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カテゴリ:読書
『百年恋人』 新堂冬樹・著 <171>
![]() 100年もの間、いがみあっている若林家と花柳家。 つきあうことは決して許されない。 でも、愛子と透はひそかに心寄せ合っていた。 愛子の姉と父は徹底的に二人を引き裂こうとし、 透もまた妨害にあう。 それでも二人の揺るがない心は・・・・。 「僕には、生まれる前から生涯を寄り添う運命の姫がいる。 姫がツバメのように大空を舞いたいというのなら、 僕は生涯を風を切る翼として生きよう。 姫が桔梗のように野に佇みたいというのなら、 僕は生涯を藤色の花びらとして生きよう。 姫が雪のように儚くも美しく大地を純白にそめたいというのなら、 僕は生涯を刹那の結晶として生きよう」 「笑顔を運べないのなら、会わないほうがいい。 彼女は、同情なんて求めていない」 視界を掠める景色が蜃気楼のように霞み、 透の声が鼓膜から遠ざかった。 誰かを好きになることが罪だというのなら、 恋なんて、一生知らなくても構わなかった。 「モグラは、カモメのように大空を舞える羽が欲しいと願いました。 モグラは、チンパンジーのように優れた頭脳が欲しいと願いました。 (中略) 神様は言いました わかった。おまえの願いをかなえてやろう。 だが、その前に、おまえをミミズに変えてあげよう。 ミミズになったおまえは、きっと、こう願うだろう。 モグラのようにたくましく土を掻き分ける頑丈な爪が欲しいと」 「幸せを追い求めてばかりいる者は、幸せから遠ざかっている」 二人は手と手を取って生きていこうとする。 でも、その結末は、あまりにも・・・・・。 ってことで、新堂冬樹の純愛物語でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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