財津和夫歌詞鑑賞と周辺雑感その1「逃避行」
逃避行 財津和夫作詞・作曲Mid Night Light Night真夜中の旅立ちさ宇宙に飛び込んできらめく夢をみようMoon Light Star Light地球をすべって星を抜けてどこまで飛んでゆこう君の腕の中でGood-bye, Good-bye, Good-bye地球の上にはおさらばさGood-bye, Good-bye, Good-bye素敵な愛の旅Starship Gossip二人を乗せた船には地上のバカげた噂は乗り込めない(中略)Tonight, it`s alright, Tonight, it`s alright-----------------------------------------------------------------------財津さんの初ソロアルバムは1978年の「宇宙塵」で、このアルバムは「チューリップを文学的に読み解く」の中で紹介してしまったので、1980年の2枚目のソロアルバム「I need you and you」からスタートします。このアルバムもチューリップ在籍中の財津さんが仲間と離れてつくったソロです。「宇宙塵」では財津さん一人でいろいろな楽器を演奏しているので、全体の音がチープな印象ですが、このアルバムはその反省からか、各々の楽器を別々の人が演奏しているのでなかなかいいです。1曲目の「逃避行」。この曲はチューリップのライブでもよく歌われたので、チューリップの曲にしてもよいくらいの曲です。「逃避行」というと、僕ら世代は麻生よう子の「逃避行」を思い出します。この曲もなかなかいい曲なので、Youtubeで見てみてください。で、財津さんの「逃避行」。このころの財津さんは宇宙志向が強かったときなので、歌詞もそれを反映していますが、改めて歌詞をたどってみると、必ずしも宇宙に飛び出したわけではなく、逃避行しているのでさえないのかもしれません。彼女との初めてのMaking Loveを宇宙への逃避行になぞらえているように思えます。だって、「君の腕の中で」宇宙に飛んでいくのだから。財津さんならではの歌詞のうまさは、Starship Gossipです。最初私はGossipではなくて、Go shipかと思っていましたが、シップとひっかけて、そのあとに出てくる「噂」を引き出しているんですね。最後のTonight, it`s alrightでは初めてのMaking Loveの高揚感がよく出ています。チューリップのライブではこの部分を、ドラムバスっていうのかな?それとメンバー全員のユニゾンで暫くやって、最後また各楽器の演奏が加わって終わります。