【送料無料】かもめ食堂
ぷくぷくしたかもめたちがのんびりと舞う港町、ヘルシンキ。そこに一軒の小さな日本食堂がある。その名も「かもめ食堂」。
その店の主は日本人の女性サチエ(小林聡美)。そして、食堂のメイン・メニューはおにぎり。見慣れない日本人の女性がひとりでやる店を興味本位に覗く人はいても、客はなかなか来ない日が続く。
メインメニューは「おにぎり」。でもさっぱり人気なし。そんなとき、サチエの前にミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)というふたりの日本人女性が次々と現れ、やがてお店を手伝い始める...。 (楽天ブックスより)
数年前、友人に勧められながら見ることができずにいた映画を、見ました。
静かな日曜の昼下がりに、静かな静かなひととき。
友人が言っていたとおり、大きな事件など何も起こらない映画です。
小さな食堂にやってくる人々との、ゆったりとした時間。
サチコがなぜ、ここにやってきたのか、詳しいことはわからないままです。
彼女のお店に身を寄せるようになる、ミドリやマサコの事情も、わかりません。
けれど、ここでは安心していられる…
白夜の町は、幻想的であり、絵本のようであり、そしてこの上なく確かな時間が流れています。
過去も、この先の不安も、ない。
いまを、丁寧に。作りたいお料理を、清潔なお店で作るだけです。
BGMもかかっていないお店ですが、映画もほとんどの場面に音楽がかかりません。
写ってないけれどやわらかな木材なのがわかる床を歩く靴の音や、やかんでお湯が沸く音、分厚い鋳物のお鍋に木のお玉が当たる音。
生活の小さな音がきちんと聞こえてきて、それがとても幸せな気持ちにさせてくれるのでした。
サチコはじめ、ミドリやマサコが話す日本語も、とてもきれいです。
丁寧に手入れされた食器と、よく似合う人たちだと思いました。
ジュウっと揚がった分厚いとんかつを、木のまな板でシャク、シャク、と切って供される定食や、かわいい形に焼きあげられたシナモンロール。
不思議なおまじないをした香り立つコーヒー。
それから、おにぎり。大きな海苔が巻かれた、三角のおにぎり。
ふつふつと柔らかな湯気が立つように、胸が満たされる映画でした。
原作は群ようこ作です。
【送料無料】かもめ食堂