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2013.03.17
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カテゴリ:ドラマ
八日目の蝉2

「八日目の蝉」 2011年 日本映画

監督 成島出
出演 井上真央 永作博美 小池栄子 渡邉このみ 劇団ひとり 森口瑶子

 ということで、「八日目の蝉」です。
 以前「金曜ロードショー」で放映していたのを、録画していましたが、内容が重いことが分かっているので、なかなか踏ん切りがつかず観ていなかったのを、昨日、「ディープエンド・オブ・オーシャン」を観たことにより、これは観なければと思って、観てみました。
 日本アカデミー賞10部門受賞(作品賞・監督賞・主演・助演女優賞など)を筆頭に、数々の賞に輝いた、角田光代原作の同名小説の映画化です。

八日目の蝉4

 野々宮喜和子(永作博美)は、不倫の末妊娠した子を中絶し、子宮が癒着し二度と子が産めない体になります。
 喜和子は同時期に生まれた不倫相手の本妻(森口瑶子)の娘・恵理菜を一目見たいと、夫婦が2人で外出した夜、家に忍び込みます。
 赤ん坊を見た喜和子は、愛おしいあまり赤ん坊を連れて逃げてしまい、生まれるはずだった子につける予定だった名前・薫と呼び、育てます。
 4年後、小豆島で逮捕され、薫こと恵理菜(渡邉このみ)は本当の両親の元へ返されました。
 17年後、恵理菜(井上真央)は、大学生になり、都会でひとり暮らしをしていました。ある日、バイト先に、誘拐事件のことを調べているので話を聞かせてほしいと、千草(小池栄子)という女が現れます。
 恵理菜は、岸田(劇団ひとり)という妻子ある男と不倫しており、妊娠していることが分かり、ひとりで産む決意をします。

八日目の蝉1

 現代の恵理菜の元に千草がやってきて、事件のことを振り返り始めるのと並行して、喜和子と薫(恵理菜)の逃亡生活の様子が映し出されていきます。(恵理菜は逃亡中は薫と呼ばれているので、逃亡生活の部分では、薫と書きます。ご注意を。)
 序盤から目がウルウルして来て、要所要所でこみ上げて来て、観終わったらボロボロでした。喜和子が赤ん坊を持ち去るシーンから始まり、とりあえず入ったホテルで泣きやまない薫におっぱいをあげようとするがあげられなかった(当然)シーン、家に戻ったばかりの恵理菜が逃げ出し、「知らないおじさんとおばさんの家にいる。」と警察に保護される回想シーン、恵理菜が“お星さまの歌”を歌ってと言われ分からず、ヒステリーを起こした母親に「お母さんごめんなさい。お母さんごめんなさい。……」と何度も繰り返し謝るシーン、喜和子がエンジェルホーム(傷ついた女性たちが救いを求めて集まってくる謎のボランティア団体)に入れてもらおうと泣きながら話をするシーン、エンジェルホームに警察が来ると聞いて、喜和子と薫が逃げ出すシーン(“お星さまの歌”は“見上げてごらん夜の星を”でした。)、喜和子と薫が小豆島(あずき島ではない「しょうど島やでぇ。」)で、きれいな海を見ながらいろんなもの見に行こうというシーン、それと呼応して恵理菜がお腹の子のエコー写真を見て「この子にいろんなきれいなものを見せてやる義務があるんだ。と思い、産むことを決意した。」と千草に打ち明けるシーン、お祭りで宵闇の段々畑に松明の光が並ぶのを見て、喜和子と薫が見とれるシーン、島の写真館(たぶん唯一)で写真を撮るシーン、フェリー乗り場で喜和子が捕まるシーン、それと呼応した、フェリー乗り場でそのシーンを恵理菜が思いだすシーン、そしてラストシーン、もう涙が後から後から溢れて来て止まりません、でも、全く映像を止めることなく、2時間ちょっと、一気に観てしまいました。

八日目の蝉3

 とにかく、女優陣の演技がどれもこれも、最高です。
 永作博美さんが前からうまいなのはわかっていましたが、明るい可愛い娘ばかりだった井上真央さんがこんなにシリアスな演技ができるなんて思いませんでした。小池栄子さんも、いつも男勝りなきつそうな女ばかりだったのに、こんな控え目な優しい女ができるとは知りませんでした。
 そして、お母さん役の森口瑶子さん、ヒステリックで神経質な女を、見事に演じていて、心の底から嫌な女と思ってしまいました。
 あっ、そうそう、忘れちゃいけない、子どものころの恵理菜(薫)を演じていた渡邉このみちゃんも最高でした。この子の顔のアップで、涙があふれてきたのが一番多いです。

八日目の蝉5

 しかし、恵理菜のお父さんといい、岸田といい、男って、何て身勝手なんでしょうか。子どもができて困るんなら、初めからキチンと避妊しておけよ。欲望に任せて女を抱いて、避妊もせずに、「おろせよ。」とか、「できちゃ困る。」とか、馬鹿じゃないの。
 それと、恵理菜のお母さん、自分のヒステリー気質がすべての原因だと気が付いていないのですね。かわいそうな女です。確かに、生まれたばかりの赤ん坊を置いて2人で出かけちゃあ行かんぜよ。

 恵理菜はきっと、生まれた子に「薫」と名付けますね。男でも女でも。そして、愛情たっぷりに育てますね。きっとかわいい、いい子に育ちます。





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Last updated  2013.03.17 23:57:12
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