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<3>世界的数学者が、算数に苦戦する理由
算数と数学の違いは何だと思いますか。 数学の問題には、たいていエレガントな解法というものが用意されています。でも、算数の問題にはエレガントな解法が存在しないことが多い。面倒な作業を積み重ねないと、前に進まない。これを数学的に解こうとすると破綻することが良くあります。 日本ではじめてフィールズ賞を受賞した小平邦彦氏が、ある年の 開成中学の入試問題を解こうとしたところ、試験時間以内に解き終えることができなかったそうです。フィールズ賞受賞ということは、その当時日本で一番数学 ができる人ということです。世界でも上位何人かに入るくらい数学ができる。それでも開成中学の入試問題が解けなかった。 問題がそこまで難しいのかというと、そうではなくて、算数には数学的手法がうまく使えない問題というのが存在するのです。本当に難しい問題をすらすら解く方法というのはありません。このことをよく頭にとどめておいてください。
面倒を乗り越えることから偉大な発見や発明
歴史的な偉大な発見や発明は、気が遠くなるほど地道な作業の積み重ねで生まれます。 キュリー夫人はラジウムの抽出で、女性で始めてノーベル賞を受 賞しました。結果だけ見るとすごいな、天才だと言いたくなりますが、そのための実践は気が遠くなるほど過酷で重労働でした。鉱山から出る廃棄物を大きな鍋 で煮込んで抽出しようとした。最終的には11トンの鉱石くずを煮込んだそうです。その時間40か月。思いつきだけでやれることではありません。 どうしてそういうことを成し遂げることができたのか。興味があるからです。興味がないことには集中できない。 発明王エジソンは生涯に5000回の実験を行ったと言われています。エジソンはきっぱりこう言い切ります。 「私は実験に失敗したことは、ただの一度もない」。実験というものは、ほとんどが失敗に終わります。でもエジソンにとっては、こうすればうまくいかないということが分かったから、実験は失敗ではないのです。 算数の問題を延々書き出すことによって解こうとしている子どもは、過去の偉大な科学者や発明家と同じことをしています。だから決して邪魔をしてはいけません。邪魔をする事は、わが子の才能の芽を摘み取ることになります。(続く) 「宮本哲也流賢い子どもをそだてるには」より
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最終更新日
2014.10.26 07:38:22
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