カテゴリ:日々思うこと
2羽のピジョン 続き
絵里子は結局仕事を辞めてしまった。貯金残高は680万円あった。これでどのくらい暮らせるだろうか?マンションの家賃21万円が無職の身に重くのしかかってくる。 3ヶ月家に閉じこもっていたら、大学時代の親友栄子が遊びに来た。啓介とも何度か食事をしたことがある。 「ねぇ。そろそろ引っ越ししたら」 栄子は部屋を見回しながら、啓介の写真立て前で立ち止まった。 「啓介さんの思い出に囲まれて暮らすのは、辛いでしょう」 栄子は啓介の写真を指でなぞるような仕草をした。 絵里子にはそれが耐えられず、思わず写真を自分の胸に抱えた。 「忘れられないのはよく分かるけど」 「啓介はここにいる」 「でも」 「わかってる。もう2度と会えないってことぐらい。でも今この家を出て行っても、またきっと私会いに来る。どんなに遠くに引っ越ししても、電車を乗り継いできっとこのマンションの前に立っている。その姿を想像したの。そしたら絶対ここを離れられないって思った」 栄子はそれ以上何も言わなかった。 --------------------------- 前回の採用活動の時は、結局一人も採用できなかった。 そして今回、現在7人の新入社員を採用することができた。 すでに3人入社しているが、それぞれみんなとてもいい。 アスタカ「きっと二荒山神社効果だと思うの。あそこって元々縁結びの神様だからさぁ」 Wさん「ふっ(と鼻で笑い)アスタカさん、前回と面接方法変えたでしょう。だからだよ。二荒山神社は関係ない」 それでもアスタカは全くもってめげない。 アスタカ「ミッドタウンでさぁすっごくシュールでかわいい金の豚の置物見つけたの。新しいオフィスの入り口に置いていい?」 Wさん「豚?」 アスタカ「豚ってトントン拍子っていって、商売にはいいんだって。子だくさんだし」 Wさん「まぁ、それで気がすむなら、いいんじゃない?」 そんな超現実主義のWさんも、ほぼ毎日ブログを公開している。 アスタカもWさんもそうだが、毎日記録を取るのに価値を見出している。 「猫にごはんをあげよう」 何ともWさんらしいゆるーい感じがいい。 でも副タイトルを見たら「長女(人間)、きなこ(次女:ネコ)、あずき(三女、ネコ)の毎日のご飯が心配だけれど、残業と闘う母の日々」って書いてあった。 だからさぁ、 あなたは取締役なんだから、「残業」じゃないんだってばぁ! 残業を命じる立場なんだよ。 ファイリング以外はものすごーい能力を持っているWさんをしても毎日夜遅くまで仕事をしなければならない程、山積みなんですね。それはよく分かっています。 ちなみに弊社には、ものすごいファイリング能力に長けたNさんという社員がいます。彼女のファイルを見ると、何でも一目瞭然で、アスタカは唸ってしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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