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カテゴリ:恋愛
「きみがぼくを見つけた日」 The Time Traveler’s Wife 2009年 アメリカ映画 監督 ロベルト・シュヴェンケ 出演 エリック・バナ レイチェル・マクアダムス 星野之宣先生の短編に、「遠い呼び声」というお話があります。1978年の少年ジャンプ増刊が初出ですから、結構初期の作品です。(まだジャンプ専属時代ですから。) 子どものころから自分の名を呼ぶUFOに何度となく遭遇してきたジョディは、レイという新人宇宙飛行士と恋に落ちます。ところが、レイは宇宙で事故に遭い、帰ってきませんでした。 レイの宇宙船は、事故に遭った衝撃で光速を超え、UFOとなって過去へ戻り、子どもの頃のジョディと遭遇していたのです。(なぜそうなるかはアインシュタインに聞いてください。) という切ない恋のお話です。 TVで流れていたこの映画の予告編を見ていて、この漫画を思い出し、非常に気になっていました。タイムトラベルをしてきた彼が野原で女の子と出会うこと(レイとジョディは実際には出合っていませんが。)、大人になった彼女が彼に声をかけ恋が始まること、そういったところが似ていて、映画がどんな展開になるのか、非常に気になっていたのです。 ということで、恋愛映画は苦手ですが、レンタルしてきました。(恋愛映画コーナーはあまり行かないので、今までこの映画がそこにあることに気がつきませんでした。) 6歳のヘンリーは雪の日、母親の運転する車で、スリップ事故に遭いましたが、次の瞬間、裸で自宅にいました。リビングには、父親、母親、そして自分がいました。また次の瞬間、事故現場で、母親を乗せたまま炎上する車を外から見ていました。そこへ、大きくなった自分と名乗る男(エリック・バナ)が現れ、「大人になったら理解できる。」と言い残し、消えて行きました。 ヘンリーには、タイムトラベルする能力がありました。しかしそれはコントロールすることができず、いつどこへ飛ぶのか分からず、衣服は飛べないので、飛んだあとは必ず裸になってしまうのでした。 図書館の司書として働いていたヘンリーに、ある時かわいらしい女の子が声をかけてきました。その少女クレア(レイチェル・マクアダムス)は、小さい時から彼を知っていると言うのですが、ヘンリーには全く覚えがなかったのです。 クレアがヘンリーに初めて会ったのは5歳の時でした。ヘンリーは自らタイムトラベラーだと名乗り、それから何度となくクレアのもとを訪れていたのです。クレアはリアルタイムのヘンリーに会えたことに感激し、たちまち2人は恋人になり、結婚することになるのです。 結構面白いお話でした。 タイムトラベルできる超能力というと、結構みんなあこがれの超能力ではないでしょうか。しかし、このヘンリーにとっては、迷惑な能力でした。 いつ起こり、どこへ行くかは分からない、服は一緒に飛べずに必ず裸(考えてみたら、当たり前ですね。能力があるのは体だけなので、服も一緒に飛べる方がおかしいですね。)、そしていつ戻れるのかもわからない、厄介この上ない能力です。 しかし、いつ起こるか分からないタイムトラベルが、この物語の核になっています。 2人が出会ったのも、恋に落ちたのも、ケンカになるのも、子どもができずに悩むのも、悲しい別れを迎えるのも(どう別れるのかは秘密です。)、そして、別れた後の楽しみも(どんな楽しみかは秘密です。)、すべてはこの能力のおかげであり、いつ起こるか分からなく、必ず裸になってしまうというルールのせいなのです。 この厄介な能力のおかげで、ともすれば複雑でわかりにくい物語になってしまいがちなお話ですが、時間の流れをクレアの流れで統一したおかげで、すっきりとしてわかりやすいお話になっています。 ただ、20代のヘンリーも40代のヘンリーもあまり変わりなかったので、もっとふけメイクなどを極端にしていた方がわかりやすかったかなと思いました。(でも、そうすると、結婚式の場面など大騒ぎになってしまいますかね。) ということで、いきなりタイムトラベルしてしまう男という基本設定を非常にうまく活かした、いいお話でした。 ところで、後半、ヘンリーの能力を受け継いだ、2人の娘アルバが出てきますが、タイムトラベルをすると必ず裸になってしまうので、今後のこと(劇中では10歳までしか出てきません。)を想像すると、ちょっとかわいそうですね。 ちなみに、5歳のアルバと10歳のアルバが全く違和感なく出てきますが、実はそっくりな顔をした本当の姉妹が演じています。だから、2人のアルバが一緒に遊んでいるという場面が容易に作れてしまうのですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.12 23:30:29
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