さくらんぼ剪定
去年のさくらんぼですが、今年もこのくらいなるように、樹の姿を想像しながら剪定作業をしております。さくらんぼの剪定は、ぶどうや桃に比べて決まったカタチが無いように感じます。特に山梨においては結実しにくいので、あまり思い切ってスパっと枝を切り落とさない剪定が多いです。「さくら切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉がありますが、これはさくらの樹は太い枝を切るとそこから枯れこみが入りやすいということですが、さくらんぼの樹も他の果樹と比べて枯れこみが入りやすい傾向があるので、あまり太い枝をバサっと切れません。枝を切ることは芽を切ることで、花芽を切るということは花が咲かないということで、花が咲かないということは実がならないということです。しかし、ただ多く花を咲かせまくれば良いという訳ではなく、玉張りが良く糖度の高い実になる花を咲かせなくてはなりません。その為に樹の勢力のバランスを調整するのが剪定です。色々と剪定の本を読んで勉強をしているのですが、本場の山形とさくらんぼ栽培の南限といわれている山梨では剪定理論は違うでしょうし、同じ山梨でも土壌条件が違えばまた違ってくるので一概にこれが正解!という理論は本に書いてあるものではなく、自分の畑で自分のさくらんぼの樹でつくり上げなければならないなと思います。その為には樹のカタチだけ真似る樹づくりではなく、樹の生理を考え抜いた樹づくり、剪定をしなくてはと考えながら作業しております。難しいですが楽しいです。