穂村指導者
「おぃ、だ大丈夫なのか?」 ●少年A 「様子見だ、問題無い。」 し合う二人に視線を戻す穂村指導者。 穂村指導者 「うむ。」 ゾルダ 「心配なら2、3人同時でもかまわねぇがよ。」 穂村指導者 「それは断る。キミたちのためだ。」 ゾルダ 「ふん、おい。 もっと打ってこい。 これじゃこっちの練習になんねぇからよ。」 『遠慮するな』 『やっちゃえ』 一番手練習生 「なんだと・・・ くそぅ!」 急に目付きを変え、スパートを掛けたような連打 でゾルダに襲いかかる一番手練習生! バシ★ ガス★ トントンバシ★ ズン ドスドス★ ドスドス★ 全く受けず打たせ続けるゾルダ、 ゾルダ 「まだ一人目だろぅ? これじゃ日が暮れちまうぜ・・・。 んじゃまずはっと!」 ズゴ★ 『ぐ・・・』 一番手練習生の動きが止まり苦しそうな顔で・・・ バタン彡 その場にうずくまり動かなくなってしまった・・・。 穂村指導者 「くっ、それまで!」 『おぃ、一撃でだ・・・』 『溝打ちの一発で・・・』 『うそだろ・・・』 『ざわざわ・・・』 横の者と顔を見合わせてざわつき出した練習生た ち。数人で担ぎ出していた。 穂村指導者 「 ・・・・・ 次、二番手、前に!」 『オス!』 『遠慮するな』 『頼むぞー』 穂村指導者 「始め!」 二番手練習生 ( 相手の出方は分かった、様子見は無用! ) 「うりゃ!」 最初から間合いを詰めてスパートのように打って でた! タン パシっ ドスドス バシバシ ドスドス ガツ パシっ ズン だが、反射的に受ける事もよろける事も無く打た れても顔色一つ変えず只々相手の攻撃を注視して いるゾルダであった。 二番手練習生 ( 何なんだこいつ・・・ ) 未だ少年Aはあぐらを組み、腕組姿勢で目をつぶ ったままだ。 ドスドス バシバシ ドスドス ガスガスバシバシ ガン タン パシっ パシっ ズン ゾルダ 「そんじゃ行くぜ、 フン!」 ズコ★ 『うぐ・・・』 動きが止まり苦しそうな顔で・・・ バタン彡 その場に倒れて動かなくなった。 『脇腹への一発・・・』 『また一撃でだ・・・』 『ざわざわ』 『ざわざわ』 穂村指導者 「それまで!」 ( なんという事だ・・・ 刃が立たない上に一撃で仕留めるなんて・・・) ゾルダ 「指導者さんよ、このクラスじゃ相手にならねぇか ら もぅちっと骨のあるやつを出して貰えると有 難てぇんだけどな。」 穂村指導者 「た、確かに・・・。」 庄司 「次は私が出る。」 『おぃ庄司さんだってよ』 『これじゃあいつやばいぜ』 『ざわざわ・・・』 穂村指導者 「仕方あるまい、彼の言うのも一理ある。次は庄司 が出ろ。」 庄司 『オス!』 掛け声と供に立ち上がった庄司、一礼の後中央 に進んだ。 お互いに例の後、 穂村指導者 「始め!」 ゾルダ 「ほぅ、今度は体格がいいな。 だが加減無しで頼むぜ。」 ゾルダより一回り大きい庄司、構えを取りキリっ とゾルダを睨む。ゾルダもゆっくりと構えた。 庄司 ( この俺に加減無しだと! どこまでふざけたやろうだ! ) 「セイヤー!」 素早く一歩踏み込み、半身のまま横蹴りがモロに ゾルダの腹部にメリ込んだ! ズゴ やや[くの字]のようになり後方に押されたゾル ダ、顔色を変えず再び構えた。 庄司はそのまま体を寄せていき再び腹に正拳突き を連続で攻め立て、続いて右のハイキックを顔面 に浴びせた! 「ふんふんふん そりゃ!」 ドスドスドス ズガっ 全てがクリーンヒット! にもかかわらず倒れないゾルダ。 更に、 「てぃ、ふんふんふん おりゃ!」 ズン ドスドスドス ガス ドスドス ゴス ガスっ★ 見事な連続攻撃で最後の横回し蹴りが再びゾルダ の顔面をとらえた! 『おぃおぃ・・・』 『あいつ倒れないぞ・・・』 『庄司さんの蹴りなのに・・・』 少し横に向いた顔をゆっくりと戻しながら、 ゾルダ 「いいねぇ。 だが まだまだだ。」 庄司 ( なんだとこいつ・・・ ) 普段と勝手が異なり、戸惑う庄司。 ゾルダ 「サンドバッグだと力が入んねぇか? じゃ次はもう少しやり易くしてやるよ。 来な。」 庄司 「なまいきなっ」 その一言に顔付きが険しくなり、 『てぃやあー!』 素早いミドルキックがゾルダを襲う! が、 ガシ★ 庄司 ( くっ・・・ ) 続けて ズンパシ★ ドスパシ★ドスドスパシパシ★ 『う、受けた・・・』 『庄司さんの蹴りなのに・・・』 練習生の顔色が変わった。強烈な蹴りを肘で受け 、続く正拳も全て弾き返したゾルダ。 ゾルダ 「少しはやる気になったか?」 穂村指導者 ( 今度は受けてきた・・・ にしても庄司の蹴りをまともに食らったにも 関わらず倒れるどころか受けきるとは・・・。 あの体でどこにそんな力が、動体視力と反射 神経も並みにあらず・・・ ) 庄司 「くっそぉー!」 むきになった庄司、再びミドルを叩き込む! と見せかけ、受け始めた相手の裏をかくフェイク からの顔面蹴りだっ! ガシ★ ドスン★ ========>バサン彡 『うわぁぁ』 『庄司さん!』 練習生の悲痛な叫び声! ゾルダはフェイクに軽く受けに行く動作の後、決 めにきたハイキックを肘で飛ばしその体制から腹 に膝蹴りを食らわせた。 庄司は[くの字]のまま飛ばされ、そのまま畳に うつ伏せに沈んだのだった。 穂村指導者 「それまで。」 ( なんと言うことだ・・・ 庄司ですら刃が立たな いなんて・・・) 勝村 「次は俺だ。」 研修生が庄司を担ぎ出している時に自ら名乗りを 上げて立ち上がった。 明らかに体重差を感じる大柄な身体だ。 勝村 「舐め過ぎだお前ら。 こいつ、粗削りだが相当出来る。俺が終わらせて やる。」 ゾルダ 「その顔付き、いいねぇ。」 勝村 「おまえ、グローブを外せ。 俺もプロテクターは付けん。対等で勝負だ。」 ゾルダ 「あんたの為なんだぜ。」 勝村 「俺のプライドだ。」 ゾルダはチラっと少年Aを見るも動く気配が全く 無い。 ゾルダ 「知らねえぞ。」 そう言うと手からグローブを外し始めた。 その時、ゾルダは子供の頃の事を思い出していた 。。 ~~~~~~~ ~~~~~~~ 子供のゾルダ 「保護? こんな軟弱なのハメてやってられるかぁ ー」 外人部隊傭兵 「お前らのためだ。 要らなきゃこっちは構わん、が ハメなきゃ数打 で拳の骨が丸見え。治るまで1ヶ月も3ヶ月も休 まれては困るんでな。」 子供のA 「ハメようぜゾルダ。 要らなくなったら外せばいい。今はこいつをハメ てぶっ叩いてこの大木をブチ折ってやろうぜ。」 子供のゾルダ 「分かったよにぃちゃん。」 用意されてたのは木の皮を数枚重ねてあり、手の 甲を保護するもの。 短い棒を握り手の甲まで被せ、紐で縛ってお互い の手首に固定する二人。 外人部隊傭兵 「これから1本倒すまで毎日続けろ。 よし、始めっ。」 子供のA 「いくぜっ えぃっトン えぃっトン ・・・ 」 子供のゾルダ 「アイサー、えぃっトン えぃっトン ・・・ 」 ~~~~~~~ ~~~~~~~ 少年A 「試合前の約束だ。穂村五段、それでいいのか?」 穂村指導者 「うむ、こちらの保護のためにそちらから追加した 話。本人が不要と言うのであれば。」 保護グローブを投げ捨てたゾルダ、 ポイっ 彡 彡 ( 座る練習生の前に落ちた ) (早く飯を食いたいんだ) 登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ ● Episode 03 Z へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年09月05日 01時12分33秒
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