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2012.03.12
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カテゴリ:戦争
ディアハンター1

「ディア・ハンター」 The Deer Hunter 1978年 アメリカ映画

監督 マイケル・チミノ
出演 ロバート・デ・ニーロ クリストファー・ウォーケン ジョン・サヴェージ メリル・ストリープ

 アメリカの片田舎で、青春を謳歌していた若者たちが、ベトナム戦争で傷ついていく様を描いた、米アカデミー作品賞受賞の、名作です。
 確か、僕がまだ十代のころ観て、怖くて、夜中にふと思い出して、震えていた思い出があります。何が怖かったって、クリストファー・ウォーケンの目が怖かったんです。今でも時々思い出してしまいます。はっきり言って、トラウマです。

 アメリカ・ペンシルバニア州のロシア系移民の町クレイトンの製鉄所で働く若者たちの物語です。
 マイケル(ロバート・デ・ニーロ)・ニック(クリストファー・ウォーケン)・スティーブン(ジョン・サヴェージ)のベトナムへの壮行会と、スティーブンとアンジェラの結婚式を兼ねたパーティの模様から始まります。
 みんな羽目を外して騒ぐ中、ニックはリンダ(メリル・ストリープ)にプロポーズをします。そんな2人を見て、リンダに密かに思いを抱いていたマイケルは、その思いを心の奥底にしまいこみます。
 翌日は朝から鹿狩りです。マイケル・ニック・スティーブン・スタン・アクセルの5人は、まだ雪の残る山へ出かけていきました。マイケルが見事なオス鹿を仕留めて帰ってきました。そんな中でニックは、マイケルに、「どんなことがあっても、連れて帰って来てくれ。」と頼むのでした。 
 ベトナムのジャングルの中の川の上のベトコンの小屋で、3人は再会します。捕虜として。その小屋では、捕虜たちにロシアンルーレットを強要してベトコンたちが楽しんでいました。
 6連発の銃に1発だけ弾を入れ、向かい合わせに座った捕虜2人に、順番に自分の頭を打たせるのです。それを見たスティーブンはもう発狂寸前です。
 マイケルとニックがやらされる番になり、マイケルは覚悟を決め、引き金を引きますが、ニックはなかなか引くことができません。ベトコンに怒鳴られ、マイケルに励まされ、死ぬ思いで、引き金を引くニック。次はマイケルの番ですが、彼は何を思ったか、ベトコンに弾を3発にするように提案します。弾が3発入った銃を渡されたマイケルは、自分の頭を打つふりをして、スキを見て、ベトコンたちを撃ち倒しました。
 そんなマイケルの機転で脱出できた3人ですが、救出される中で、またバラバラになってしまいました。
 2年後、マイケルはひとりでクレイトンに帰ってきました。2人の消息を聞いてみると、ニックは行方不明、スティーブンは帰還したが、どこにいるかわからないということでした。ベトナムで地獄を見たマイケルは、帰郷の喜びを素直に受け取れませんでした。スタン・アクセルと3人で鹿狩りにも出かけますが、大きな鹿を目の前にして、どうしても引き金を引くことができませんでした。
 スティーブンが復員兵専門の病院にいるということを伝え聞いたマイケルは、彼のもとに向かいました。スティーブンは両足を失い、心も病んでいました。
 何とかスティーブンを説得して連れ帰ることに成功したマイケルは、スティーブンの元にサイゴンから差出人不明の送金があることを聞き、ニックに違いないと思い、彼を探しに、再びベトナムへ向かいました。

 この後、マイケルはニックと再会することに成功しますが、何があったのかは、はっきり言って、怖すぎて書くことができません。とにかく、悲劇的な結末に終わります。

 この映画、ベトナム人について、あまりにも描き方が一方的で、ひどすぎるという批判がされています。確かに、捕虜を相手にロシアンルーレットで遊んでいるというのは、あまりにも現実的ではありませんし、実際にあったということは確認されていません。
 しかし、あまりにも悲惨を極めた戦争で、実際、ベトナムで精神を病んで帰ってきた若者たちはたくさんいたようです。それに近いようなことはあったはずです。
 とにかく監督は、ベトナム戦争により、人生を狂わされてしまった若者たちの悲惨さを描きたかったわけで、その内容は何でもよかったのです。
 ニックもスティーブンも、そして無事に帰ってきたマイケルも、ベトナム戦争によって人生が大きく変わってしまいました。同じくベトナム帰還兵を描いている「ランボー」や「タクシードライバー」「7月4日に生まれて」と同様でしょう。
 前半ののどかな田舎町クレイトンの描写や結婚式の様子、雄大な山の中で優雅に鹿狩りする様子など、戦争がテーマの作品にしては長すぎるという批判もありますが、彼らの普段の生活の様子がこうして描かれているからこそ、後半の悲劇がまた浮き立ってくるので、よりテーマがわかりやすいのではないでしょうか。よく考えられた作品だと思います。

ディアハンター2

 この映画、主役のマイケル役のロバート・デ・ニーロや、リンダ役のメリル・ストリープもいいですが、やっぱり1番存在感あるのは、ニック役のクリストファー・ウォーケンです。
 見た目はクールな感じのイケメンですが、実は気が弱く心優しい青年で、ベトコンの前ではロシアンルーレットを強要されて泣き叫んでいた男が、サイゴン陥落の直前の裏町で、異様な光を放つ狂気の目を見せるようになるまでを、見事に演じています。そう、十代の気の弱い少年のトラウマになるくらい。米アカデミー賞の助演男優賞受賞は当然です。
 クリストファー・ウォーケンは、出演作はあまり選ばない方のようで、本当に多くの作品に、主に脇役として出演しています。(珍しく主演を張った、この映画と同じくマイケル・チミノ監督の「天国の門」は、歴史的な大コケをしていますが、彼のせいではありません。)
 最近では、レオナルド・ディカプリオが有名な詐欺師の役をやり、トム・ハンクスの刑事と対決する「キャッチ・ミー・イフ・ユウ・キャン」で、主人公の、ちょっと変わった父親を好演し、再び米アカデミー助演男優賞にノミネートされています。(受賞はせず。)
 また、「007美しき獲物たち」では、初めて007シリーズの悪役を演じたアカデミー賞俳優となっています。

 そんな若者たちの青春を奪ったベトナム戦争を批判する反戦映画として、題材はあまりにもショッキングですが、映画史に残る1本であることは間違いありません。少なくとも、ベトナムに全く関係のない日本人のトラウマになっているぐらいですから。





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Last updated  2012.03.13 06:24:36
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