日本の昔ながらの住宅は、床下や天井も通気のよいつくりで室内の通風に重きをおいた住宅設計となっていました。
又、建築材料として、木材や土、紙などの天然素材で空気を汚染する化学物質を放散しにくいものを多用していました。
しかし、近年、省エネルギーの観点から住宅の高気密・高断熱化が推進され、それに加え、新建材と呼ばれる建築材料が使用されるようになった結果、室内の空気質が、外気と異なる空気の性状と異なるようになってきました。
では、新建材と呼ばれる建築材料とは一体何でしょうか?
これは従来の家造りに使われてきた昔ながらの畳や土壁、無垢板、障子などに代わって開発された建材のことです。
主なものは、合板など木質ボード類、ビニールクロスと呼ばれる壁貼り材、ペンキなどの有機溶媒、アルミサッシなどです。
新建材の普及した理由は、大量生産に伴うコスト削減、品質の均一化、施工性の良さ、住宅性能の多様化、そして、クレーム処理が少ないということからでした。
このように優れている面もあり短期間に普及していきましたが、一方で我々の健康に影響を与えるという負の面も顕著になってきました。
それが、室内空気汚染による健康影響の「シックハウス問題」と呼ばれるものです。
これは建材から放散する健康に影響を与える化学物質が一番の原因とされますが、同時に高気密・高断熱化を進める際に必要な換気が適切に行われなかったのも原因とされます。
これについては「シックハウス症候群の原因」もご覧ください。
では、なぜ新建材から健康に影響を与える化学物質が放散してくるのでしょうか?
実は多くの新建材にはその製造過程において、接着剤の使用、機能性を高めるための化学物質が使用されているからです。
それらが室内で放散され、室内の空気を汚染しています。
※室内の空気を汚染している原因は他にもあります。
それについては「生活環境に潜む有害化学物質及び環境汚染物質発生源」をご覧ください。
※ 詳しくは各建築材料の項をご覧ください。
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