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カテゴリ:SF
「月に囚われた男」 MOON 2009年 イギリス映画 監督 ダンカン・ジョーンズ 出演 サム・ロックウェル ケヴィン・スペイシー(声のみ) さて、恒例の無名映画紹介コーナーです。と言っても、ちょっと今回は趣が違います。というのも、この映画、一般的知名度は低いかもしれませんが、一部コアなファンの間では結構知名度の高い作品だと思うからです。英アカデミー賞や英インディペンデント映画賞、サターン賞など、いろいろと受賞・ノミネートを受けている名作です。僕自身もこの映画の存在は知っていて、米アカデミー賞にノミネートされたマット・デイモン主演の「オデッセイ」が評判になった時、何か同じような映画(月と火星の違いはありますけど)があったぞ、と思っていたものです。 近未来、核燃料生産企業“ルナ産業”に勤めるサム・ベル(サム・ロックウェル)は、“ヘリウム3”採掘のため、1人で月の裏側にある掘削基地へと3年間派遣されています。話し相手は人工知能ロボット・ガーティ(声・ケヴィン・スペイシー)だけの孤独な環境でしたが、地球にいる妻と幼い娘からのメッセージを励みに耐えていました。 ところが、あと2週間で任期を終え地球に帰還できる、ある日、サムは掘削地での作業中に移動車もろとも落石事故にあってしまいます。 基地の医務室で意識を取り戻したサムは、事故当時の記憶がなく、ガーティや本部の対応に不審を抱き、ガーティの制止を振り払って、事故現場を見に戻ります。 するとそこには、負傷したまま放置されているもう1人の自分がいたのです。 いやあ、すごい面白かったです。 事故の後、基地内の医務室で目を覚ましたサムを観て、「あれ、どうやって回収したんだろう?1人しかいないのに。もしかして………。」と思っていたら、やっぱりでした。そう、医務室で目を覚ました方のサムはクローンだったんです。 「こら!物語の重要な秘密を書くんじゃねえよ!」と思っている皆さん、安心してください。はいてますよ。(もう古い?)じゃなくて、大丈夫ですよ。この物語は、このサムがもう1人の自分を見つけるところまでが起承転結の起ですから。もっと重要などんでん返しが最後に待っていますから。 そう来るとは思いませんでしたね。非常に面白いと思ってしまいました。ほぼ基地内部の映像ばかりで、出演者も非常に少なく(ほぼサム・ロックウェル1人)、非常に低予算なインディペンデンド映画でも、アイデア次第で見ごたえのある映画が作れるんだという見本のようですね。「クローバーフィールド」や「エイリアン」を観た時の衝撃なようなものがありましたね。 ということで、あまり期待していませんでしたが、予想に反して非常に感動(衝撃?)してしまったというお話でした。 ところで、月面上の基地にもかかわらず、地球上と同じように行動しているサムの描写が少し気になりましたが、作業車を降りたサムが飛び跳ねている描写もあったので、きっと基地内では重力が地球上と同じようになるような装置が設置してあるんだろうと、好意的に解釈しておきましょう。 ちなみに、ヘリウム3とは、通常の陽子2中性子2のヘリウム(ヘリウム4ともいう)に対し、中性子が1しかない同位体で、その分質量が軽く、核融合が比較的容易だということで、未来のエネルギー源として、今非常に注目されているものです。地球に比べ、月には非常に多く存在しているといわれています。やるなあ、デヴィット・ボウイの息子(この映画の監督です。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.22 11:53:14
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