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2012.02.23
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カテゴリ:SF
ガタカ

「ガタカ」 Gattaca 1997年 アメリカ映画

監督 アンドリュー・ニコル
出演 イーサン・ホーク ジュード・ロウ ユマ・サーマン

 先日、NASAが選んだ“現実的なSF映画”第1位に輝いたと、ニュースになった映画です。(ちなみに、真逆の“ありえないSF映画”第1位は「2012」でした。やっぱりね。)現代科学の最先端を行くNASAの職員も認める、非常にリアルな、そして恐しいSF映画です。

 恐しいといっても、別にホラーではありません。恐ろしいのは、その設定です。非常に現実的で、実際に今にも起こりそうな怖さがあるのです。
 ということで、まず、この映画の設定を話しておかなければならないでしょう。
 舞台は、近未来です。人類のDNAがすべて解明され、自由に操作できるようになった未来です。
 より優秀な子どもができるように、受精時に、遺伝子操作を行い、将来病気になる可能性のある遺伝子や、障害を持つ遺伝子、能力の劣る遺伝子などは徹底的に排除され、より優秀な遺伝子を持つ精子・卵子のみを受精させる人工授精が当たり前になっている世界です。優秀な遺伝子を持つ人間は「適正者」、欠陥のある遺伝子があるであろう自然受精(つまり、情熱に任せた性交によってできてしまった子)で生まれた人間は「不適正者」として、生まれながらに差別される世界なのです。
 身分証明などは、血液や尿などを使ったDNA検査ですべて行われ、社会の中核を担う重要な仕事は、すべて「適正者」のみで行われ、「不適正者」は肉体労働などの低賃金労働に就くしかないという世界なのです。
 ほら、恐しいでしょう。しかも、この映画のできた時代にはまだでしたが、現在では、ヒトゲノム解析は終了し、人類のDNAは解明されています。今、この映画と同じような世界を作ろうと思えば、充分に可能なのです。(まあ、社会のしくみを根本から変えてしまうので、そんなに簡単ではありませんが。)

 「不適正者」として生まれたヴィンセント(イーサン・ホーク)は、子どもの頃から、「適正者」のみが許されている、宇宙飛行士になる夢を持っていました。そのため、彼は、勉強でも運動でも、「適正者」である弟アントンに負けないよう、人の何十倍も努力してきました。
 ヴィンセントは、闇のDNAブローカーの斡旋で、事故により下半身不随になってしまった「適正者」の水泳選手ジェローム(ジュード・ロウ)の血液や尿、指紋、毛髪などのDNA情報を買い取り、代わりに彼の生活の面倒を見るという契約を結びます。
 そうして、ヴィンセントは、「適正者」ジェロームに成りすまし、宇宙局「ガタカ」の局員になることに成功します。彼は、すべてのDNA検査をジェロームの物とうまくすり替えて通過し、会社内に1本でもヴィンセントのDNAを残さないように、毎日すべての体毛を軽石で削り取り、「ガタカ」の中でも、一握りのエリートだけが成ることができる宇宙飛行士を目指し、完璧な仕事をするように、日々並々ならぬ努力をするのです。
 努力の甲斐あって、ヴィンセント=ジェロームは、タイタン行きの宇宙飛行士に選ばれることができましたが、その矢先、彼の上司が局内で殺されるという事件が起きてしまいます。そして、あろうことか、その現場近くで、「不適正者」ヴィンセントのまつ毛が1本見つかってしまうのです。

 舞台設定などはSFですが、物語としては、「不適正者」ヴィンセントのサクセスストーリー、そして、殺人事件をめぐるサスペンスです。そうそう。ヴィンセントとジェロームの友情物語でもあります。
 ヴィンセントは、最後までばれることなく、ジェロームに成りすますことができるのか、そして、殺人事件の容疑者となってしまった彼の運命は、ということで、なかなかハラハラさせられるお話になっています。

 しかし、事あるごとにDNA検査をし、そのたびごとに、そのDNAの持ち主の顔写真がモニターに映し出されるのに、誰一人として、ヴィンセント=ジェロームを疑うことはありません。それだけDNA検査が絶対なので、だれもその顔を見ていないということなのですが、つくづく、恐ろしい世界だな、と思ってしまいます。
 こんな世界にならないように、心から思っています。

 ところで、ヴィンセント=ジェロームといい仲になる「ガタカ」の同僚アイリーン(ユマ・サーマン)の、存在意義が、いまいちわかりません。恋愛を描こうとしているにしては中途半端だし、まあ、にぎやかしとして、きれいな女優さんを置いとこうかという事でしょうか。  「適正者」として、「ガタカ」に入局していながら、心臓疾患があるという事なので、遺伝子操作をしても、それは完ぺきではないという見本として登場させたのか、と思われますが、説明不足で、これも中途半端です。

 ちなみに、「Gattaca」という、物語の舞台になる会社の名前でもある、この映画の題名ですが、DNAを形作っている4つの基本塩基、G(グアニン)、A(アデ二ン)、T(チミン)、C(シトシン)の頭文字から作られた造語だそうです。辞書を引いても出てきませんよ。





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Last updated  2012.02.23 06:34:39
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