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カテゴリ:本
映画化された『テルマエ・ロマエ』の作者、ヤマザキマリ氏の新連載『プリニウス』がつい先日単行本になった。コミックスなのに新潮社ってのは微妙な気がしないでもないが、しかしとり・みき氏との合作ってことなのでそりゃもう読まない訳にはいかん。聞けば人物はヤマザキマリ氏、背景をとり・みき氏が描くってことらしいがどんだけ贅沢なんだ。
しかも主人公はプリニウス。かの『博物誌』の著者である。博覧強記にして手当たり次第に何でもかんでも記述しまくった、もの好き高じた知識人。 博物誌には実は昔から興味があった。が、日本語訳されている博物誌は恐ろしく高い上に全8冊で1冊7000円ぐらいとか(号泣
西の博物誌東の山海経ともいわれているが、どっちも実際に見てもいない、元ネタも知れないような訳わからん化け物なんかも普通にがんがんネタにしちゃってるから真面目な学者からはあんまりまともに相手にしてもらえない書物でもある。山海経は以前北京にいた頃たまたま本屋で見つけて購入したので、中国語版は持っている。が、どうやら日本語訳版は現在手に入らないっぽい。 そういうごった煮のカオス的な本の諸々を拾い読みしているだけで結構面白かったりする(人はもしかしてそう多くないかもしれないが)ので、すごく興味がある。けど高い。山海経はともかく、博物誌は図書館にも無いから他の図書館からお取り寄せかなあ。 とりあえず澁澤龍彦のこの本でも読んでおこうか。学生時代持っていたような気がするが、今は手元には無い。
元ネタ本はともかく、マンガの「プリニウス」はかなり面白かった。ネロとの絡みがどうなるのかとか、セネカがこんなところに、とか、ローマ史にちょっと興味があれば面白く読めると思う。 それにしても最近は『大奥』といい『チェーザレ』といい『プリニウス』といい『陰陽師』といい、なんか歴史がらみのマンガばっかり読んでるような気がするがこりゃ気のせいじゃないな、たぶん歳のせい(笑 実は『ヒストリエ』も読みたいんだけど、連載が完結するかちょっと心配。優先順位は低いから完結したらコミック大人買いかな。あとは今更の『バガボンド』もいつ大人買いしようか機会を狙っているところ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ひぇ~、全然聞いたことのない名前ばかり。
「どんだけ贅沢なんだ」ってトコがよく分からないので 他に何かいい喩えありませんか? 風任女史が文、トイモイ氏が写真でタッグを組み チベット関連の本を新潮社から発売、みたいな。 (2014.07.15 23:52:40)
>そういうごった煮のカオス的な本の諸々を拾い読みしてい>るだけで結構面白かったりする
同じような本としては、松浦静山『甲子夜話』なんかもおすすめです。当時の江戸ではよく化け物が出ていたようですね。 (2014.07.16 07:26:53)
放浪の達人さん
>ひぇ~、全然聞いたことのない名前ばかり。 >「どんだけ贅沢なんだ」ってトコがよく分からないので >他に何かいい喩えありませんか? >風任女史が文、トイモイ氏が写真でタッグを組み >チベット関連の本を新潮社から発売、みたいな。 > ----- といもいさんの日帰り弾丸珍スポ巡りツアーにほうろうさんの写真をつけるとか、ルノワールの人物画の背景を描いたのがゴッホとか、なんかそんな感じです。 プリニウスのことを知ってる日本人が何%かって考えたら、たぶん3%ってとこだろな、と思っているので、聞いたことなくても全く問題ありません。てか知ってるのはオタクみたいなもんです。それにしても『私のプリニウス』の表紙の絵、なんかそそりませんか? (2014.07.16 22:48:00)
ウェンメイの夫さん
>>そういうごった煮のカオス的な本の諸々を拾い読みしてい>るだけで結構面白かったりする > >同じような本としては、松浦静山『甲子夜話』なんかもおすすめです。当時の江戸ではよく化け物が出ていたようですね。 > ----- この本、最初「こうしやわ」だと思ってて実は「かっしやわ」だと大学時代の国文学か何かの講義で聞いて、へー、と思ったのを覚えています。 それにしても妙な話の収集家って用の東西を問わずいるもんなんですねえ。ううむ。 (2014.07.16 22:51:04)
背景と人物を違う人が描くって、実務作業の進め方がどうなんねん?ってのが気になります。先に描いた人の所にインクこぼしたら怒られるだろうな。。。とか
私のプリニウス。確かに表紙にそそられる!! (2014.07.17 16:40:27)
VeryBerryさん
>背景と人物を違う人が描くって、実務作業の進め方がどうなんねん?ってのが気になります。先に描いた人の所にインクこぼしたら怒られるだろうな。。。とか > >私のプリニウス。確かに表紙にそそられる!! ----- 単行本の中に作者同士の対談が時々挟まれてるのですが、人物担当のヤマザキ氏(イタリア在住)が絵をデータで背景担当のとり氏(日本在住)に送り、とり氏が背景の絵を描いてエフェクトも担当し合成する、というやり方だそうです。月刊誌連載である程度スパンが長いからできるんでしょうね。週刊少年ジャンプだったら無理(笑 「私のプリニウス」の絵、いいでしょう?山海経にもそっくりな絵があるんですよ。こういう想像の怪物って、似たようなものになるんでしょうかねえ。 澁澤龍彦は学生時代にずいぶん読んだのですが、また最近ちょっと読みたくなってます。 (2014.07.17 22:59:55) |
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