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2019.02.06
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カテゴリ:トミックス
鉄道玩具/模型においては,レールや車両,ストラクチャーを集め,マイワールドを発展させていく拡張性が大きな楽しみといえるでしょう。そのためには,様々なレールやストラクチャーを揃えたトータルシステムであることが重要です。

前回取り上げたリマやメルクリンのHOゲージ,スーパーレールやミニミニレールはいずれも,入門用として,車両とレール(HOゲージではパワーパックも)を含んだセットが用意されるとともに,レールや車両,ストラクチャーの単品販売など,拡張性に優れたシステム展開がなされていたことが普及の大きな理由でしょう。

そこで,今回は,Nゲージの入門セット,そこからのシステム展開の歴史を振り返ってみたいと思います。他のゲージや海外製品でもそうですが,入門セットは店頭で見栄えがするよう,パッケージが魅力的であることが多く,皆さまの思い出にも強く残っていることでしょう。

わが国初のNゲージが登場した1965年(昭和40年)頃は,HOゲージやOゲージで,車両,レール,パワーパックをすべて含んだ入門セットが普及していました。
当時の代表格であるカツミ(KTM)のOゲージについて(注1),中西進一郎氏は,RM MODELS1999年4月号「EB58物語」で,以下のように総括されています。

「昭和30年代後半『三線式Oゲージ路線』は衰退の一途となります。大物新製品と言えば昭和34年の『義経、7100形蒸機』『こだま型特急電車』で終わり、それは丁度同社の『16番参入』時期と合致します。その後目立った新製品もなく突如6年後の昭和40年8月ごろ、スケールよりかなり短い15メートル級の電車(ひので、東海、モハ101等)が発売になり同年12月にこれも短い『新幹線0系』が世に出たところで『三線式Oゲージ』製品の歴史は終わっています。各月刊誌の同社の広告欄も昭和41年12月号を以て『Oゲージ』と言う文字は消滅しています。丁度時を殆ど同じくして現在隆盛の『Nゲージ』が関水金属によりスタートしているのは偶然とは言え皮肉なことです。思えば戦前昭和初期に始まり、戦争で一時中断したものの終戦の混乱期の昭和22~23年復活した戦後日本の『3線式Oゲージ』時代はわずか20年ほどの歳月だったのです。」


(鉄道模型趣味1965年7月号より,カツミのOゲージ新幹線の予告。「お子様向け」と明記されている)


(鉄道模型趣味1968年2月号より,カツミのHOゲージ/Oゲージ入門セット)


(鉄道模型趣味1968年3月号より,カツミのHOゲージ入門セット)


さて,1965年,関水金属によるわが国初のNゲージは,C50,オハ31,それに線路(R300,R270,直線240ミリなど)からスタートしました。
初期の線路は薄茶色の枕木が特徴で(1969年に黒色の枕木を特徴とする新線路システムに置き換わります),ポイント線路が供給されるのはもう少し後になります(大田治彦「紀元前N世紀」RM MODELS 2006年6月号参照)。
また,パワーパックは1965年時点では供給されておらず,広告には「HOのパワーパックがそのままお使いになれます。」とありました。

関水金属は,1974年に,EF65と20系客車,レール,ターミナルジョイント,カタログ,レイアウトプラン集を同梱した「Nゲージトレインセット」を発売しますが,同社が本格的に入門セットを製品化するのは,1980年のユニトラック発売以降となります。

(鉄道模型趣味1967年8月号より,関水金属の「ユニット式コントローラー」)

(鉄道模型趣味1968年2月号より,宮沢模型による関水金属製Nゲージのセット。パワーパックを含んだトータルセットとなっている)

(鉄道模型趣味1974年2月号より,関水金属の「Nゲージトレインセット」。パワーパックは含まれていない)

(科学教材社「模型とラジオ別冊 Nゲージ(第1版)」より,1970年代の関水金属のパワーパック(左)。トミーナインスケールのパワーパック(右)とデザインはよく似ているが,一回り大きなサイズとなっていた)


一方,1969年,トミーは「トミーN(ナイン)スケール」の名でバックマンのNゲージを発売。
車両,レール,パワーパック,リレーラーをすべて含んだトータルセットが販売戦略の中核に据えられるとともに,車両やレールの単品販売,ストラクチャーやアクセサリー,レイアウトベースといったシステム展開が当初から行われ,拡張性に富んだ内容となっていました。


(1969~1970年頃のナインスケールカタログより。日本型車両はまだ登場していない)


(1975年頃のナインスケールカタログより。「パワーパックつきの完全セットですから、レールを組みあわせれば、すぐ走らせることができます。」と記載され,トータルセットであることが強調されている。)


1976年,トミーは,ナインスケールに代わり,「トミックス」を発表します。
トミックスは,道床つきレールの利便性もさることながら,車両,レール,パワーパック,ストラクチャー(駅など鉄道関連施設にとどまらず,農家や商店など一般の建築物を含む),アクセサリーを含めた高度なトータルシステムが整備されたことが,きわめて画期的であったと言えるでしょう。単に車両をレールの上で走らせるにとどまらず,トミックス製品だけで「模型鉄道」を開業できたという点では,長らく関水金属に対して大きなアドバンテージを誇っていたと思います。

さて,トミックスでは,3種の「基本セット」が発売されますが,パワーパックが同梱されていなかったことが,やや意外です。トミックスのパワーパックは,ナインスケールのそれより大きかったので,箱のサイズの関係でしょうか? それとも「パワーパックは持っているから要らない」というユーザーが少なからずいたのでしょうか? パワーパックを含んだ「ファーストセット」が登場するのは,1982年のことです(山下貴久雄「新・鉄道模型考古学2」参照)。


(鉄道模型趣味増刊「プレイモデルNo.10」より,トミックスの「ファーストセット」。これらのセットから,パワーパックを含んだセットとなる。後に「ベーシックセット」の名称となり,今日に至る)


トミー以外の外国製品では,リマ(朝日通商)とアーノルト(國際貿易)が,国内用パワーパックを同梱したセットを発売していました(科学教材社「模型とラジオ別冊 Nゲージ(第4版)」参照。リマのパワーパックは西沢工業製。國際貿易のアーノルト用パワーパックは関水金属製品によく似た形状)。特に,リマのセットは種類が豊富で,今日でも中古市場にかなり出回っています。


(マンガくん1978年6月10日号より,リマの「イタリー鉄道セット」)


なお,学研では1968年からトリックスのNゲージを扱っていましたが,セットは車両とレールのみで,パワーパックは含まれていませんでした。また,日本型車両の製品化後,駅ホームやリレーラーを発売していますが,レールやパワーパックといったトータルシステムを構築するのは,エーダイナインを吸収した1980年以降のことになります。


(科学教材社「模型とラジオ別冊 Nゲージ(第1版)」より。学研が輸入販売していたトリックスのNゲージセット。「パワーパックは含まれていません。」と注記されている)


1977年にNゲージに参入したエンドウは,車両のみならず,レールやパワーパックも自社で製品化しており,トレインセット(車両セット),レールセットも発売されていましたが,これらをあわせたトータルセットはありませんでした。


(鉄道模型趣味1976年12月号よりエンドウのNゲージ用金属道床レール。なお,1981年にはトミックスによく似たプラ道床レールが発売されている)


1979年にNゲージに参入した永大は,エーダイナインのブランドでNゲージのシステム展開を推し進め,いち早く車両,レール,パワーパックをすべて含んだトータルセットを発売しています。
前述のとおり,当時のトミックスの「基本セット」は,パワーパックが別とされていたので,エーダイナインの先進性は驚くべきものがあります。また,駅・ホームなどストラクチャーの展開も意欲的に行われていました。翌1980年に学研に引き継がれてからも各種トータルセットが発売されています。


(鉄道模型趣味増刊「プレイモデルNo.4」より,エーダイのトータルセット)


関水金属では,前述のとおり,トータルセットを製品化していませんでしたが,1980年に道床付き線路・ユニトラックが発売されてからは,トミックスと同様に車両,レール,パワーパックをすべて含んだトータルセットが販売戦略の中心を担っています。また,ユニトラックに合わせた駅・ホームも発売されるようになりました。さらに,近年に至り,ジオタウンシリーズの名のもと,鉄道関連施設以外のストラクチャーも積極的に製品化されたことで,ようやく関水金属製品だけで「模型鉄道」を開業できるようになったといえるでしょう。

(1982年版関水カタログより。「トータルセット」がカタログの冒頭を飾っている。後に,入門セットには「パスポート・スペシャル」「スターターセット・スペシャル」といった名称が与えられている。)


最後に,Nゲージ以外の国内製品に目を向けると,Zゲージでは,現在,ロクハンや天賞堂が,Nゲージと同様のトータルセットを発売しています。特に,ロクハンがストラクチャーの製品化など,トータルシステムの構築に取り組んでいる点は,高く評価されるべきでしょう。
また,HOゲージでは,長らく日本型のトータルセットがありませんでしたが(注2),2011年以降,カトーから,Nゲージと同様のトータルセットが発売されており,これが,HOゲージの新たなファン層の開拓につながるかどうか注目されます。車両,レール,パワーパックは揃ったので,あとは手軽な日本型ストラクチャーが揃えば・・・と思います(注3)。



(注1)なお,カツミが1960年代にNゲージへの参入を検討していたとする記事が,当時の日本模型新聞に掲載されています(もっとも,試作品などの情報はなく,どの程度具体的に検討していたのかは分かりません)。
1968年10月11,12日に開催された業界の親睦会「鉄道模型十六日会」の第3回年次大会(箱根湯本・天成園)についての記事で,内容は以下のとおりです。
「Nゲージについては,生産・販売両者の立場から多面的な意見の交換が行われた。・・・Nゲージの販売取扱い店について関西地区では,一部を除いたほか全員がこれの新規取扱い販売を開始しており,今後国産のNゲージが市場に出廻ればさらにある程度の需要上伸が見込めるのではないかという見解を強めており,このNゲージが鉄道模型業界において次第にアピールされてきていることを物語っていた。そこで,メーカー各社では,現状においてこのNゲージの製品開発の計画があるのかどうかについては,『HOが間に合わない状態なので目下,検討中である』また『HOを今後も主体に考えて行きたい』『やり出したいという気持があるが,プラ製ではつくらん,あくまで金属製です』などで鉄道模型の現況から各社とも現在の商品を充実させたいという意欲的な姿勢であったが,カツミ模型店では,来秋ごろを目標に研究段階から生産段階に入る態度を表明された。」(日本模型新聞674号(1968年10月28日)20面より)

(注2)RM MODELS 2003年6月号には「現在、日本型16番のスタートセットは残念ながら存在しません。」とあり,おとなの工作読本No.2(誠文堂新光社、2003)にも「目下、国産によるHOゲージの入門セットは皆無である。」とありました。

(注3)かつては,入門用にブリキ製の駅やホームが発売されていました。90年代にハセガワ(モデモ)から発売されていた,レジン製のローカル駅あたりは手頃なサイズかと思いますが,最近は全く見かけません。






最終更新日  2019.02.07 19:09:36
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