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クリクリマロン2168

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2011.04.03
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第六夜(小説)お金を拾って来る犬・211
―――――――――――――――――――――――
「参ったな、困ったな、ああ。どうしょうか」

と、僕は晩飯も食べないで、布団の中でため息をついていた。

すっかりボケてしまったゴンタ。ただの犬になってしまったゴンタ。

まさか、美味いコロッケを食べたからだろうか。とそんなことまで

考えていた。

犬にも臭覚定年ってあるのかもしれないな。空港の税関でも、

麻薬の密輸を発見するのに犬を採用しているが、それも

臭覚定年で去って行く犬が多いと聞いている。

ゴンタは人間で言うと、まだ青年なのだ。スットコに赤ちゃんを産ませるほどの

精力もある。そのゴンタがボケるはずがない。

やっぱりコロッケが原因かもしれないと思った。

次ぎの朝、空腹のあまり、朝早く眼が醒めてしまった。

お膳の上には、昨日のコロッケとメンチカツがのっかっていた。

暖かいご飯の上にコロッケを乗せてガブリと食べた。

冷たいコロッケ。冷たいメンチカツ。

下宿には電子レンジもない。あくまでアナクロの世界だ。

「昨夜コロッケとメンチカツを食べたけど、どこかで買ってきたの?」

とおばあさんが聞いた。

「通りのみっちゃんのお店で総菜屋を始めたんです」

「そうなの、みっちやんの店でね。とても美味しかったわよ」

「時々、夜のご飯の時、出して下さいよ」

と、僕が言うと、

「まあ、考えとくわ。でもね、ニシンがまだ沢山のこっているから・・」

下宿のおばあさんは、やっぱりその気がないみたい。

さて、今朝はゴンタにはコロッケとメンチカツを食べさせたくない。

ボケが増進するかもしれないからだ。

外は青空の晴れ。昨夜の雨で新緑が青々としていた。雑草も

元気がいい。でも僕の心はくっもている。

もう一度、ゴンタを引っ張りだして、僕のお金5万円、そして

おばあさんの銀行の実印の指輪を探さなくてはならない。

「こらっゴンタ」

と僕は怒鳴った。言葉の鞭だ。ゴンタは頭がいいから僕が怒って

いるのを知っている。

ゴンタは尻尾を巻いて頭をたれ、べろを出して目だけは僕を見つめた。

「なあゴンタ。昨日僕が隠したお金と金の指輪を一緒に探したが、見つからなかった。

今日こそは、なんとしても探さなければ僕は大変なことになっちゃうんだ。

それに僕にとっては大金なんだ。だからゴンタも頭脳を発揮して探してくれよな」

と言って、ゴンタの頭を撫ぜて、

「行け!!」

と言ってゴンタり尻を叩いた。

ゴンタは庭中を駆け回っていたが、ただ口を開け、長いべろを出しながら

戻って来た。

「やっぱりダメか」

これでは僕の五万円とおばあさんの金の実印の指輪も見つからなかったら

庭中、鍬で掘り起こすしかない。

そんな時、格子戸を開けてみっちゃんが顔を出した。

「どうしたのみっちゃん?」

「絵描きさんこそ、どうしたの?昨日、さあ、大変だ!と言って

帰っていったけど」

「ははん、なんでもないんだよ」

「でも・・・・」

「それよりも古田君は直ぐに帰ったの?」

「あいつ、何様と思っているかしら、夕飯まで食べて帰ったのよ」

僕は笑った。やっぱり仲がいいんだな。

みっちゃんはゴンタを撫ぜながら、

「でも、大変なことって?」

「たいしたことではないんだよ、こいつがボケちゃったんだよ」

「ゴンタちゃんがボケた?」

「こいつの鼻の臭覚がパァになっちったんだよ」

「それはどうして?」

まさかコロッケとメンチカツのせいとは言えなかった。

「テスト用にとお金を庭に埋めただけど、こいつ、うろうろしてさ

見つけることが出来なかったんだ」

みっちゃんはしばらく黙っていたが、

「いいアイデアがあるわ。こんなのどう」

と小さな声で、

「パンティ捜索よ」

「何さ、パンティ捜索って?」

「ゴンタちゃんって、すこしHでしょう。特にパンティが

好きじゃないの。だから、それで実験をするのよ」

「誰のパンティで?」

「わたしのよ」

「みっちゃんのほかに誰がいるのよ」

「パンティ提供者はいるわ」

「誰だい?」

「うちの母ちゃんよ」

「みっちゃんのお母さん?」

僕はびっくりした。

「母ちゃんはパンティははいてないけどズロ-スはしているわ」

僕にはパンティとズロ-スの違いは判らないけど、ゴンタの臭覚テスト

だけはしたいと思った。

「ちょっと家に行ってくるから待ってて」

以前にこの庭でみっちゃんに田園調布のお嬢さんたちと下宿の裏の

アパ-トにすんでいる女性たちでゴンタにパンティ選びをしたことが

あったが、その時のゴンタの活動振りは活発だった。今回もみっちゃんと

お母さんのパンティとズロ-スで上手くいくか心配だな。

みっちゃんは直ぐに戻って来た。

「洗濯機の中が母ちゃんのズロ-スとわたしのパンティを持って来たわ。

洗濯前いで良かったわ、ホホホホホ」

と笑って、離れた小枝にパンティとズロ-スをかけて戻って来た。

みっちゃんはスカ-トをあげて、ゴンタに

「さあ、ゴンタ君、わたしの美の香りを嗅いでね」

ゴンタはなれたもの、顔を突っ込んでみっちゃんの下半身の

小股の香りを嗅いでいた。

そして、

「さあ、パンティを取って来て!」

みっちゃんが叫ぶと、ゴンタは走った。

戻って来た時、驚いてのには、みっちゃんのパンティとお母さんのズロ-スを

一緒に加えて来たのだ。

「どういうこと?」







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Last updated  2011.04.06 17:35:32



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