テーマ:ニュース(100209)
カテゴリ:外国のこと
ノーベル平和賞に「貧者の銀行」ユヌス氏
【ロンドン=横田一成】ノルウェーのノーベル賞委員会は13日、2006年のノーベル平和賞をバングラデシュのグラミン銀行と創設者のムハマド・ユヌス総裁(66)に授与すると発表した。貧困層に少額無担保融資(マイクロクレジット)を実施、貧困の削減に貢献した事業を評価した。 マイクロクレジットは市場原理を利用しながら貧困層の自助努力を促す仕組みで、世界各国の貧困削減のモデルになっている。ユヌス氏は同じ理由で04年に第9回日経アジア賞(経済発展部門)を受賞している。 (22:01) (NIKKEI NETより) --- マイクロクレジットという言葉を初めて聞いたのは、8年くらい前でしょうか。 カンボジアの農村に住むお母さんたちを支援するため、「スモールビジネスの資本金」を貸してあげよう、という活動に参加した時でした。 小額無担保融資、という日本語訳は知しませんでしたが、お金を寄付するのではなく自立を支援するという活動の主旨に共感しました。 仲介してくれたのは現地でカナダ人女性が運営するNGOでした。 わたしが「融資」したスモールビジネスはふたつ。 ひとつは絹織物を作る道具と材料の購入にあてるもの。 特産品だった絹織物は、業界が内戦でダメージを受けていました。 作っても少数の「親方」に牛耳られ生産者はタダ同然で酷使されていたのです。 これではいい製品もできず、人々は貧困から抜け出せません。 絹織物の伝統を守りながらそれに従事する人が収入を得られるようにする、という目的はいわゆるフェアドレード(公正貿易)の推進とも重なります。 もうひとつは、屋台と商品の仕入れに使われるもの。 家族を養うために商売をしたいと思っているお母さんはたくさんいるのです。 (男性にお金を渡してしまうと、どういう訳か予定通りいかないことが多いそうです) プノンペンのような都会で飲料水や野菜などの屋台を出せば、日々の糧は得られるとのことでした。 融資する金額は一口50米ドル。返済期間は2年で、利子はあったかなかったか.. いずれにしても返済金はNGOへ寄付することにしました。 活動資金として使ってもらったほうがいいと思ったからです。 マイクロクレジットとは別に、農村に家を建てて寄贈する「労働」にも参加しました。 家といっても、高床式の土台に木枠を組み、木の葉を重ねてつくった壁材をはりつけ、屋根をのせただけの四角い部屋がひとつだけ。そこに家族7人が暮らすのです。 土台だけは現地の大工さんに作ってもらい、私たちは「組み立て」を担当しました。 20人くらいだったと思いますが1日で完成。 その家に住むことになる一家とは、贈呈式でご対面。 NGOの代表は、もう子どもは作ってはいけませんよ、とくぎをさしていましたが、これは守られているかどうか。 「カンボジア一家の喜ぶ顔を見て、参加してよかったと思いました」と心も軽く帰路につきたいところでしたが、そうはいきませんでした。 家を建てている間、近くの農家の人たちが遠慮がちにわたしたちを見ているのです。 この人たちには家があるのか、ないのか。 貧しい服を着た子どもたちが遊んでいました。子どもは世界中どこでも一緒、ほほえましい光景です...という先入観が当てはまりません。笑わないのです。無邪気にはしゃぐ姿がない。大きな違和感がありました。 ポルポト政権が少年たちを洗脳し自分の親を殺害させていた。そんな悪夢に包まれていた国。 家一軒建ててすむことではないという重い重い現実が、そこにはありました。 --- 自分で目にした時、心が動いて、何かをしたい。 そう思ったら行動すればいいと思います。 悩んでいる友人の話を聞くことも、遠いアフリカの飢餓に心を痛めて財布の中の千円を送るのも、いいことです。 行動すれば、少しですが、世界が変わります。そして自分は better person になれます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 17, 2006 01:23:34 PM
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