勝手に映画批評

2013/03/16(土)22:30

ディープエンド・オブ・オーシャン

ドラマ(76)

「ディープエンド・オブ・オーシャン」The Deep End of the Ocean 1999年 アメリカ映画 監督 ウール・グロスバード 出演 ミシェル・ファイファー トリート・ウィリアムズ ウーピー・ゴールドバーグ  夜中にTVで放送していたものを録画しました。はっきり言って、内容はまったく知りません。いったいどんな映画なのでしょうか。  1988年のウィスコンシン州マディソン、写真家のベス(ミシェル・ファイファー)は夫パット(トリート・ウィリアムス)と2人の息子、生まれたばかりの娘の5人で幸せに暮らしていました。  ある日、ベスは高校の同窓会に子どもたち3人を連れて行きますが、7歳の長男ヴィンセントに手をつないで待っているように言っておいた3歳の次男ベンが、ベスが目を離した隙に行方不明になります。担当のブリス刑事(ウーピー・ゴールドバーグ)らの懸命な捜査にもかかわらず、ベンが見つからないまま9年の月日が流れてしまいます。  家族でシカゴに移り住んだベスは、ある日、近所に住む12歳の少年サムがベンにそっくりであることに気付きます。  ブリス刑事らに連絡して調べてもらったところ、サムがベン本人であることが判明しますが、サムの父ジョージにはサムが誘拐された子であるとの認識は全くなく、5年前に自殺したジョージの妻の連れ子だということでした。その妻は、ベスの高校時代の同級生セシルであり、精神を病んでいたため、亡くなった自分の子と同い年のベンを9年前の同窓会で誘拐していたことが判明します。  なるほど、「八日目の蝉」でしたか。  なんかアメリカの平均的な普通の家庭が出てきて、男の子がひとりいなくなって、その捜索のため、ウーピー・ゴールドバーグ扮する敏腕らしき女刑事が出てきて、これは、誘拐事件を敏腕刑事が解決するサスペンスかな、それとも子どもがいなくなって家庭崩壊する物語かな、思っていたら、子どもが見つからないまま、いきなり9年もたってしまって、あっさり行方不明の次男が見つかって、という展開でびっくりしました。  ドラマはその後でした。9年間も違う親と違う家で育てられた少年、しかも、人格形成に大切な幼児期から児童期を丸々です。見つかった時点で12歳、「実は君の家はここなんだよ、今日からここで暮すんだよ。」と言われても、「はい、そうですか。」とはならないですよね。そこには絶対ドラマが生まれます。うまくいかなくて家庭崩壊するとか、返って家族のきずなが強まってめでたしめでたしか、もしかしたらクライム・サスペンスに発展するのか(子どもを奪われたジョージが奪われた子どもをまた誘拐するとか、ベスの一家を惨殺するとか。)、どんな方向に転んでも、面白いドラマが作れそうですよね。  でも、はっきり言ってこの後のお話が面白くないんですよね。というか、どういう方向にいくかどうかは秘密にしておきますが、脚本が良くないのか、演出が良くないのか、役者の演技が良くないのか、それともその全部なのか、とにかく、登場人物の心情の表現がうまくないというか、心の動きがあまりよくわからないんですよ。だから、感動するはずの話が、感動できないのです。  ということで、非常にがっかりした次第です。  この映画ヒットしなかったでしょうね。お話は面白くないし、大スターは出てないし、おばさんになったミシェル・ファイファーが主役で、歌いも踊りもしないウーピー・ゴールドバーグでは目玉にならないし、売れる要素ゼロですからね。  ところで、題名の意味が全く分からないのは困りものですね。同じ題名の原作小説ならどこかに題名の意味がわかる描写があるのかなあ?  さあ、今度は同じ題材で感動できる、「八日目の蝉」でも見ることにしよう。

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