勝手に映画批評

2013/06/09(日)00:52

ソウ5

サスペンス(87)

「ソウ5」 SAW V 2008年 アメリカ映画 監督 デヴィッド・ハックル  さて、第5弾です。  前作の記事でも書いたように、次は「4」と同じ手が通用しないということで、どう描いているのだろうと非常に気になって、さっそくDVDを借りてきました。  前作「ソウ4」での大事な秘密を書かないと、今回の記事が書けないため、はっきりと書かせていただきました。「ソウ4」の大事な秘密を知りたくない人は、今回の記事は読まないでください。  殺人罪で服役していたが5年で仮出所してきたセスは、暗い密室でコンクリートの台に拘束されていました。テレビのスイッチが入り、画面に映し出された人形がゲームの開始を告げます。「両手を万力で潰すか、天井からぶら下がった刃の付いた振り子によって自身の命を失うか。」セスは言われた通りに手を万力で潰しましたが、刃は止まる事はなく彼のお腹を真っ二つにしていきました。  ジグソウが亡くなった直後に踏み込んだFBI捜査官ストラムは、ジェフを射殺し、隠し扉の奥へ進みます。吊るされていたテープレコーダーのメッセージは、「これ以上先に進むな。」という忠告でした。  それを無視し先に進むストラムは、何者かに襲われ、目覚めると頭部をガラスBOXに覆われていました。水が容赦なく注入され呼吸困難になったストラムは、意を決してポケットからペンを取り出し、自らの気管に突き刺しました。  警察隊が駆けつけ、ジェフの娘を抱いたホフマンと、ストラムが助け出されました。  ジグソウの元妻ジルは弁護士に呼び出され、ジグソウの遺言のビデオテープと、遺品の入った木箱を渡されます。ジルは首にかけていた鍵で木箱を開け、驚愕しますが、大事そうに持ち帰りました。  ジグソウによる連続殺人事件が終焉を告げる記者会見が開かれ、ホフマン刑事が解決に尽力したとして紹介されていました。捜査から外れて休養するよう上司から命じられていたストラムは、無傷でゲームから生還したホフマンがジグソウの後継者ではないかと疑い始めます。  一方、密室のコンクリートの床の上で、5人の男女が目覚めていました。壁にはV字型の大きな刃がセットされ、5人につけられた首輪はケーブルでその刃に繋がれていました。そして、新しいゲームの始まりが告げられるのです。  「ソウ5」は、「ソウ4」の思いっ切り続きでした。  「4」の最後、ジグソウのアジトに踏み込んで、「3」の“ゲーム”を終えたばかりのジェフを射殺してしまったストラムは、その直後、何者か(もちろんジグソウの協力者であり、「4」のリッグの“ゲーム”が終わり、解放されたばかりのホフマン刑事です。)に拘束され、開けられないガラスBOXを頭にはめられ、水を流し込まれます。つまり、“ゲーム”ではなく、口封じに抹殺させられようとしているのです。  だから、助け出されたストラムを見て、ホフマンは「なんで生きているんだ???」という驚愕の表情をしています。一方ストラムは、「誰も助けられなかった。」と悲しがるホフマンを見て、彼がジグソウの協力者ではないかと疑いを持つのです。  そうです。今回は、計画では始末できていたはずのストラムを、ジグソウの後継者となったホフマンが始末しようとする、つまり、「4」の後始末の物語なのです。  言ってみれば、「4」と「5」は、1つの物語の前後編なのです。  このジグソウの後継者誕生篇の物語の後編では、自分の妹を殺したにもかかわらず、たった5年で出所してきたセスを、ジグソウの模倣犯(世間的にはジグソウの犯行と認識されているようです。)として猟奇的な装置を使って殺害したホフマンに、殺害が目的ではなく法で裁くことが難しい悪人を懲らしめ、苦痛に耐え脱出に成功した者はちゃんと解放してやるという、ジグソウの“ゲーム”の“ルール”を叩き込み、後継者に育て上げる様子も描かれています。(アマンダは、この“ルール”が理解できず、脱出不可能な“ゲーム”で“殺人”を繰り返したため、「3」で描かれている結果になったのです。)  そして、その“ルール”をきちんと守っていることを確かめるために、生前のジグソウからリストを渡されたメンバーを集め、ホフマンが企画実行する“ゲーム”として、5人の男女の“ゲーム”が描かれているわけですね。  ということで、うまくまとめれば、2時間ちょっとぐらいの1本の映画にできたお話を、目ざとく90分ほどの上映時間の映画2本にして、しっかり儲けているという、大人気シリーズの第5弾でした。  で、次の「6」は、独り立ちしたホフマンのお話というわけですね。

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