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大宇宙ファンタジア☆世界樹☆その19
…生物たちの設計図のバラエティーについて…メモは、あたしよ。 …生物たちの共栄共存について…キロクは、ぼくだよーん。 …人類の心的内容について…は、ほくにまかしてけろ。 …社会の構造・在り方について…イッツ、ミー、トゥー、テイク、ノートs。 …学問について…は、うち、メモするよん。 …科学技術について…は、ぼく。知性体たちー、がんばれー。 …宗教について…は、あたくちのうけもちなんだわさ。 …道徳について…は、あーあ、ねむいにゃあ。 …芸術について…は、おいらさ。えへへ、全員の似顔絵かいちゃった。 知性体たちは、ちょっと前に、念でもって、自分たちの姿を現している。自分の好みの姿である。いいなあ、と、ペンはつぶやく。なにがいいの? ぼうや、と、女性の知性体の一柱がペンに訊く。それは、自分の好みの姿になれること。未来の人間たちは、そうできないもんだから、そのことでひどく悩むの。そう、ペンはこたえる。うーん、それは困ったわね、そのこと、考えておこうネ、と、その知性体の一柱はペンを慰める。 その時、ペンの心は、純粋な幼な子のようになっていたのだった。思わずペンはオシャブリを探した。しかし、その行為は報いられなかった。なぜなら、そんなものはどこにもなかったからである。 ここで、無限天空に声あり。謎めいたその声が言う。 …人間は、つまり、意識の主体は、永遠に転生を続けていくのであーる。 そして、生まれてくる人間は、いろんな容姿をもつのであーる。美も、質の対生成によって、生まれるから、つまり、美も足し合わすとゼロになっているから、そういうありかたしかないのであーる… すると、今度は天空からおんなの子の声がする。茶目っ気のあるかわいいティーンエイジャーだ。おちゃめなオチャッピーといったかんじのこ。 「へーえ、そういうことになってんの? なら、もっとわかりやすく説明してよ」 謎めいたその声がこたえる。 …ちょうど、身長のグラフでクラスみんなのそれ、のように、その美は分布しているのであーる。同時にみんなが美しくはあれないのであーる… 「でも、どうして? どうしてそうなの?」 …それは、こうであーる。 人類がいなかった時代には、人間の美醜はなかった。つまり、足し合わされてゼロのような空のような状態になっていたのであーる。 それが分かれて出てきたのであるから、さっき言ったグラフのように分布するのであーる… 「ふーん、そういう理屈なの。それならわかったつもりになれるよ」 …そして、ある時は、美しい容姿に生まれ、別な時は、まあまあの容姿に生まれ、ほかの時は、美しくない容姿に生まれるのであーる。 そうやって、プラスマイナスゼロになっていくように転生していくのであーる… 「へーえ、転生ってあるの?」 …あるのであーる。人間の脳には、意識の主体という部分があるのであーる。そこがまったく同じ人が、その人の死後生まれてきたら、それは転生なのであーる。そして、絶対に、そういうことが起こり続けるのであーる… 「ふーん。分かったような気はするよ。でも、ほんと?」 …ほんとなのであーる。なぜなら、生まれてくる人間の数よりも、意識の主体の数の方がずっと少ないからであーる。 となると、同じ意識の主体をもった人間が、何度も何度も生まれてくるしかないのであーる… 「ああー、そういうこと。それならわかった気分になれるよ」 …それで、さっきの美醜についてと同じ理屈で、体形についても、同様であーる… 「それは、若いおんなの子にとっては、グッドニュースだよ」 …ふむ。そして、それらについての、その人の満足度、不満度、悩み、悩みのなさ、などについても、同じように、プラスマイナスゼロになるように、感情体験していくのであーる… 「ふーん、そこまでいくわけなの」 …そのほか、人間にかかわることすべてについて、同じように、プラスマイナスゼロになるように体験していくのであーる。からだ、精神的なもの、環境、物質的なもの、そのた、すべてについて、そうなっていくのであーる… 「へーえ、すごいなあ」 …そうやって、プラスマイナスゼロになるように体験しながら、人間は、永遠に転生を続けていくのであーる… 「すごいスケールねぇ。いいこと聞かせてくれてありがと」 …なあに、いいのであーる… それら、天空のふたつの声のやりとりを聞き終えたペンは、 「ふーん、そうなのかあ。そんな仕組みが宇宙にはあったのかあ。 ありがと、ナゾ声の天空びと、おふたりさん」 と言ってにこっとした。 …なあに、いいってことなのであーる。ペンよ… と、天空の声。 「ペンちゃん、がんばってね」 と、おんなの子の声。 「ありがとう。がんばるよ」と、ペン。 …さて、知性体たちが、ちょっと前に、念でもって自分の好みの姿を現したところであった。かれらは宮殿のサミットホールに会している。 「これは、ようこそ…」 「これは、これは…」 「始めまして…」 まだ続く。 「知性体に終わりはなくて…」 by西山浩一(C)(春楽天・世界人) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.08.02 08:06:09
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