動産執行の実際
研修の後半「執行官による執行手続」ということで、東京地方裁判所の執行官に講義をしてもらいました。「執行官」と聞いてもなんだかピンとこない人も多いかもしれませんね。不動産と債権以外の執行(テレビで家具などに赤紙を張っていく人見たことありませんか?)をする人で、各地方裁判所に配置されていて、現在全国に641名いるそうです。私もしらなかったのですが、身分は公務員なのですが、お給料は手数料でまかなっているそうです。家具に赤紙と書きましたが、現在はなかなか動産(不動産と債権以外)執行でお金を回収するのは難しいとのことでした。阪神淡路大震災以来、差押禁止動産の範囲が広がり日常生活に使っているものは、ほとんどこれに該当してしまうそうです。また、執行官の費用も負担しなければいけず、物そのものがなかなか売れないことなども原因だそうです。(未使用の品物でも価格の20%ぐらいでしか評価できず、5000円以下の物の差押はしないとのことです。)講義を聴いたおかげで、だいぶイメージが湧きましたが、一般家庭に対する執行はほとんど不能(回収できない)で終わっているとのことなので、質問があった時にはなかなか大変なものだと説明せざる負えないようです。