな感じです。
ただ、舞台はナマモノなので、毎日続けることによって起こる化学変化を期待したいですね。
前回の2001年バージョンに慣れてしまっている私は、あの形が完成形に思えているからこそ
違和感があるのかもしれません。
今回の方が優れていたのは、生で観たことによる感動がありました。
母親では?と薄々感じながら愛を貫こうとする恋松の気持ちと、
母親と名乗ることはできないけれど、女として母としての恋松への精一杯の愛情を命をかけて
稽古という形にする八重子さんの愛に涙がこぼれました