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近所のポストへ手紙を投函した帰り道、すこし先の道端に猫が寝そべっていました。
こんな寒空の下で、たくましい猫ちゃん。 ゆっくり近づいて、えっ、と気づきました。 もう動かなくなっていたのです。 車にはねられたんでしょうか。 反対側から見た顔は描写するにはあまりにも無惨です。 黒くてまだ大人になりきらない、6ヶ月くらいでしょうか。 多分、このへんをうろちょろしている野良ちゃん一家の子でしょう。 そこは小さなアパートの入口でしたから、急いで新聞紙を持ってきて包み、家まで運びました。 体の硬直は進んでいましたが、まだ温かいのが分かりました。 --- この土地に住んで、環境事業所というところに初めて電話をしました。ペットが死んだ場合や動物の死骸を見つけた時に電話をするところだと、ゴミの出し方を説明した市の広報に載っていたからです。 ゴミ、か。 --- こんな死に方をしてしまったけど、この世にいた数カ月、どんなふうに生きていたの? 楽しいこと、たくさんあった? 子猫だからもっと遊びたかったよね。来世はその分を取りかえせるくらい長生きしようね。 死は、魂を運ぶ乗り物が破壊されただけのこと。だから悲しまなくていいんだと何度言い聞かせても、そうだそうだ、と思えないのはどうしてでしょう。 この猫とはこれまで何の関わりもなかったのに、こんな風に知り合うなんて。 --- 夕方、猫は「回収」されていきました。 お花の一本でも袋にいれてあげればよかった、もっと話しかけてあげればよかった。 いや、わたしがもっと早く手紙を出しにいけばよかったのです。 そうすれば猫をはねた車を捕まえられたかもしれない。 いや、戻るならもっと前。 わたしが道を歩くことでその車の動きが変わり、猫ははねられずにすんだかもしれない。 どれもこれも今さら仕方のないことです。 私はもうしばらく人間としてこの世に留まるつもりです。 あの猫が姿を変えて戻ってきたら、「私よ」って言ってくれればいいのになあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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