2010/11/20(土)20:01
「通常の学級で『特別支援教育』をどう進めるか」~LD学会機関誌より
特別支援教育士の資格取得に向けて
勉強しています。といっても最近はほとんど勉強してませんでした。
夏の合宿での単位がなんとか認定されたので、
12月19日の最終テストに向け、ちょっとは勉強しなくちゃです。(^^)そこで、いつも届いてからほったらかしの
LD学会の機関誌「LD研究」を半年ぶりぐらいに読んでみました。2010年の第1号(2月発行)。
今日はその読書メモです。線を引いたところを振り返ってみます。==============================▼上野一彦「わが国における特別支援教育の将来」より・learning difference(学び方が違う)という捉え方・2005年度からは 小・中学校だけでなく、
幼稚園などの就学前教育から高等学校にまで
特別支援教育体制は拡大されている。・「通級による指導教室」は、
心の居場所的な「オアシス」から、
そこで力を蓄え、しっかりと通常の学級に翔び立っていける
「カタパルト(発射台)」となること・他校通級は現在60%近く = 利用しにくい。適切さを欠く。・特別支援教育の究極のゴールは、
本人の自立と社会的参加である。・保護者「特別支援をぜひ受けたいと思うが、
通常のクラスのなかで目立たないようにお願いしたい」
という声が圧倒的・「入り込み指導」=米国の「コラボレーティブ・ティーム・ティーチング」(CTT) もっとも保護者から支持されている#僕も、通常学級の中で、特別な支援を必要とする子を支援するほうが
自然だと思います。インクルーシブ教育の流れも後押しして、
これがどんどん加速的に広まっていきそうです。▼シンポジウム
「通常の学級で『特別支援教育』をどう進めるか」・個に応じた配慮・支援を可能にする学級経営と授業づくりが必要 (花熊 暁)・対象となる子どもだけでなく、むしろ学級全体へのアプローチが重要 △ある学級では、授業の区切りがあいまいで、
めあてを明示することもなく 授業が始まってしまう → ハンディのある子が辛い思いをしながら、
「授業や指示の問題」を教えてくれている
と捉えるべきではないか。 ○子どもの視点にたって、子どもが戸惑いがちなことには、
事前に指示を出しておく。 ○遠くから怒鳴るのではなく、子どもに近づいて、
何をどうすれば良いのかを具体的に指示する。 ○ポイントを黒板に図示する。 (伊藤亜矢子)・「あったかクラス作戦~20個の取り組み」 ・授業時間を削らない:授業の中でできるソーシャルスキル・トレーニング ・好意に満ちた語りかけがクラス作りのベース ○とりわけ重要なのは「アイビリーブ」 (例)子どもが、食缶のおかずをこぼしたとき 「先生は、あなたはおかずをこぼさずに運べる子だって
信じてるよ」 ★「怒り」を「アイビリーブ」に転換させる。 ・子どもたちにも、
友だちに「早く宿題を出せよ!」と言う代わりに
「ぼくは早く宿題を出す方がいいと思うよ」
と言うことを勧めた。 (松久真実)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
▽松久先生のこの取り組みの詳細は本になっています!
『発達障害の子どもとあったかクラスづくり』
(高山恵子/松久真実・米田和子、明示図書、1960円)【内容情報】(「BOOK」データベースより)
あたたかい雰囲気のクラスづくりに効果抜群の20の取り組み。
自尊感情を高め合い、まとまりあるクラスをつくるためのアイデアが満載。【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 発達障害の子どもとあったかクラスづくり─環境は人がつくる、言葉がつくる
(「環境」が特別支援教育成功のカギ/「環境因子」を重視したICFとは?
/ICFの発達障害への活用 ほか)
/第2章 あったかクラス大作戦─明日から無理なくできる20の取り組み
(ケンカの芽をつむ「いがいが言葉」撲滅への取り組み
/効果バツグン!叱り方の3段階「森レベル・林レベル・木レベル」
/静かな教室をつくる!サイレントモードでクールダウン! ほか)
/第3章 あったかクラスで育んだ子どもたち
(先生としての私を育ててくれた子どもたちとの出会い
/ほめることでがんばり続けたしんご君
/言語表出の苦手さを乗り越えて司会に挑戦したゆみさん ほか)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
==============================この後も勉強になる実践報告・研究報告がたくさん書かれていましたが、
ブログではここまでにしたいと思います。2010年第1号の中で一番の収穫は、
僕としては松久先生の「あったかクラス作戦」を知ったことでした。実践の詳細が本になっていることは
ネットで調べてわかりました。
読んでみたいと思います。「通常の学級で『特別支援教育』をどう進めるか」は、
昨年のLD学会大会の大きなテーマでしたが、
まさにそこが重要なポイントだと思います。少しずつでも着実に、堅実に前進したいものです。 (^0^)いつも読んでくださって、感謝します!
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