ご近所の鳥たち
今年の春は、ウソという鳥も見た。ご近所の鳥を見に行く楽しみは、いつもは見られない鳥にたまに出合えること。いつも見られそうな鳥でも、いつもは見られないところ。スズメやカラスやヒヨドリやムクドリといった、ほんんんとにいつでも見られる鳥だと、興味も半減。鳥の写真を掲載しているサイトだって、いつも見られそうで、そうではないくらいの鳥だと、きれいな写りのいい写真が多いのに、まぁ、常連の鳥たちといったら、シャッターチャンスは腐るほどあるだろうに、比較すると、気の毒なくらいみすぼらしい写真。冴えないポーズ。スズメやヒヨドリでいえば、街中と田舎じゃ、色目がちがう。きっとサイト運営の方が街中ぐらしで、ご近所のズズ黒いスズメをとったのねと思ってしまう。あんな色目だと思われると、かなり可愛そう。ここら辺のスズメたちはもうちょっとキレイです。彼らだって、生き生きしたたかな毎日を送っているのに。あんなに、モッサイわけではありません。ただ、バードウォッチング的には興味が注がれてないだけ。私もそうだけど。とはいえ、スズメが砂浴びをしたあとの丸いくぼみがいつも残っていたり、トビが川の浅瀬で小魚を取るのを見ていたカラスが見よう見まねで水にザブンと降り立ってはチャレンジを繰り返し、トビがとった小魚より大きな子鮒をとったり、急に天気が変わって舞い上がれなくなってしまい、畑で回りを見交わしているトビたちの不安げにな表情、・・そういうのを見てると、思わずほっこりしてしまう。逆に、一昨年から去年にかけての冬ように、常連さんのツグミがほとんどいなかったりすると、鳥ウイルスもあったしね、どうしたんかなぁ・・なんて、なあんとなく心配になってしまう。常連さん以外の鳥は結構見つけにくかったりする。見つけ易さって、こん感じ。1.よく鳴く。2.見えやすい場所によくいる。3.数が多い。4.よく動く。5.目だつ色がある。6.見られる機会が多い。ウグイスはよく鳴くけど他は全然。ヒバリは空にいる間は全○だけど、降り立つとなかなか見つけにくいし、ケリは飛び立つとすぐわかるけど、それ以外は鳴き声ばかり目だってしまう。それに地域差もあるしね。夏に来てくれても、森の鳥はなかなか会えないし。冬に来てくれても、地味な装いかもしれないし。ここらへんじゃ、ノビタキは渡っていく最中の今どきだけだし。そりゃ、その鳥のメッカを訪ねてみてまわるならともかく、ご近所パードウォッチャーからしたら、鳥の見やすさなんて日本全国一律の基準にはならないような気がする。ご近所の畑から飛び立つ茶色の鳥って、実はカシラダカだったり、ホオジロだったり、アオジだったり、カワラヒワだったりしているけど、きっと興味がない人からしたら、全部スズメなのだろう。・・・・それは、野の草花だってそう。名もない草、雑草でくくられたら、その下で可憐な花をつける小さな草花なんて、あっても知られてないだろうし。ご近所の身近なところにある豊かな自然を気づいてしまえば、わざわざ出掛けていくのは、あんまりだなあって思える。とはいえ、ウソなんているなんて思ってもみなかった。