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カテゴリ:野球史
久しぶりに「魔術師」の話です。10月14日投稿本ブログの続きであります。 今回もまたもや「江川問題」です。著者の立石泰則さんの文章には「怒り」を感じます。 以下立石さんの文章 「パ・リーグ会長の工藤はすでに江川のトレードを前提に発言しており,残された問題はトレードの期日だけだと協約違反のトレードを合法化させるための特例作りを呼びかけているのである。巨人軍のために,『赤信号,みんなで渡れば怖くない』というわけである。それにしても,プロ野球界の憲法である野球協約をためらいもなく破る速攻には,驚かされる」 「特定チームの熱烈なファンが球界の裁判官というべき,極めて厳正中立な立場を求められるコミッショナーに就任するなど,とても信じられない事である。巨人ファンの金子にコミッショナーの就任を依頼する方もする方だが,引き受ける方も引き受ける方だと言わざるを得ない」 立石さんは「続鈴木龍二回顧録」から次の文章を引用しています。 「巨人軍が脱退するような事態が起これば,プロ野球界は大混乱に陥る。これだけはくい止めねばならない。金子コミッショナーは,日本のプロ野球を大混乱に陥れるような危機だけは,多少協約を無視するような結果になろうとも,巨人,阪神ともに,ある程度満足する形のトレードを行うことで回避しなければならない,という一点に凝結していた」 そして立石さんの文章です。 「巨人軍のリーグ脱退という噂に怯えて,プロ野球界にダブルスタンダード(二重規範)」を持ち込もうとする金子の行為は,法の番人たるべきコミッショナーが不当な力に屈した事を告白したようなものであった。もはや誰の目にも,プロ野球界には野球協約という憲法以上のものが存在する事は明らかであった」 「どんな組織であれ団体であれ,そして競技であれ,守らなければならないルールがある。それらを守っているからこそ,守らせているからこそ,混乱は生じようもないのである。」 私も立石さんの話に大賛成です。 . 結局,社会の厳しい批判の嵐に耐えかねた金子鋭コミッショナーは前言撤回します。 そして 「江川・小林のトレードを白紙に戻す」 「小林を改めて阪神にトレード」 「江川の巨人軍への移籍は,開幕日まで認めない」 「巨人軍は,江川移籍後も自主的に四月,五月の現役登録を行わない」 という収集策に出ます。 立石さんは次のように述べています。 「江川と小林のトレードの時期をずらせば,表面的には交換トレードという形式は避けられ,譲渡を条件とした契約を禁じている協約違反にもならないというのである。まだ抜け道は残されていますので,目立たないようにやりましょうという暗黙の了解だった」 . 今回は「三原脩監督」の「み」の字も出ない話になってしまいました。 それにしても面白い本です。 皆さん,読んでみたくなりませんか? . . . 話は変わって MLB,NationalLeagueLEAGUECHAMPIONSHIPSERIES「ArizonaDiamondbacks対PhiladelphiaPhillies」は第6戦でDiamondbacksが5対1で勝利,3勝3敗としました。こちらも第7戦にもつれ込みました。Diamondbacksは第6シード,勝率は.519です。 AmericanLeagueLEAGUECHAMPIONSHIPSERIESの方はTexasRangersがHoustonAstrosに勝利,WORLDSERIES進出を決めました。Astrosにしてみれば,先に3点を失い,点差を詰めてもすぐ突き放されるという展開になり,流れを掴めず無念の敗戦に終わりました。Rangersは11-4で勝ち,第5シード,ワイルドカード2位からWORLDSERIESに進みました。「下剋上」です。ブルース・ボウチー監督は4回目のWORLDSERIES制覇を目指すことになります。 WORLDSERIESはワイルドカード同士の対戦,地区優勝チームは全て敗退ということになりました。日本で言えば,阪神タイガースもオリックスバファローズも出ない日本シリーズということです。 . 木津川俊彦 投稿は必ず氏名と居住地(またはチーム名)を記載して下さい。 匿名での投稿は個人攻撃や誹謗中傷につながるのでご理解願います。 意見を述べるなら堂々と名乗りましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.10.25 08:30:33
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