1075885 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

考える面白さはこの上なく美味/意識・人間・心・世界・なんでも・霊魂研究/世界は大激動し始めた

考える面白さはこの上なく美味/意識・人間・心・世界・なんでも・霊魂研究/世界は大激動し始めた

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

春楽天

春楽天

Calendar

Recent Posts

241103分:「その30・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241027分:「その29・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241026分:「その28・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241025分:「その27・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241020分:「その26・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241015分:「その25・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241010分:「その24・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241008分:「その23・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
241006分:「その22・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ
240929分:「その21・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ

Archives

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

Freepage List

質の科学・意識・クオリアの研究


クオリアと意識について5(3に含まれる)


クオリアと意識3(意識内容の実体・実態)


クオリアと意識について4(変換/数学)


クオリアと意識について2(脳/変換/意識)


クオリアと意識について1(意識の研究)


意識の主体の個別性は何によるか


「意識」と「意識内容」


クオリア・意識内容の質感について


質の科学・有効な着眼・視点たち


クオリア・シリーズの手抜きと工夫


霊魂はなくてもあっても転生はある整理中


数学の存在から、この世界を読み解く


意識の主体の実体は(その一部)


質の科学の発見に至った過程


霊魂(無し)転生,質時間回帰


意識がないと宇宙はないに等しい


科学的カルマが働く仕組み


科学者の自殺とは


質の科学で世界情勢を考える


仏陀と霊魂


質の科学の発見に至った過程/霊魂はあるか/


心は物質ではない


自分が自分であるのは


考察


空間と時間,質の科学-世界哲学-世界&宇宙観


空間と時間,世界&宇宙観


意識とクオリアについて


デカルト/世界哲学


哲学的アプローチ


数学の存在から、この世界を読み解く


意識とクオリア01


質の科学の検証


質時間とエントロピー


意識とクオリア02


意識とクオリア03


脳の活動の中には「意識」は存在しない?


in脳内,局所的処理情報は不可統合?


意識とクオリア・まとめ1


意識とクオリアの定義とその展開


飽きがくる・質時間回帰


意識とクオリア・まとめ2


意識とクオリア・まとめ3


霊魂はなくてもあっても転生はある?未構成


省いたもの


注目すべき


クオリアと意識、質の科学の概略


原稿;意識とクオリアの研究


心・意識は脳の機能でしょうか?


質の科学と世界哲学


私の研究姿勢


ブログのホームから移転


質の科学・意識とクオリア・心脳問題の基礎


意識、クオリア、心脳問題へのアプローチ


言葉の定義


脳での局所的分散並列的情報処理と変換


対象体験情報本質写像本質脳分散情報処理


人間のすべての活動の抽象的表現など


波動パターンその他、なんでも


日本語の言語文字体系


経済・金融の質時間回帰


保存


質の科学・質時間回帰則の検証


質時間回帰


運命破りのパラドックスなどの考察


印象メモ;知性の器とニューロンの発火


印象メモ;情報処理とニューロンの発火


抜粋;心脳問題のポイント


最新稿のガイド


研究姿勢、思索方法、について


質時間回帰2


心脳の工学的構造


整理 削除したものなど


保存


霊魂はなくてもあっても転生は在?未構成2



考えてみましょう霊魂のことを


進化を統計で扱って


心脳の工学的システム設計研究の進展状況


哲学について、など


なにゆえに世界は1~8


混沌・誤解・曲解の海


自発性、自由意志、その他、について


新格言・ヘビに靴


自発性・自由意志などについて


論理とは何か


宗教と科学1~2


翻訳による誤解


心脳工学・意識の科学・意識工学・精神


質時間・質時間回帰


文章


メモ


つぶやき002


つぶやき003


雑文メモ


プロフィールの欄コピー


研究にかかわるつぶやきそのほか


「定義と名づけ方から見えた展望」


そのほか


そのほか2


テンプレート


アフィリエイト試し


Category

カテゴリ未分類

(9252)

春楽天の テーマコーナー

(0)

予想

(0)

新しい

(1)

(0)

new

(0)

new2

(0)

new3

(0)

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
2024.10.26
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
241026分:「その28・ブーミン‐ヒッポ物語り」・・プラス「幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ」・・プラスさまざまいろいろ




230506分:XX200「この世界のすべてを理解するための一試論」~「原初生物の発生(誕生)と進化」についての一考察」+「脳には情報を統合する機能はない」+「無限関連」+さまざま:継続中「質・クオリアの科学(仮説)~心脳科学(仮説)~世界哲学」


「この世界のすべてを理解するための一試論」~「原初生物の誕生と進化」についての一考察」~「脳においては、情報はキレギレ-バラバラな形態で扱われ、脳にはそれ(ら)を統合する機能はない」+さまざま


+「宇宙は永遠につづいていく・・宇宙が終末を迎えても(過去のと今回のが)次の宇宙が生まれる・・それが永遠につづいていく」なる追究の一部・・

題して「無限大と無限小と反転」+さまざま」・・・(でいいかな? )」



・・・「手を入れた○(X付きは「手を入れた」に同じ・・長いと困ることがあるのでそうしたナリス・・・)形式の記事について言えば、表題が変わった時点で読むと、読みやすくなるでせふ(途中で上略をなすこともアールスが)・・・



……筆者はブログを多数もっているので、時間の関係でコメントに返信できません…悪しからず……



筆者がネット上に書いてゐる(載せてゐる)記事sの多くは、主要な言語sにおいては、翻訳されておるようじゃす。
その翻訳は大変そうじゃす――さらに加筆形式になると翻訳も読むことも大変じゃろうす――しかるにできるだけ早くアップロードした方がよいでせふと筆者は考へておるのじゃす――。
特定の専用ソフトを用いれば、そこらの困難は大きく減じられることは周知じゃろうす。
で、一応仕上げたら(とゐってもさらに加筆していくじゃろうすが)告知しませふ(これは過去にも書きもうした)。

(――筆者が書いている記事sは、書きなぐりのようなものであって、どれもが不完全であり、これからも加筆と訂正をつづけていきもうす――
――それと・・・学校で学んだ内容以外については、本スレッドの論などを研究するのに必要な程度(かそれ以上)の習得しかしていないのじゃす。なにもかも知っているなどということは全くありもうさん)。

・・・筆者の研究とウェブへのアップロードも極めて大変じゃす。
しかるに、筆者は苦しひながら、やり甲斐・生き甲斐を感ずるのでさういふことを続けておるのじゃす(――本スレッドなどの記述量は膨大なので、読み返すことも大変であり、重複や間違い、いいかげんなところ、加筆修正すべき個所sも多いでせふが、そこらについてはご了解あれかし――)。
・・・ともあれ、筆者が英訳せずとも済み、ありがたひことじゃす。よき時代になりもうした。
それらをぜひ有効・有意義に活用してくだされ。


(――ちなみに・・・、筆者は警察と連絡を取りあっているのである――)


・・・過去に、心脳科学(仮説)の概要を、英訳していたのだが、主要な言語sにおいて、翻訳されていた・いるとなれば(ありがたいことに「ブロックチェーン的になる」)、翻訳の必要がなくなったので、その英訳を途中までで打ちきっているのじゃすた・・・



本スレッドには、心脳科学(仮説)本体の一部、質の科学(仮説)、世界哲学などと、それらに関連した内容を載せておりもうす。
本スレにある設問シリーズは千差万別じゃす。
「運命のノートシリーズ」も書いてありもうす。
「チャプター加筆形式」の記事シリーズでは、これがチャプター#3じゃす。

「チャプター加筆形式」の記事シリーズとしては、#1~#2~#3のほかにも、膨大な文章を書いている(3月25日’18・今加筆中の#3は、#882である)

筆者は、このシリーズをいつ書かなくなるかわからないので――人間はいつ死ぬかわからない、という意味をも含めて――すべての人間が、なんにおいてもそうじゃす――、メモのような書きつけをも載せておきもうそう。
(・・・付記・・「転生はある、といった文章を読んで納得して自殺することは禁じられておりもうす・この世界の法則の実態によって(既述)」・・・)






毎日あちこちに加筆しているのじゃすが・・・
さて、今回は・・・
1月13日'18・の分が膨大じゃすたので、読んでいる・翻訳している方々が消化不良を起こさなひように、少し載せることにしませふ・・・といっても大量に載せることもありもうすが・・・





グチを一言・・・
読み返さず新しい内容を書くことはかなり気楽にいけるんだが、本文を読み返して加筆やら推敲をなすことは、意欲と調子がでてノリノリの状態にならないときわめてむずかしいケースがかなり多い。
筆者の得意技の寝ぼけたような心脳の状態では、そういったことは大変だ。そういうばあいはうんざりすることもけっこう多い。自分で好きでやっているにもかかわらず「これを読み返して手を入れるのか。いったいなんの罰ゲームだ! 」といったところである(笑)。


・・・つひでに・・・
筆者は、ウェブ上に載せる文章も、だいたい一発殴り書き、がほとんどで、読み返して加筆訂正することはまずはないままに、載せている、という実態にありもうす。
加筆訂正推敲はそのうちやろう、ということなんじゃらす(その後からそれらをなすこともある程度ある)。
それでなければ、筆者の身体も頭も、もたない、といったところなので、ご了承あれ。
何も書かないよりはマシだと思し召しあれかし。




241026の分

(あちこちに加筆したナリス)

さて、今回、その28・おふざけ小話2にいってみよう・・・

題して「28・ブーミン‐ヒッポ物語り」


・・・おお、なんか妖精みたいなのがやってきた、その独白が始まるゾ・・

おいら、ブーミン‐ヒッポっていうんだ。
元々の名前は「MUー民‐ヒッポ」っていっていたんだ。
なんでかっていうとさ、おいら、かのムー大陸の民にして妖精だったからなのさ。

ヒッポっていうのは、カバのことなんだ。
おいら、カバに似ていたし似てるから、そんな名前になったのさ。

その当時も今も、おいらに向かって、「逆立ちしてごらん」という者たちがいたしいるってことには、おいらはどうしても腑に落ちないんだ・・だってさ、馬と鹿がかわいそうじゃないか・・あほほほほ・・・


さて、なんでおいらの名前がそんな風に変わったのかというと、こうなんだ・・

おいらが、ある時、ムー大陸の野原を散歩していたら、キラメク流れ星が落ちてきて、おいらの足元30センチぐらいのところに落ちたんだ。

おいらは、「わ~~っ」と叫んで、立ち止まったのさ。

で、よく見ると、その落ちたものは、コンペイトウそっくりで、いやコンペイトウそのものだったんだ。

そこでおいらは、そのコンペイトウを拾って食べてみたのさ。

その美味しいこと美味しいこと、ホッペタが落ちてアゴがハズレテ舌が跳びだした、ってほどの美味さだったんだ。

そいでもって、そのあといくらか経つと、おいらは、スサマディックおなかがへったんだ・・おなかがペコちゃんになったのさ。

それからというもの、オイラは食いしん坊になったんだゼ。

食事の時やオヤツのときには、食って食って食いマクールようになってしまったんだ。

その結果、オイラの体重は増えマクールことになったってわけさ。

そういうわけで、おいらは、自分の名前を自ら「MUー民‐ヒッポ」から、「ブーミン‐ヒッポ」に変えたのさ。

ここで、新しいことわざが生まれたのさ・・「ブタミンを摂りすぎると太ってブーミンになる」っていうことわざさ。

自分で自分の名前をカッコワルく変えるってのは、勇気がいることなんだゼ。

・・・あはははは、おいらって、なんて健気でカッチョイイ妖精なんだろう・・あほほほほ・・・


・・・ブーミンの独白が終わった。


・・・さて、ブーミンは、今や、日本の街を歩いている。

すると、子どもたちが
「あ、ムーミンだ」
「あれれ、ムーミンがいる」
「わあ、ムーミンがいるよ」
などと口々に叫んで、ブーミンのところに寄ってくる。

その中の一人が
「ムーミン、あそぼ!」
と、興奮を隠しきれずに叫ぶ。

ブーミンは
「おいら、ムーミンじゃないよ。おいらはブーミンっていうんだ」

子どもたちは
「ブーミンだって?」
と大笑いを始める。

ブーミンは
「そうなんだ、おいら、ブーミンなんだよ」

子どもの一人が
「でも、あんたはムーミンそっくりじゃないか」と叫ぶ。


・・・そこに、若い女性がやってくる。

その女性は
「あらっ、ブーミン‐ヒッポ、あたし、ブーミンを初めて見るわ。それにしてもあんた、ムーミンにそっくりね」

ブーミンは
「なんで、おいらの名前を知ってるんだい?」と訝る。

その女性は
「さっきのさっき、あんた演説みたいなのをやってたでしょ。あたし、それを聞いていたのよ」

ブーミンは
「ありゃりゃ、聞かれてたのかあ」

彼女は
「ブーミン‐ヒッポに、逆立ちしてごらん、なんてあたし言わないからね」

ブーミンは
「あははは、おいら、逆立ちは得意なんだ」

彼女は
「あははは、馬と鹿がかわいそうだから、逆立ちはしない方がいいわよ」

ブーミンは
「あははは、やられた。
ところでさ、フィンランドにムーミンっていう妖精がいることは知ってるんだけどさ、そんなに似てるのかい?」

その女性は
「そっくりよ。
あんた、ムーミンそのものじゃないの」

ブーミンは
「ふーん、そうなのかあ。ところで、あんたの名前はなんていうのさ?」

その女性は
「あたし、スオミっていうのよ」

ブーミンは
「スオミだって? それって、フィンランドのことじゃないか」

スオミは
「そうそう、そうなの。でもよく知ってるわね、そんな特殊なこと」

ブーミンは
「そりゃそうさ、気になってムーミンのこと、調べたことがあるからね」

スオミは
「そうなんだ。
スオミっていうのは、森と湖の国っていう意味なの。あたし、スオミ出身なの。それで、名前もスオミなの」

ブーミンは
「あんた、森と湖さん、ってとこだね」

スオミは
「そうそう、そうなのよ。
ところでね、ブーミンにご馳走してあげるから、あたしのおうちに来ない?」

ブーミンは
「わあ、うれしいなあ。おいら、おなかがペコちゃんなんだ」

スオミとブーミンは、彼女の住みかに行く。

ダイニングルームでスオミは
「ブーミンちゃん、あんたどんなブタミンがいいの?」

ブーミンは
「あははは、全部聞かれてたんだなあ。
あのさ、白ご飯にトトロ汁をかけて、その上に卵をのっけたのを食べたいなあ」

スオミは
「トトロ汁? なにそれ?」

ブーミンは
「あのさ、ムー大陸の山にいくと、トトロいもっていう美味しいのが生えてて、それを掘りだして、家まで持って帰るんだ」

スオミは
「へええ、トトロいもねえ。それをどうするの?」

ブーミンは
「まず水洗いして、皮をむいて、それから、オロシガネですりおろすんだ。
それが、トトロトトロしていて、美味しいのさ」

スオミは
「えっ、トトロトトロねえ。こっちの言葉では、トロトロっていうのよ」

ブーミンは
「へえ、そうなのかあ。でも似たような感じじゃないか。
それを、さましたまたは冷やしたスープにいれて、卵もいれて、よく混ぜるんだ」

スオミは
「それって、ヤマイモの類でしょ。トロロいもとも言うわね。
こんなイモでしょ。いろんなのがあるわよ」
と言って、スマホで、いろんなヤマイモの類の写真を見せる。

ブーミンは
「あ、これこれ、そっくりだなあ」
と言って、ひとつの写真を指さす。

スオミは
「あははは、やっぱりね。
それでね、日本には、トトロっていう、森の妖精みたいな子がいるのよ」
と言って、写真を見せる。

ブーミンは
「へええ、そうなんだ。
トトロって、ブタミンを摂りすぎて、ブーミンみたいにふとっちゃったのかな」

スオミは
「あはははは、ブタミンを摂りすぎると、ブー民になっちゃうのかもね。トトロについてはそこのとこは知らないけど。
でもね、トトロをすりおろしても美味しくないわよ」
と言って笑う。

ブーミンも笑って言う
「それから、そのできあがったトトロ汁を、白いごはんにかけて、その上に卵をのせて、それから、緑の葉っぱを小さく刻んだのを振りかけて、食べるんだ。ムー大陸には、野菜や野草や樹の葉っぱに、柔らかくて香りがいいのがいろいろあるんだ」

スオミは
「なるほどね。こっちでは、トロロ汁っていうんだけど、ムー大陸にも、似たような料理があったってわけね。オモシロイわね」

ブーミンは
「そこに真っ白なネコがいるね。尾も白いネコだね」

二人して笑う。

スオミは
「この子は、シロッピーっていうのよ。おいで、シロッピー」

シロッピーは、ニャオンと鳴いてスオミのところにやって来る。

スオミは、シロッピーを撫でる。

ブーミンもそのネコを撫でる。

スオミは
「それじゃあ、トトロ汁をつくってあげようか」
と言って笑う。

ブーミンも笑う。

ブーミンはシロッピーと遊ぶ。

ネコじゃらし的なオモチャがいろいろあるので、ブーミンはそれらを使って夢中になってネコと遊ぶ。


・・・数十分が経つ・・・


スオミが
「ブーミンちゃん、できたわよ。テーブルにおいで」

ブーミンは
「わ~い」と返事をして、テーブルに行く。

シロッピーもついてくる。

三人はテーブルにつく。

シロッピーも椅子にのる。

ブーミンは
「わ~、美味しそうだなあ。
ムー大陸の頃を思いだすよ」

スオミは
「ムー大陸か、いいわね。
さあ、食べなさい、ブーミンちゃん」

ブーミンは、いただきま~す、と言って食べ始める。

ブーミンは
「美味しいなあ。久しぶりにトトロ汁を食べるよ。うまいっ!」
と言ってパクつく。

スオミは
「それはよかった。うんと食べるのよ」

シロッピーにも同じのが用意してあって、それを食べる。

ブーミンは
「あれっ、シロッピーも同じのを食べてる。かわったネコだね」

スオミは
「あははは
シロッピーは、シッポも白いネコで、あたしが食べるものなら何でも食べるのよ」
と言ってさらに笑う。

ブーミンも笑って
「シロッピーって、スーパーにゃんこだね」

シロッピーが
「にゃおん、にゃおん」と声をあげる。

二人は大笑いを始める。


・・・食事が終わって、いくらか経った・・

スオミが
「ブーミンちゃん、あんたどこに住んでるの?」

ブーミンは
「おいら、日本に来たばかりで、住むところがないんだ」

スオミは
「じゃあ、ここに住んでもいいわよ。
あたしは、シロッピーと二人暮しなんで、つまり一人暮らしだから、面白いブーミンが居てくれると、うれしいんだけどな」

ブーミンは
「わーい、ありがとう、スオミ」

・・・ということで、ブーミンはスオミのところにやっかいになることになった。


・・・何日かたって、
スオミが
「ブーミンちゃん、あんた、なんかやりたいことはないの?」

ブーミンは
「ウナギ釣りをして、ウナギのバカ焼きをつくって食べたいなあ」

スオミは
「ウナギのバカ焼き? なにそれ?」

ブーミンは
「あのね、ウナギをさばいて、バカ焼きにするんだ。
ムー大陸にはバカヤローっていう樹があってさ、ウナギにタレをつけて焼くと、そのでき上がりの見た目が、バカヤローっていう樹の木肌にそっくりなんだ、その樹の皮の見た目とそっくりなんだ。
だから、ウナギのバカヤロー焼きっていうんだけど、長すぎるから、普通はウナギのバカ焼きっていうんだよ」

スオミは顔中口だらけにして大笑いする・・口はひとつなんだが、スオミはスサマディック器用なんだろう。

ブーミンは怪訝な表情で
「なんで、そんなに笑うの?」

笑いを納めたスオミは
「ブーミンちゃん、あんた、バカっていう意味を知ってるじゃない・・カバが逆立ちすると、どうのこうの、って言ってたじゃない」

ブーミンは笑って
「あ、そうか、ムー大陸の言葉とこっちの言葉を区別することができなかったんだよ」

スオミは笑って
「じゃあ、今度、ウナギをとってきて、ウナギのバカ焼きをつくりましょ。
こっちでは、ウナギのカバ焼きっていうのよ・・その名前のいわれについては、いつか教えてあげるね。
あははは」

ブーミンは
「そうなのかあ、あははは」


スオミは
「ところでさあ、ムー大陸ってどんなところなのかしら?」

ブーミンは
「あのね、ムー大陸って、日本の南に実際にあったんだよ」

スオミは
「今ではそんな大陸はないじゃない」

ブーミンは
「そうなんだけどさ、今でも日本のはるか南にはいろんな島々があるじゃないか。
そんな島々は、元々はムー大陸の一部だったんだ」

スオミは
「へええ、そうだったのかもね。
それで、ムー大陸はなんで今はないの?」

ブーミンは
「天変地異が起こって、ムー大陸は海に沈んでしまったんだ」

スオミは
「それって大変なことじゃない」

ブーミンは
「そうなんだよ。
大変の最上級だったんだよ」

スオミは
「今現在、日本はなんかブッソーになってるけど、天変地異はこれからどうなっていくのかなあ?」

ブーミンは
「さあ、どうなのかなあ?
そんなこと、オイラにはわからないよ」

スオミは
「ブーミンに読んで欲しい凄い本が十冊ぐらいあるんだけど、メンドクサイから、言わないでおこうね」

ブーミンは
「なんともイミシンな言い方だね」

スオミは
「あはははは、そうなのよ。ウナギのバカ焼きのバカヤローはなんとかかんとか、って話しもはいってるんだ」

ブーミンは
「ふーん、それはいいね。
そうそう、バカヤローっていう樹のあるムー大陸ってところは、スバラシイところなんだ、凄いんだぞ」

スオミは
「へええ、どんな風に?」

ブーミンは
「あのさ、みんなしてそのおかしな樹をやっつけたんだ。そいでもって山がきれいになったのさ。
おまけに気候もよくて、緑豊かで、水もたっぷりあって、海にも川にも魚なんかがたくさんいて、美味しいものがたくさんあって、地上の楽園ってとこなのさ」

スオミは
「ふーん、そんないいところがなんで沈んじゃったの?」

ブーミンは
「ムー文明が永くつづきすぎて、人びとは驕りたかぶり、つまり人びとの心がおかしくなったんだ。ムーの文化も文明も捻じ曲がっていったんだ。
どっちが先かといったら、同時進行でそうなったんだ」

スオミは
「ふーん、過去のどんな文明もそういう経過を辿った、っていうことは、歴史が証明してるわね」

ブーミンは
「ふーん、そうなんだね。
それで、ムーの社会が乱れに乱れたんだ」

スオミは
「過去のすべての文明もそうなったわね」

ブーミンは
「そいで、あちこちで大喧嘩千層が起こったのさ。さらには沢山の確信電信柱がドンドコドンドコドーンでムー大陸のあちこちにドデッカイ茸が沢山生えたんだ」

スオミは
「うーん・・やっぱりね」

ブーミンは
「それ以前から天候がおかしくなってて、暴風雨が吹き荒れたり、洪水が多発したり、めちゃくちゃカミナリが発生したり、夏に雪が降ったり、イナゴが異常発生したり、日照りがつづいたりで、作物の育ちがすごく悪くなったり、家畜や魚や鳥たちもどんどん減っていったんだ」

スオミは
「どんな文明もそんな経過を辿るみたいね。怖い話しね」

ブーミンは
「さらに、火山の噴火と地震が頻発するようになったのさ。人びとの病気も凄かったんだ酷かったんだ、甚造美容原ビーナスがバラマカレテいろんな病気に見舞われたのさ。麺液力もメチャクチャにされたんだ。おまけにいろんな違反駐車も頻発して恐ろしい事故だらけになったんだ。さらについに、地割れが頻発するようになって、ムー大陸は沈んでいったんだ」

スオミは
「なんて怖い話しかしら」

ブーミンは
「ほんとに怖かったよ。
でもおいらは妖精だから、なんとかきり抜けることができたのさ」

・・・次の日・・

ブーミンが
「スオミ、何日か前話したとおり、ウナギとりにいこうよ、それからウナギのバカ焼きを作ってたべようよ」

スオミは
「あははは、ウナギのバカ焼きねえ。
その時、こっちでは、ウナギの蒲焼きっていうって話したでしょ。蒲焼きっていう名前の由来をいつか教えてあげる、ともあたし言ったわね」

ブーミンは
「うん、そうだったね。
おいら、カバに似た妖精だから、カバヤキのカバってとこに強く反応したんだ」

スオミは
「あはははは。カバを焼いたのに似てるってことじゃないのよ。
こっちではね、昔のむかしは、ウナギを縦に串刺しにして、丸焼きにしてたんだって。
その見た目が、ガマっていう植物の穂ににているし、ガマはカバともいうから、ウナギの蒲焼きっていう名前になったんだって」

ブーミンは
「わあ、よかった、安心したよ」

スオミは
「じゃあ、近いうちにウナギを捕りにいこうね」

ブーミンは
「うん、早くいきたいな」

スオミは
「ムー大陸では、ウナギの捕り方にはどんなのがあったの?」

ブーミンは
「三種類ぐらいあったんだ。
まず第一に、竿と細い紐と釣り針とエサで普通に釣るんだ」

スオミは
「それってこっちのと同じね」

ブーミンは
「だろうね。人間のやることは大昔から変わらないからね」

スオミは
「そのとおりよ。
さっきの話しで、人びとの退廃と文明の崩壊が起こってあとどうのこうのってとこも同じことになるでしょうね」

ブーミンは
「だろうね。そうならないよう祈ってるよ」

スオミは
「祈りで阻止できるような事態じゃないと思うんだけどね」

ブーミンは
「それはそうだと思うけど、自分の心の健康のためにも祈ることはいいことだと思うよ」

スオミは
「それってほんとだと思う。ブーミン、いいこと言うじゃない。
それから、超人的な人の祈りは、凄いんだっていう話しもあるにはあるわね」

ブーミンは
「あははは、ありがと。
そんな超人にもそんな事態は止められないだろうね」

スオミは
「うんうん、もの凄い超人でもそこまでの力は発揮できないでしょうね」

ブーミンは
「うん、そうだと思う。
それでさ、ウナギを捕る二つ目のやり方なんだけどさ、釣り針とエサをつけた釣り用の細い紐と細長い竿の組み合わせのをウナギのいそうな穴に入れて釣るのがあったんだ」

スオミは
「こっちでも、同じやり方があるのよ」

ブーミンは
「あと、ウナギは長い筒に入る習性があるから、それを利用した筒でウナギがはいったら逃げられないようなシカケにしたので捕まえる、っていうのもあったんだ。中にエサをいれたりもしたんだ」

スオミは
「全く同じね。こっちにもそんなのがあるわよ」

ブーミンは
「やっぱりね。そうだろうね」

スオミは
「どのやり方でウナギを捕る?」

ブーミンは
「そうだなあ。普通に釣るやつでいきたいな」

スオミは
「OK、あたしが全部準備しといてあげるね。釣り場所まで探しとくからね」

ブーミンは
「わーい、ありがと、スオミ。おいら釣りも大好きなんだ」

スオミは
「それじゃあ、三日後に釣りに行こうね」

ブーミンは
「うん、ありがとう」


・・・三日後・・

二人はウナギ釣りの一式をいくつかもって、川に出かける。

二人は釣りの準備をし始める。

ブーミンは
「このエサ、変わってるね」

スオミは
「これはね、魚肉ソーセージの細いのなんだ。常温で何か月も保存がきくし、安いし、気楽に手で扱えるし、食べたくなったら自分で食べればいい、っていうスグレモノなのよ。ぐちゃぐちゃしたエサを扱うのが苦手な人にはモッテコイなのよ」

ブーミンはその魚肉ソーセージを食べてみるではないか・・
「うん、なかなか美味しいね。これがたくさんあれば、それと飲める水もあれば、どこかで遭難しても、生き延びられそうだね。アキがきても食べればいいんだからね」

スオミは
「それはいい着眼ね。ブーミン、なかなかいいこと言うわね」

ブーミンは
「おいら、ムー大陸の最期あたりで、食べ物にも困ったんだ」

スオミは
「あ、そうか、それって自分の体験からでた考えなんだね」

ブーミンは
「そうなんだ。そんな時、食べ物を得ようと釣りをするのもなかなか大変だったんだ」

スオミは
「それじゃあ、これから先を予想して、一番長く保存のきくソーセージをたくさん買っておくのもいいかもね」

ブーミンは
「うんうん、そうだね、賛成!」


・・・さて二人はウナギ釣りを始める・・

・・・いくらか経って・・
スオミが
「うわっ、きたきた! 何かが食いついたっ」

スオミが釣り上げたのは、ウナギである・・それも大ぶりのやつである。

ブーミンは
「うわっ凄い、スオミって釣り名人か、超能力者のどっちかだね」

スオミは
「あははは、その両方なのよ」

ブーミンは
「あははは、それ、信じるよ」

そのあと、ブーミンの竿にもウナギがかかり、スオミのにもかかる。

二人で合計十匹のウナギと、その他の魚たちを釣り上げたのでアール。

「大漁だあ、大漁だあ」
と二人して叫ぶ。


・・・さてスオミのスミカで・・

スオミが
「ブーミンは、ウナギのバカ焼き作れるの?」

ブーミンは
「もちろんさ。おいら得意なんだ」

スオミは
「どんな物が要るの?」

ブーミンは
「キッチンと、タレと、庭で炭火で焼くための一式だよ・・串もだよ」

スオミは
「OK、じゃあ、準備してあげるね」


・・・さて準備は整った・・

ブーミンがウナギを捌き始める。

スオミが
「あらら、ブーミンちゃん、うまいじゃない」

ブーミンは
「えへへ、ムー大陸では、よくやってたからね」

・・・ブーミンは全部捌き終える。

スオミは
「これがタレよ」
と言って、手渡す。

ブーミンはその味をみてみる
「ふーん、これがこっちでのタレなんだ。なかなか美味いね」

スオミは
「ムー大陸のと比べてみてどう?」

ブーミンは
「風味が全然違うけど、どっちも同じくらい美味しいよ」

スオミは
「さあ、庭で炭火で焼けるようにしてあるから、始めなさいね」

二人は庭にでる・・・

ブーミンはウナギを串にさし焼き始める。

・・・あたりに煙が流れる・・

ブーミンは
「うーん、いいニオイだなあ・・ウナギのバカ焼きにして蒲焼きだ」

スオミは笑いだす。

ブーミンも笑う。


・・・でき上がったウナギのバカ焼きを室内に持ち込む。

スオミが食事の準備をする。

ドンブリに白いご飯をよそい、ウナギのバカ焼きをのせる。

スオミは
「山椒がないから、黒胡椒で代用ね。黒胡椒で充分おいしいんだから」
と言いながら、黒胡椒をウナギにふりかける。

ブーミンは
「山椒って何? 黒胡椒って何?」

スオミはスマホで映像を見せながら説明する。

ブーミンは
「このスマホ、ニオイがでないんだね。香りを知りたいよ」

スオミは笑いだし
「あははは、ムー大陸にはニオイのでるスマホかなんかあったの?」

ブーミンは
「こんなスマホに似たアイテムがあって、ニオイもちゃんとでたんだ」

スオミは驚いたようすで
「へ~え、それは凄いわね。こっちにはそんな物ないわよ」

ブーミンは
「文明文化的には、ムー大陸もこっちも同じぐらいなんだけどな」

スオミは
「そうなんだね」
と言いながら、サラダと味噌汁をならべる。

そこにシロッピーがやってきて、専用の椅子にのる。

ブーミンは
「シロッピーはちゃんとようすを見てるんだね」
と言って笑う。

三人のウタゲが始まる。

ブーミンは
「美味い、美味しい、黒胡椒の香りもなかなかいいね。
これに似た香辛料は、ムー大陸にもあったよ」

シロッピーが
「ずずずず~びちゃびちゃ~」と音を立てて味噌汁をすする。

スオミは笑って
「いつもこうなのよ、スープの類だとね」

ブーミンは
「シロッピー専用の容器を作ってあげるといいよ。
それにしても、味噌汁っておいしいね」


・・・次の日・・

スオミが
「ブーミンちゃん、今日は何しようか?」

ブーミンは
「あのさ、豆腐を作ってみたいな」

スオミは
「豆腐ねえ、お店に行けば買えるじゃない」

ブーミンは
「それはそうなんだけどさ、店に売ってないのを作りたいんだ。
ムー大陸でつくってたやつをね」

スオミは
「それってどんな豆腐なの?」

ブーミンは
「あのね、ムー大陸では、だいたい4種類の作り方があったんだ。
1番目は、こっちの豆腐と同じやつ。ニガリか凝固剤を使うんだ」

スオミは
「2番目はどんなの?」

ブーミンは
「あのさ、豆乳を固めるのに卵を使うんだ。よくかき混ぜて蒸すのさ。中にいろんな具材を入れたりもするんだ」

スオミは
「それって美味しそうねえ」

ブーミンは
「うん、おいしいんだ。
3番目は寒天で固めるのさ」

スオミは
「なるほどねぇ。それも美味しそうじゃない」

ブーミンは
「うん。4番目はゼラチンで固めるのさ」

スオミは
「それもいいわね」

ブーミンは
「あのさ、普通の豆腐だと、栄養のある水分がかなり出ちゃうから、その分栄養的には劣ってしまうんだよ。
あとのやり方だと、そういうことがないのさ」

スオミは
「うんうん、そうなるわね」

ブーミンは
「今回は、2番目の卵を使うやつでいきたいな」

スオミは
「あたしも興味がでてきたわよ」


・・・次の日・・

スオミが
「ブーミンちゃん。その面白豆腐を作りましょ。
具材具類は何にする?」

ブーミンは
「あのね、キノコのおいしいやつと、トトロいもと、魚、栗、ウニ、柔らかくて香りのいい葉っぱ、そんなとこかな」

スオミは
「あらあら、美味しそうね。
それじゃあ、あたしも具材具類を考えて入れるわね。
二種類作ってみようね」

ブーミンは
「それいいね。賛成」

スオミは
「大豆から豆乳を作るのはメンドウだから、豆乳と具材具類を買ってくるわね」

ブーミンは
「うん、一緒に行くよ。そうしよう」


・・・二人は買い物に行く
・・ブーミンは変装している
・・フィンランドの妖精に間違えられるのを避けるためだろう
・・なぜなら、ブーミンが外にいると、そうまちがえられて人々がキャーキャー言いながら寄ってくるから・・

・・・買い物が済んで二人はスオミのスミカに戻る
・・ブーミンは、キャーキャー言われなくてホットしているのかもしれない。

変装したブーミンを見て、シロッピーが「にゃおん、にゃおん」と吼えながら?、ブーミンに寄ってくる・・

スオミもブーミンも笑う。

ブーミンは変装を解く。

スオミが
「じゃあ、始めましょ」

二人は豆乳に卵をいれよくかき混ぜ、それからそれぞれが選んだ具材具類をトウニュウする。

それから、ダシを入れ、塩を少し入れる。

ブーミンが
「おいら、薄味がすきなんだ」

スオミは
「あたしも同じくよ。
それにしても、これって茶碗蒸しに似てるわね」

ブーミンが
「茶碗ムシ? それって茶碗に虫を入れるの?」

スオミは笑いだし
「違うの。蒸し、っていうのは、熱い水蒸気と湯気で蒸すことなのよ」

ブーミンは笑いながら
「そうなのかあ・・虫っていえば、ムー大陸ではハチの子を調理して食べてたんだ。栄養があって、健康にいいって言われてたんだ」

スオミは
「同じね。こっちにもそんなのがあるわよ。ハチの子は美味しいわね」

ブーミンは
「やっぱりね。人間のやることはどこでも似てるんだね・・と言ってもおいらは妖精だけどさ」

スオミは笑いながら
「ブーミンは人間みたいよ。
それにしても、これって、ムー大陸の茶碗蒸しってところね。
それでさ、次回作るときは、ハチの子を入れようね」

ブーミンも笑いながら
「うん、賛成。
それにしても、茶碗蒸しっていうのはムー大陸のこういった豆腐そっくりなんだね。やっぱり人間のやることは、似たようなことになるんだね」

スオミもブーミンも笑う。

シロッピーもヨダレを垂らしながら?「にゃおん、にゃおん」と声をあげる。


・・・さて、二人はムー大陸式豆腐を蒸しあげた・・

スオミとブーミンはテーブルにそれらを準備する。

スオミは
「ブーミンちゃん、これに合わせるのは、ご飯、パン、麺、のどれにする?」

ブーミンは
「あのね、これにはこっちのウドンが合うと思うんだ」

スオミは
「ふーん、ウドンねえ、合うかもね」
そう言って加熱したウドンをもってくる。

さて、ウタゲ(宴)の準備が整った。

もちろん、シロッピーの分まで準備された。

シロッピーが「にゃおんにゃおん」と歌いながら専用の椅子に跳び載る。

・・・それにしても、飼い猫ってのは、気楽で衣食住に困らず、悩みもなく、身のまわりの世話をされて、恵まれすぎた生き物でアール・・この先どうなるんだろうか・心配だ・・

三人のウタゲ(宴)が始まる。

ブーミンが
「美味しい美味しい」と言いながらパクつく。

スオミも
「美味しいわねえ・・
ブーミンちゃん、あんたのとあたしのと、どっちが、より美味しい?」

ブーミンは
「どっちも、同じぐらい美味しいよ・・
これは何?」
と言って、具材の一つを摘まみあげる。

スオミは
「それはハンペンと言ってね、魚とトトロイモなんかで作った物なのよ」

ブーミンは
「へえ、そうなのかあ、美味しいね」

シロッピーが
「にゃおんにゃおん」
と声をあげる。

二人は笑いだす。


・・・翌日・・


スオミが
「ブーミンちゃん、なんか面白い計画はないかしら」

ブーミンは
「あのね、ムー大陸にはスンゴイ伝説があったんだ」

スオミは
「あはは、どんなふうにスンゴイの? どんな伝説?」

ブーミンは
「あのさ、ムー大陸には世界樹っていう樹が生えていて、その樹とともにいろんな霊魂を祭ると、ムー大陸は安泰だ、っていう伝説なんだ」

スオミは
「ふーん、それって、ムー大陸がおかしくなってヒドイことになった時に流行って、そんななんやかんやが始まったんでしょ?」

ブーミンは
「スオミってやっぱり超能力者なんだね、そのとおりなんだ」

スオミは
「日本もこの世界全体もメチャクチャ酷いことになってるから、あたしもなんとかならないかなあ、って思ってるから、それぐらい思いつくのよ」

ブーミンは
「そうかあ、そういえば、日本もブッソーでヒドイことになってるね。街にでると、おいら、それを実感するよ」

スオミは
「そうそう、ブーミンって、なかなか感度がいいのね」

ブーミンは
「あたりまえさ、おいら感度バツグンの妖精なんだからね」

スオミは
「あははは、感度バツグンの妖精ねえ、面白い表現ね」

ブーミンは
「それでさ、その世界樹ってのは、ムー大陸で一番樹齢が永く、つまり一番古い樹ってことだったんだ」

スオミは
「それってありうるのカモね、それで、樹齢の永い樹探しが始まったんでしょ」

ブーミンは
「そうなんだよ、スオミも凄く感度がいいじゃん」

スオミは
「あははは、ブーミンが来てから感度バツグンになったのカモね」

ブーミンは
「あははは、それでね、そんな樹は、根っこをトンデモナク深く広く張り巡らせているから、スサマディー力をもっている、って言われてたのさ」

スオミは
「うんうん、こんなスサマディディックヒドイご時世だから、日本にある世界樹を探しだして、その世界樹の周りでさまざまな神霊や霊魂を祭るといいのカモね」

ブーミンは
「それそれ、おいらの計画ってのは、そのことなんだ」

スオミは
「日本にある一番樹齢の永い凄い樹っていうのは、あたしの知ってる限り、屋久島にある縄文杉ね」

ブーミンは
「縄文ってなあに?」

スオミは
「あのね、昔むかしの大昔、縄文時代っていう時代があったのよ。
なんで縄文っていうのかっていうとさ、その当時に作られた土器・・土器っていうのは今の壷や茶碗なんかと同じ物ね。
そういった土器に、縄を押し付けた模様がはいっているからなのよ」

ブーミンは
「ふーん、人間って、いつの時代でも、何か飾りを作りたいんだね」

スオミは
「そうそう、それは絶対的にそうね」

ブーミンは
「それでさ、その縄文杉の樹齢はどれぐらいなのかなあ?」

スオミは
「それは、資料によって違ってるけど、推定の樹齢は、3000年から7200年、ということになってるのよ」

ブーミンは
「それってスゴイね。ムー大陸の世界樹と同じぐらいだね」

スオミは
「そうなんだ。
それでね、屋久島は、だいたい丸い島で、もの凄く高い山があるのよ。
その高い山に縄文杉が生えているのよ。
でもね、隣には種子島があるんだけど、その種子島は細長くひらぺったい島なの」

ブーミンは
「種子島って、ロケット発射の基地があるところだよね」

スオミは
「そうそう、ブーミン、よく知ってるわね」

ブーミンは
「そりゃそうさ、ムー大陸の近くにある日本についていろいろ調べたことがあるんだ」

スオミは
「・・となると、ブーミンは屋久島と種子島に行ってみよう、と言いだすんでしょ」

ブーミンは
「あははは、当たり!~」


・・・五日後・・スオミとブーミンは旅客機の機中の人となった・・


旅客機の中でブーミンが
「この超小型の携帯型ホコラはなかなかの優れもんだね」

スオミは
「そうそう、これ作るのは大変だったからね」

ブーミンは
「うん、スオミが巫女さん役をやってくれるってことで、計画がズンズン運んだね」

スオミは
「あははは、あたしは前にも言ったとおり超能力者なのよ」

ブーミンは
「釣り名人にして超能力者って、前に確認しあったもんね」

スオミは
「あははは、そうそう、屋久島の海では何釣ろうか?」

ブーミンは
「でっかいクジラを釣ればいいと思うよ」

スオミは
「それってなんてステキな提案なんでしょう・・あははは」

ブーミンは
「あははは、スオミならやれるよ」

スオミは
「あははは、やったるぜ!、ってとこね」

ブーミンは
「スオミの超能力でそのクジラをこのホコラに閉じ込めて、縄文杉の横でたくさんの神霊たちと霊魂たちを祭るんだ」

スオミは
「うんうん、それってバカバカしくもスサマディー計画ね」

ブーミンは
「あははは、スオミならゼッタイにやれるよ」

スオミは
「あははは、感度バツグンの妖精のブーミンがそう請けあってくれるんだから、あたしにも確信ができるってもんよ」


・・・二人は旅客機を降り、手間ひまかけて縄文杉のあるところに至る・・



「わあ、ここは凄く神秘的だなあ。
おまけに縄文杉はトンデモナクなくでっかくて神々しいよ」
とブーミンは感嘆する。

スオミは
「まったくもってそのとおりね。
なんか神霊や霊魂が大勢いそうな感じもするわね」

ブーミンは
「そうそう、そうだね」


・・さて、
縄文杉のほんのすぐ近くで、二人は超小型の携帯型ホコラの扉を開ける。

すると二人の目の前に妖精みたいなのが現れる。

その妖精は
「あたい、あんたたちが何やってるのか知ってるのにゃ」

スオミが
「あらら、ヘンな子が現れたわね。あんた、なんかネコに似てるわね。それにしても、あたしたちのことを知ってるなんて、不思議で思いっきりヘンな子ね」

その妖精は
「あんた、スオミなのにゃ。あたいヘンな子じゃないのにゃ。
あたい、ポタミンっていう名前の歴史ある妖精なのにゃ」

ブーミンが
「あんた、歴史ある妖精のポタミンだって? ふーん、ネコに似た妖精のポタミンちゃん、どんな風に歴史があるのさ?」

ポタミンは
「あのにゃ、あたいは大昔、メソポタミア文明の中で生まれた妖精なのにゃ」

スオミは
「あのメソポタミア文明ね。大昔の文明発祥の地のひとつね。アジアの一番西のあたりの文明ね」

ポタミンは
「そうそう、そうなのにゃ。
あたいが生まれた時、神様があたいを見つけてやってきて、『かわいい妖精が生まれたなあ』と言って、あたいに名前をつけてくれたのにゃ」

ブーミンは
「そういえば、あんたの名前、メソポタミアっていう名称にどこか似てるね」

ポタミンは
「そうなのにゃ。神様が『メソポタミア文明の中で、川の近くで生まれた子』っていう意味を含ませてつけてくれた名前なのにゃ」

スオミは
「ふーん、そうなんだ。
それにしても、ポタミンちゃん、なんであんた日本語をしゃべれるの?」

ポタミンは
「あのにゃ、あたい、光のような速さで世界中を飛びまわってきてるから、自然に日本語もおぼえたのにゃ」

スオミは
「そうなんだ。
でもポタミンちゃん、あんたなんであたしたちと、あたしたちの計画を知ってるの?」

ポタミンは
「あのにゃ、あたいは世界中を飛びまわってきてるから、そういったことはすぐわかるのにゃ」

ブーミンは
「ポタミンちゃん、あんた特別な妖精だからそんなスゴイ能力をもってるってわけだね」

ポタミンは
「そうなのにゃ」

スオミは
「ポタミンちゃん、あんたあたしたちの手伝いなんかをしてくれるの?」

ポタミンは
「うんうん、手伝うのにゃ。
あのにゃ、そのつもりで昨日はシロッピーと遊んできたのにゃ」

スオミは
「シロッピーは今、あたしのお友達のところにあずけてあるのよ」

ポタミンは
「それもわかってたのにゃ。
あのにゃ、シロッピーは、ウナギのバカやきが食べたい食べたい、にゃおんにゃおん、と言っていたのにゃ」

スオミとブーミンは大笑いする。

ポタミンは
「あのにゃ、あたいネコに似た妖精だから、特にニャンコに好かれるのにゃ」

ブーミンは
「だから、そんな『にゃんにゃん言葉』になったんだね。
でもポタミンの日本語はばっちりだよ」

ポタミンは
「そうなのにゃ。
あたい、世界中を飛びまわってきてるから、いろんな動物や鳥や昆虫たちとも遊んできてるんにゃ」

スオミは
「いやはや、ポタミンはとんでもない妖精なのね」

ポタミンは
「スオミ、違うのにゃ。
あたい、世界中を飛びまわってるから、『飛んでもある』妖精なのにゃ」

三人は大笑いする。

ポタミンは
「それからあのにゃ、大昔、メソポタミアあたりから、日本に行った、日本に来た人たちも大勢いるのにゃ」

ブーミンは
「なんでそんな人たちは日本に来たんだい?」

ポタミンは
「あのにゃ、あそこらあたりは、その当時戦争が多かったからなのにゃ」

スオミは
「なるほどねえ」

ポタミンは
「あのにゃ、あたい、どういうわけか、日本が気になっていたのにゃ。
だから、それもあって、あたい今ここにいるのにゃ」

スオミは
「それもあって、ポタミンはあたしたちの計画の手伝いをしようってわけね」

ポタミンは
「そうなのにゃ」

スオミは
「それはありがたいことね。
『飛んでもある』妖精のポタミンが手伝ってくれるなんて、成功まちがいなしね」

ポタミンは
「うんうん、そうなのにゃ」

ブーミンは
「ポタミン、ありがとう」

ポタミンは
「うん・・
あのにゃ、あたいおなかがすいてきたのにゃ」

スオミが
「海に行って、キャンプみたいなことやってみようか。
そこでおいしいものを集めて潮汁なんか作って食べようか」

ブーミンは
「賛成!」

ポタミンも
「賛成!なのにゃ」


・・・さて三人は山を下り海際に行く・・
その渚で、スオミは釣りを始める・・

ポタミンとブーミンは食べられる野草や貝、海藻なんかを集める。

スオミは魚を何匹も釣り上げる。

スオミはリュックから
鍋とそのほかを取りだす。

それからスオミは、そこらへんに転がっている石を集め、カマドのような物を作る。

スオミは集まった食材を洗い、食べやすく調理して鍋にいれ、ミネラルウォーターを入れる。

海水も少し入れる。

ブーミンは
「わお、海の水も入れるの?」

スオミは
「そうなのよ。野性的でスバラティでしょ。
潮汁(うしおじる)の潮っていうのは、大元としては基本的に海水のことなのよ。今では塩を使うけどね」

ブーミンは
「ふーん、そうなんだ」

ポタミンは
「むにゃむにゃ、潮汁はミネラル満点なのにゃ」

スオミは
「そうそう、そうなのよ。もちろんキレイな海の水でないとダメなんだけどね」

・・それから、そこらあたりに転がっている木材や竹などを3人で集めて、カマドに入れて火をつける。

スオミはそのカマドに準備の済んだその鍋をのせる。

やがて鍋はグツグツいいだす。

・・・あたりに湯気が漂う・・

ポタミンが鼻を鳴らして
「美味しそうないい匂いがするにゃ」

スオミはその鍋に、塩のはいってない無塩の乾麺を入れる(これからは、塩を使った乾麺はすたれるかも・・インスタントラーメン的なものは別だが)。

木の枝なんかでさっき三人で作った箸で、乾麺をほぐす。

さらにスオミはリュックから食器とその他を取りだす。

スオミはできあがった潮汁を三つの食器によそい注ぐ。
それから、香辛料を少し入れる。

やがて三人は野性的な箸で潮汁を食べ始める。

ブーミンが
「旨い、美味しい、野性的でスンバラティね」

スオミは笑いながら
「ほんと、大自然に一体化したような気分でほんとに美味しいわね」

ポタミンは
「大自然はあたいのお友達なのにゃ。
にゃにゃにゃ美味しいのにゃ」

ブーミンは
「さっきのさっき、縄文杉のところにいたわけなんだけど、こうなると、おいらたちの計画は成功成就まちがいなし、って思えてくるね」

ポタミンは
「うんうん、あたいは神霊と霊魂を大勢集めて連れてきて、そのホコラに入れてあげるのにゃ。
あたい、いつも飛びまわってきてるから、神霊と霊魂をものすごく大勢知っているのにゃ」

スオミは
「ポタミンちゃん、それは凄いわね。
やっぱり、歴史ある妖精で、飛んでもある妖精のあんたはスサマディーわね」

三人して笑う。


・・・食む(はむ)(食べ物や食事は、「ハミー」といえる)ことを終え、三人はしばし海や山を眺めながら休憩する・・


・・・やがてブーミンが
「スオミ、次は計画どおりクジラを釣ってホコラに封じ込めようよ」

スオミは
「あははは、それって冗談じゃないの?」

ポタミンが
「あのにゃ、あたい神様にお願いして、それができるようにしてあげるにゃ」

スオミは
「えっ、ポタミンちゃん・・今のそれ、マジに本気で言ってるの?」

ポタミンは
「にゃにゃ、モチのロンなのにゃ。
それくらいのこと、神様にはできるのにゃ」

ブーミンは
「やっぱりポタミンは特別製の妖精なんだね」

ポタミンは
「にゃにゃ、そうなのにゃ」

スオミは驚いた様子で
「ポタミンちゃん、それを実行するには、あたしどうしたらいいの?」

ポタミンは
「あのにゃ、スオミ、カエルをつかまえてきて、釣りをするとき横においておくのにゃ」

スオミは笑いだし
「そんなことで、うまくいくのかしら」

ポタミンは
「うまくいくのにゃ」

スオミは
「どんな釣りのやり方をすればいいの?」

ポタミンは
「あのにゃ、普通のやり方でいいのにゃ。さっきのやり方でいいのにゃ。
その時カエルを横においておくのにゃ」

ブーミンがオロロイタ様子で
「ほんとにそれでうまくいくのかなあ?」

ポタミンは
「おモチのロンでうまくいくのにゃ。
おモチを食べればもっといいのにゃ・・っていうのはジョーダンなのにゃ。
あのにゃ、あたい、神様に相談してきてるのにゃ」

スオミは
「信じられないけどさ、飛んでもあるポタミンの提案だからやってみようか」

ブーミンは
「それがいいよ。
そいじゃあ、カエルをつかまえてこよう」

スオミがビニール袋をブーミンに手渡す。

いくらか経ってブーミンはビニール袋にカエルを入れて帰ってくる。

スオミは釣りを始める・・横にそのカエルを置いて。

どういうわけか、そのカエルは海の方を見ている。

沖の方にでっかい何かが現れる。

それが岸辺に近づいてくる。

それは潮を高々と噴き上げる。

ポタミンが
「ほらにゃ、言ったとおりなのにゃ」

ブーミンが
「うーん、信じられないことも起きるんだなあ」

スオミは
「なんかワクワクしてきたじゃないの。このあとどうなるのかなあ」


・・・天空から歌が聞こえてくる・・

♪オータマジャクシはクジラの子

♪ナマズの孫ではないわいな

♪そーれが証拠にカエル君 変身力を身につけて クジラに変身したんだぜ

♪だーから オータマジャクシはクジラの子

♪ナマズの孫ではないんだぞ♪


♪一方 クジラ君は♪

♪カエル君の変身事件を知って クジラ君も変身力を身につけたとサ

♪そしてクジラ君は 「換える」ではなく カエルに変身したんだとサ


♪…ここで天空に初登場の妖精のアリエールちゃんとアリエーヌちゃんが笑いながら同時に声をあげて歌うには…♪
♪これで、カエル君とクジラ君の交「換(換える)」条件が成立したんだわさわさワサビ-辛っ♪

♪アリエールちゃんが・・
♪あははは、それってアリエールなんだわさ・・・♪


スオミの竿になにかがかかり、引き上げられ、それはなんと、海に棲んでるオタマジャクシみたいなので、それを見た三人はザワつく。

ポタミンが
「にゃにゃ、このクジラの子のオタマジャクシはホコラの中で成長して、でっかいクジラになるのにゃ」

ポタミンがそう言うと、そのオタマジャクシみたいな姿のクジラの子はホコラの中に吸い込まれていく・・扉は開けてないんだが。

スオミとブーミンは驚きの声をあげる。

スオミが
「ポタミンちゃん、次はあんたが言ったとおり大勢の神霊と霊魂をこのホコラに入れてくれるんでしょ?」

ポタミンが
「にゃにゃにゃモチのロンなのにゃ。縄文杉のところでそれをやってあげるにゃ」

・・三人は縄文杉のほんの近くに行く・・・


ブーミンが
「ほんとにここは神聖な感じがするね」

スオミは
「ほんとにそうね。とてつもなく思いっきり神々しいわね」

そう言ってスオミは超小型ホコラの扉を開ける。

ポタミンが
「にゃにゃ、それじゃあ始めるにゃにゃにゃ」

・・するとポタミンの姿が見えなくなる・・・

いくらか経って、ポタミンが飛んで戻ってくる。

ポタミンのうしろには、蛍のような何かが無数についてきている。

その無数の何かたちは、ホコラの中に吸い込まれていく。

スオミとブーミンはまたもやオロロイタような声をあげる。

ポタミンが
「にゃにゃ、これでいいのにゃ・・数知れない神霊と霊魂たちがホコラにはいったのにゃ」

スオミとブーミンが「やったー」という声をあげる。

三人はホコラと縄文杉に向かって祈りを数分間ささげる。


・・それから三人はしばし休憩する・・・


・・いくらか経ってポタミンが
「あのにゃ、あさって種子島の宇宙センターで大型ロケットの打ち上げがあるのにゃ」

ブーミンは
「さすが情報収集名人のポタミンだね。
おいら大型ロケットの打ち上げを見てみたかったんだ」

スオミが
「あたしたち、いい時にきたわね。ツイテルじゃない」

ブーミンは
「屋久島と種子島は船で結ばれてるんだ。打ち上げに間に合うように種子島に行こうね」

スオミとポタミンは
「賛成」「賛成なのにゃ」


・・・二日後、三人は種子島宇宙センターに姿を現す・・


ブーミンが
「いよいよ打ち上げが始まるね」

スオミが
「うんうん、ワクワクしてきたじゃない」

ポタミンが
「あたいも楽しむのにゃ」


・・・大型ロケットの打ち上げが始まる。

三人ともすっかり見とれている。

大型水素燃料ロケットが噴射する水蒸気の一部はたちまちモウモウとした湯気に変わる。

上昇していくロケットはやがて見えなくなる。

いくらか経つと、打ち上げが成功したという情報が流れる。

三人は「やったー」と声をあげる。


しばらくすると、太陽の反対側に虹が現れる。

三人は「虹がでた~」とつぶやく。

虹をよく見ると合計五つの虹になっている。

一番下の虹は短い中途半端な虹ではあるが、ほかの四つは大きなアーチを描いていて、上と上と上にかかっている。

ブーミンが
「五つも虹がでるなんて、スンバラティーね」

スオミが
「まるであたしたちの計画を祝福しているみたいね」

ポタミンが
「うんうん、縁起がいいのにゃ」


・・・三人は屋久島と種子島での出来事に満足して、スオミのスミカに向かう・・


・・・さて、スオミのスミカで何日か経った・・


ある朝スオミが
「ブーミンちゃん、今度は何しようか?」

ブーミンは
「あのさ、ウナリ寿司を作ってたべようよ」

ポタミンが
「にゃにゃ、なんかヘンな名前のハミーなのにゃ」


・・・既述しているように「ハミー」とは食べ物とか料理とか食事のことでアール。「食む(ハム)」を活用すればそうなるナリス・・それにしても、ポタミンがそんな言葉を使うとは、驚きでアール・・いや当然なのかもしれない・・・

・・・で、何日か遡って、ポタミンもスオミのところに居ることになったのでアール・・


ブーミンは
「ムー大陸のハミーなんだよ。
こっちの、チラシ寿司とか五目寿司とかバラ寿司なんかに似てるんだけどさ、
『うーん』と唸るぐらい美味しいんだ」

スオミもポタミンも笑いだす。

スオミが
「だからウナリ寿司っていうのね。
イナリ寿司のモジリかとちょっと思ったんだけど、
面白そうね、作ってみようか」

ポタミンが
「うーん、にゃにゃ、あたいも手伝うのにゃ」と言って笑う。

スオミもブーミンも笑う。

シロッピーが「にゃおん、にゃおん」と声をあげる。

三人は笑う。

スオミが
「ブーミンちゃん、どんな食材が要るの?」




(あちこちに加筆したナリス)



過去の分の訂正・・「宅配便のダンボール箱に、天地無用と書いてあるが→書いてあることがあるが」・・これはいくらか前にネットに載せた。
・・で、つい最近宅配の段ボール箱に、「こちらが上です」と書かれたのがあった・・初めてでアール。

あと、訂正がいくつかあるんだが、今は思いだせない・・メモはしてあるんだが・・探しだして書くのはメンド草草の大草原、うぇ~~・・・


・・・つづく鴨duck・・・(と、  怒鳴るどダック…JK…)・・・



240723の分

さて、ここまであまりにもメンド草草だったので、ここらで、おふざけ小話にいってみよう・・・

題して「ヘンテコリンな姫とムカデの物語り」

昔むかし、あるところに、虫愛ずる姫君がいたそうナリ・・虫に刺されたり咬まれたりすることもあったそうで、そういうばあいは、その姫君が痛そうナリス(居たそうナリス・・・ダジャレリルレロ)。

虫愛ずる姫君なるそのかわいこちゃんは、ある時、ムカデを捕まえて、飼ったそうナリス。

そのかわいこちゃん曰く
「こら、ムカデ、あんた、歩き方がなっとらんのじゃ」
とムカデを叱りつけ、歩き方をコーチすることにしたそうナリス。

なんでも、飼育箱の中に作った山みたいな所に、ムカデが登る途中で、引っくり返って落ちたことが、叱ったその理由らしい。

そのかわいこちゃんは、さっき言ったように、虫が大好きで虫たちとの付き合いが永いもんだから、虫たちの言葉が使えるようになってるんだそうだ。

そのかわいこちゃん曰く
「こら、歩き方のヘタッピーなムカデ君、歩くときは、まず、一番前の左脚を前にだして、ついで一番前の右脚を前にだして、それから、前から二番目の左脚を前にだして、さらに前から二番目の右脚を前にだして、~~~」
といった風に、ムカデに教えたのでアール。

その効果たるやスサマディック、ムカデは全く歩けなくなったのでアール。

・・・ムカデは心の中で、そのかわいこちゃんを罵ったに違いない
「あんたは、宇宙一のカバの逆立ち人間じゃらほい」と・・・

・・・ここに必然的に新しいコトワザが生まれたのでアールス
「ムカデに歩き方を教える者は、宇宙一のカバの逆立ち人間である・・そういう者は、馬と鹿に蹴られる運命に陥る」・・・



・・・つづく鴨duck・・・(と、  怒鳴るどダック…JK…)・・・



240715の分


「おふざけコトワザ物語り-ファンタジカ-カプリッチオ」を「34」まで書いての「心脳科学など」に関連する感想を・・・

1・・この作品(おふざけコトワザ物語り)を書いていて感じ思ったことのひとつに 「発想」の実態と「新しいなにかの創造」は こういう経過を辿るんじゃないか というのがある。
そこにおいて まずは「連想」について言うと・・
「音」、
「形」、
「意味」、
「観念・概念」、
(言葉の音、文字の形、などもそこにはいる)
からの「連想」がある・・それが基本かもしれない。

それら
「意味」、
「観念・概念」についていうと、
それらと
「正反対の意味」
「正反対の観念・概念」
も、そこにはでてくるだろう。


2・・で 十年ぐらい前にネット上に書いた記事の中にこういうのがある(今思いだしながら これを書く)・
・・それは 「新しいなにかを創りだす過程はこうなんじゃないか」 ということについての形式的な記述である・・・
「共振」 によって素材sの数を増やす・
その次に それらを「なんらかのフィルター」にかけ ふるい落とす・
以上を何回か繰り返す・
それから そこに残った素材sを組み合わせる・
・・そこに新しいなにかが生まれる。


「上述1」の連想」と「上述2」の共振」とはかなりなツナガリがある。

そこにおいて ズレや変形が起きて新しいなにかが生まれるのかもしれない。

「正反対の意味」
「正反対の観念・概念」
もそこには参加するだろう。
それは「色」でいえば補色のような関係にあるだろう。

で 上述の「フィルター」というのは
どんな機序・仕組みになっているのだろうか・・
ここで思いつくことは・・
「関連ありそうな混在化した存在」の中から・
必要なものたちを選びだすという「純粋化」
ということである。

それについては 現在までに 物質的にも抽象的にも電子工学的にも さまざまな「フィルターs」が存在するようになっているので それらを研究すれば参考になるだろう・

・・結局、そのフィルターという働きは、
何かの基準のもとにおいて、「共振する素材sだけを取りだす」、
「共振しない素材sは捨てる」、
ということなんだろう(とまずは思える)。
近年のAIの大元になっている「ニューラルネットワークと、そこでの重みづけ」も参考になるだろう。
・・それだけではなくて、もっと手軽で早く効果をだすための、さまざまな工夫sがそこにはあるようだが・・便宜的な工夫とか、資源を節約するための工夫などをも含めて・・
(それらについても、心脳科学(仮説)の中に既述している)。

・・・で、上述の「重みづけ」について言うと、
対象情報sを基本的で最小の「要素・成分s」に分解して、
頻繁にでてくる「要素・成分s」や、
「何かの基準」のもとにおいて「魅力的だとみなされる『要素・成分s』」、を重要視するということなのだろう(とりあえずは、そう思える)。

ある対象において、その対象のもつ「特徴」は、直近上述の範囲にあるだろう。


・・上述「共振する素材sだけを取りだす・共振しない素材sは捨てる」、という実態

・・・「今までにない新しい何かを創造する」、という実態においては、それだけではないが・・・

・・・で、上述のようにして選びだした『要素・成分s』を組み合わせて新しい何かを創りだす・・


・・・(ここで参考・・これも昔、既述しているが)

ジグソーパズルで考えてみる・・

(1)・小さく分割された台紙の一片sの形s
(2)・そこに描かれている絵柄の断片s
で、バラバラになっているそれらをつなぎ合わせて絵柄を完成させる・・
これは、元々完成された絵柄があるわけである・・よって、新しい何かを創りだすわけではない・・・しかしこの問題においての参考にはなるだろう。
(1)と(2)の間には、何の関係もないとも言えるし、何らかの関係がある、とも言える。

(1)は、テキトーにカットしたわけである。
(2)は、それに伴ってカットされたのである。

そういったジグソーパズルを完成させるには、(1)と(2)を見ながら行う。

・・・うーん、これはここでは役に立たない鴨鴨duck・・・(と、 怒鳴るどダック…どこかの国にそういう事象がある・・と、トランプ占いが告げる鴨duck・・JK…)。


・・・3・・(既述している以下これらも、上述に関係してくる・・


・・生物の発生と進化においても、新しい何かが生まれてきているわけであるが、そこにおいては、遥かなる過去からのデータsと、知性体が存在しなくては、そういった実態は起こらない・・(ただし、小進化は偶然で起こる・・小進化というのは、最も簡単な突然変異である(そこには退歩もあるが)・・それは生物体やDNAなどの仕組みから、カンタンに起こる・・It's so easy・・それに類する何かは多い)。

この宇宙によって創造された人間がそれまでになかった何かを創るばあいにおいても、それと同じであり、それと同じ経過を辿ってきている。

さて・・・

「この世界に『意識』がないとこの世界はないに等しい(これはフニャ論だが・・フニャ論という表現の意味についても詳細に既述)、

「タトエとしての水蒸気sと、それらの存在する「世界・空間・次元」がある・・そこには知性が存在するしかない・・(これもフニャ論といえばフニャ論だが、「知性体」と「意識体」が存在することについても、さまざまに論証している・・確実な証拠sを挙げて・・その証拠の中には、タネもシカケもないマジックの存在や多重人格(解離性同一性障害・・名称を変えたのは、多重人格という名称には、怖いというイメージが付随してきたからだろう)の存在がある)。

上述の「そういった次元と知性の存在がある」においての補足のひとつとしてこういう実態がある・・・
A・現代物理学では、空間は「計算(演算)」をして、素粒子sや宇宙線や物質の大元を生みだす、となっている(それは演算子が最重要だということ・・演算子sというのは、計算する能力をもつ無数の素子s(複数の立場で見ればそういう表現になる)、というような意味である」

「その「世界・空間・次元」から相転移して生みだされる物質的な素材s」・・それらは、「生物が発生し生きていけるような素材s」になっている(もちろん、生物にとって危険な素材sも発生するが・・それは質の対生成の範囲にあるだろう)。
なぜ、「生物が発生し生きていけるような素材s」になっているのかというと・・・上述「この世界に意識がないと、この世界はないに等しい」をもってくると、この世界に意識をもつ人間のような生物を存在させるためである、といえる。そしてその意識内容を豊富にするためだといえる。生物が存在しないと意識内容は増えない・・意識内容を増やさないと意識体も知性体も「煮詰まってしまって腐ってしまう」・・よって、生物が生まれ生きていけるような物質世界を創るのである。

・・・生物の発生と進化や退歩についても、詳細に既述している・・人間がそれまでになかった新しい何かを創りだす様子も詳細に既述している・・・

で、直近上述が、「新しい何かを創りだすこと」において、どう関係してくるのかといえば、
「生物の創造とその進化」という命題(文言・言葉)とその実態が、新しい何かを創ることに関係しているからである。

「偶然によって生物が発生したとは考えられない(これについても苦労して詳細に既述している」・・それから「現在までの世界において、新しい生物が発生したという実態はない」・・「変化したという実態はあるが」・・この「変化」というのは「突然変異による小進化・変化」という実態にある」・・・それくらいのことは起こるのであるが、大元の「生物の誕生」という実態と新しい種の発生においては、「知性体の存在とデータの蓄積がないと起こらない」のである(苦労して詳細に既述している・・・「繰り返すと、生物の発生と大進化・・新しい種が誕生する、・・といった実態は、「知性体の存在とデータの蓄積がないと起こらない」のである・・・」

さらに、人間が、それまでにない新しい何かを創りだすことにおいては、試行錯誤とデータの積み重ねと知性の進化が必要となるのである(詳細に既述している)。

・・・ということで、繰り返しになるが、「それまでにない新しい何かを創りだすことにおいては、データの積み重ねと試行錯誤と知性の進化が必要なのである。


・・・ある程度前から直近上述までをまとめると(どこからどこまでなのか読み返すのがメンド草なので、手を抜いてこう書こう)、
「この世界に、意識がないと、この世界はないに等しい」
「意識の存在する次元の世界には、知性が存在する(空間すらも計算能力をもっている)」
「そういった次元の世界に存在するところの物質の元sが、相転移して生物が存在し生きていけるような、物質sになる(さまざまな情報もそこに入れられて)(生物の存在にマイナスな物質もそこでは生まれるが・・それはどうしようもない)・・・知性的な何かがそれを為す」
「そういった実態が、知性的な情報を大きく増やすことになる・・・生物や人間がいなければ、知性的な情報は増えない・・知性的な情報が増えなければ、意識と知性の存在は、うんざりして腐っていく・・よってそれを避けるために、そういう実態になる」

で、
生物やそれらの脳を創ったのも上述の実態の中にある。
昆虫、植物、動物、その他微生物などを創ったのも、同じくそれらである。
・・・それら被創造物sは恐ろしく微妙・精妙・精巧にできている(これについて書くと、長くなるが、それらについてのさまざまを既述している)。


・・・さて、このチャプターの主題は、
「新しいなにかの創造」は、 こういう経過を辿るんじゃないか、というところにある。



(以上、殴り書きのため、構成がよくない・・そのうち手をいれる鴨duck・・・(と、 怒鳴るどダック…JK…)・・・(さてトランプ占いによると・・・))

(以下、次回に記そう・・詳細に既述している)
(ここでは新しい視座・視点をも加えるのだが)・・・

(しっかし、この課題は要素sが多杉だし複雑杉てメンド草草の大草原だ、うぇ~~
おまけに、そこはメンドウ豆の大草原にもなっている・・このメンドウ豆ってのは、植物全体が臭杉て、その臭いを嗅ぐと鼻がヒン曲がるのであーる・・よってさらにメンド草になるのでアールス。
さらには、その大草原には、どういうわけか、海ザリガニまで群がっているではないか。海ザリガニってのは、ロブスターのことで(見た目が似ている)、ウンザリガニといえるのでアール。
昔、海野十三・・うんのじゅうざ・・・という作家がいて、オモティロイ小説を書いていたのであるが、海野という名字は、うんの、と読ませるのでアールス。
したがって、海ザリガニは、ウンザリガニといえるのでアール。
つまり、そのメンド草草とメンドウ豆の大草原には、ウンザリガニの大群がいるのでアール。
ああ、メンド草草の大草原よりずっともっとヒドイのでアール、うぇ~~)

(うーん、むずかしい、むつかしい、むかつしい、むかむか・・・このジョーダンはかなり前ネット上に書いたことがある・・で、ここでもジョーダンとして書いている・・で、「新しい何か」を創りだす、ということにおいては、その全体像は頭の中にできあがっているので、その記述においては、そんなにむずかしくはないのでアールス)・・・


「3」にプラス・・「心脳科学・質の科学・世界哲学」においてもそこらを追究している(既述)・
・この記事の以下にも、それらについてかなり載せている・・・。


・・・以上 不完全ながらメモしておこう・・

(メモ・・脳を創ったのもそれらだ。
昆虫、植物、動物、その他微生物などを創ったのもそれらだ・・・それら被創造物sは恐ろしく微妙・精妙・精巧にできている・・・これについて書くと、長くなる)(美や美観について、も入れる)



・・・つづく鴨duck・・・(と、 怒鳴るどダック…JK…)・・・




240419分

おふざけコトワザ物語り-ファンタジカ-カプリッチオ


一回目の「おふざけコトワザ」に書いたのは・・・

カミキリムシに髪をカットしてもらえる人は人生の達人でアール。

・・・ついでに・・
ニャンコに髪をセットしてもらえる人は人生の達人の師匠でアールス。


・・・さて、ここから、ファンタジカ(ステキナ幻想)-カプリッチオ(狂想曲)が展開されるナリス

まず、カミキリムシの方を行こう・・

・・・さて、まずは予備知識ナリスが、どの辞書にも、「髪切虫」とある。
これを書いている者は、「噛み切り虫」だろうと漠然と思っていたのでアールスが、確認したらそういうことナリサ・・オロロイタとはこのことナーリ・・・

しかも、ある俳句辞典によれば、なんと、「髪をもカンタンに噛み切ってしまうので、この名がある」、といったふうにあるではないか・・加えて、「天牛(テンギュウ)」はカミキリムシの中国語名、ともある・・・


・・・ということで、このおふざけコトワザは必ずしも的外れではないのかもしれない・・


(ここで、某人物曰く「いやいや的外れに終わってしまうのは目に見えているゾ」・・

別な人物「そこを的外れに終わらせないのが、ファンタジカ-カプリッチオというものではないか」・・

最初の人物「へっへっへ・・ギャフン・ギャフン・・・ギャフンというのはなあ、カミキリムシの中国名「天牛・テンギュウ-中国語での発音はたぶん、ティエンニウだと思うんだが、それは置いといて、テンギュウ」をもじったのさ・・牛糞ともじって、さらにギャフンということさ・・つまり、そんな話は牛の糞のようなものだ、といいたいのさ・・へっへっへ」

・・これを書いている者「フン、なにクソ」)


さて、まず、カミキリムシを捕まえるのでアールが、才能豊かな子を探すことになるのは当然ナリス・・・

それで、まずは、カミキリムシはどんな所に棲息しているのか、どんな季節に捕まえにいけばいいのか、どうやって捕まえればいいのか、などなどについて調べるのでアール。

いやいや、それはメンド草草の大草原ナーリ。

そこで、昆虫採集の達人に、こっちの目的を話して協力してもらうのがいいの鴨duck・・・(と、怒鳴るどダック…JK…)。

では、さっそくそれをやってみよう。

その人物-昆虫採集の達人-は、こっちの目的を知るやいなや、顔中口だらけにしてガハガハ笑いだすではないか(口はひとつなんだが)。

予想していたとはいえ、そのあまりの大笑いに、こっちも大笑いしてしまう。

「ガハガハ・・・」

「わっはっは・・・」

二人の大笑いが納まると、その人物-Aさんとしておこう-は、マジメな顔になって、
「そりゃあオモティロイ、協力してしんぜよう」
と請合ってくれたのでアール。

Aさん曰く
「それが成功したら、美容室を開こうではないか。
その美容室の名は、『天牛』でどうだい?」

カミキリムシの中国語名についても話しておいたので、Aさんは、そうのたまう。

「わはは、まるで、牛肉を使った天丼みたいな名前ではないか」

Aさん「あはは、そうだ、そういう料理もだせるようにするのさ」

「牛肉の天ぷらとはメズラカナリ、ってことで、有名になってお客さんが押し寄せるかもなあ。
よっしゃ 共同経営でいこう」

Aさん曰く
「そうしよう」


(えー、ではここで注釈を入れよう。
「これを書いている者」という登場人物(筆者ということだが)をだしたのだが、そのバカ人物が、この物語に登場するようになったみたいなので、非常に書きにくくなったのでアールス(筆者のバカぶりがなしたワザナリス)。
そこで、「ぼく」を登場させることになったのでアールス。
そうしないとメンド草草ナリス。
そこにおいて「これを書いている者」と「ぼく」は別人物なのでアール。
さらに、メンド草草なので、前に書いた文章はそのままにしておくのでアールス)


・・・ということで、ぼくとAさんは、美容に有能なカミキリムシを捕まえにいったのは言うまでもない。

どこかの山に行って、いろんな樹々を見ながら、「うわー、自然っていいなあ」とぼくたちは呟きながら歩いていく。圧倒されるではないか・・・
緑豊かな草ぐさ 樹木たち 大自然のいいにおい 呼吸を豊かにする空気・・・どこをどうとっても人間の遥か上の存在だ。

おまけに いろんな虫たちや昆虫や蝶がいるんだゾ。
ときにはタヌキやリスやウサギなんかもでてくるんだ。

ワクワクどきどきが止まらない。

・・・で、しばらく歩いていくと、カッコイイ昆虫が現れたのでアール。

Aさんが言う
「あれは、カミキリムシの中でも、美麗なスグレモノだよ」

ぼくは
「ほうそうかい、じゃあ捕まえよう」

・・・ということで、ぼくたちはそのカミキリムシを家に連れ帰ったのでアール。

さて、これからそのカミキリムシを美容室で使えるように訓練するのでアール。

ぼくは寝っころがって、そのカミキリ君を髪の毛に這わせてみる。

・・・うーむ、時々髪を切るようでアールが、
結論として、
「これは使い物にならない」
というところに落ち着く。


(以下略・・ネットに載せている)


・・・つづく鴨duck・・・(と、 怒鳴るどダック…JK…)・・・




・・・おふざけコトワザ2プラス・・


「わんこは人間を躾ける・教育する」

・・・わんこは、人間に運動をさせるために自ら散歩に付き合うのでアール。
この連れ合いが運動不足になったらイカンとわんこは思っているので自ら散歩に付き合うのでアールス。

・・道を歩いていると、そういったシーンを目にすることがあるが、その様子はまさに、わんこが連れ合いを散歩させている、これナリス。




・・・おふざけコトワザ・・

カミキリムシに髪をカットしてもらえる人は人生の達人でアール。

・・・ついでに・・
ニャンコに髪をセットしてもらえる人は人生の達人の師匠でアールス。

(これを読んで笑う人も笑わない人も人生の達人ナリス)



(上略)


メンド草草なので、テヌキして・・・


過去に記した「「ミネラルs」の驚くべき 働き」、の項に、「物質s」も入れる。


過去に書いた「知性体の存在の根拠・証 拠s」に、「多重人格の存在」(解離 性同一性障害をもつ人の存在・・昔は 、多重人格障害といわれた)を入れる 。

・・・付記・・そういった複数の人格sが現れる人に おいては、それら人格sの間には、記 憶・感情・性質などの一貫性はない。

ということはつまり、脳だけの働きだ けでは、そういう実態は決して起こら ないという結論に至る。

知性体sの存在があるので、そういう 実態が起こる、ということになる。

(人には心器がある。その心器があの 世に移行した存在を知性体と呼ぶ。現 存の心器も、そういった事象を起こせ る可能性はある)

加えて、記憶には知性体と心器が大き くかかわっていることもそこからわか る。


付記・・・
巫女さんにもそういうことを起こせる 人がいる。



加筆文章

過去に書いた文章のどこかにこれを挿入(これにつ いても詳細に既述しているが、ここで は、それを簡略に記そう・・既述して いる文章sを探し出して挿入するとい うこと)・・

「生体を生み出す遺伝の系の構成要素 s~遺伝子関連の系の構成要素s(主 に、DNAを構成する核酸s、RNA を構成する核酸s、など)」
のもつ情報はきわめて少ない。

一方、「タンパク質など(情報発受信 物質s)」のもつ情報は、きわめて多 い。

以上も、「タトエとしての水蒸気の存 在する『知性的空間』にある知性的な 存在が、そういう性質をもたせたとし か考えられない。
そこには、遥かなる過去からの情報や 知性的な存在sがかかわっているだろ う(これについても詳細にさまざま論 じて既述している)。

(・・・以上を過去に書いた文章のどこかに織り込むことは 、メンド草の大草原なのでアールス・ ・しかし、既述しているセクションs~チャプターs(文章)に、本論s(心脳科学、質の科学、世界哲学)に必要な内容はすべて記してあるナリス・ ・ただ、つながりをもたせてないだけなのでアールス・・・
・・・ああ、メンド草草メンド草・・・
・・・こういうことを書くと、あの古代ギリシャの哲学者で、メンドロクサという人物が現れてメンド草の泥沼にはまることになるかもしれないのでさっさとこれで切り上げよう)・・・




・・・駄文・・・

秋の日に

秋の日に 秋の日は いずこともなくさまよい 空は高く 宙は澄み 知性の満ちた宇宙に なにがあるのか惑う そんな秋の日は やがて冬に向かう そしてそのあといわずと知れた・・・・




加筆して全部載せるのはメンド草杉るので、要点だけを載せよう・・・

既存の論において、「進化においては、さまざまな枝分かれがあるが、幹になる生物があって、それが、次世代の主流をなす生物に進化していく」となっている。

その上で、筆者は詳細にさまざまな論考を独自に既述してきている。

そこにおいて、発想した、
「進化における「幹になる生物」と「幹細胞」は似ている」ということを。

そこから、進化における論考をさらに発展させることができるのかもしれない。

たとえば、遺伝情報における「種という枠組み」についての遺伝情報はどうなっているのか、という課題の追究にそれは役立つのかもしれない、といったふうに。



・・・・・

・・・雑感・・・
ヴィトゲンシュタインという哲学者が書いたといわれている「語りえないことには、沈黙しなくてはならない」といった文言があるが(記憶によれば)、そんなわかりきったことを、アホにカッコつけた文で書くとは、馬と鹿の二頭立ての乗り物を連想するではないか・・・

(ただし、彼は、ある種の哲学者sや、ある種の学者sへの皮肉を述べたのかもしれない、とは思うが)

で、そこを追究していくのが研究者という存在だと思う。
それを、そんなアホでアサハカな考えで放棄するとは、アキラメがよすぎて、そんな人物は馬と鹿の二頭立ての馬車に乗っているかのようだ。

・・・(自慢じゃないが、いや自慢なんだが、いやいや、自慢とかなんとかを跳びこえて・・・ここの文言は削除した方がいい・・・)、筆者は、そういった難問sに挑戦して追究してきており、そこらをネット上にも載せてきている・・・(これは自画自ー賛になるが・・・この文言も削除した方がいい)・・・



・・・おふざけ話2・ポンカン猿物語・・・


今をサルこと2000年以上
さる国のさる所に
さるサルが住んでいたそうナリス

そのサルは賢いと言われていたそうナリ

そのサルは毎日のように酔っ払っていたス

そのサルは毎日 ポンカンの樹に登って ポンカンを集めて ポンカン以外の樹のウロに入れてつぶすのであったス

そこはポンカン山と呼ばれていたス

日時がたつと そのポンカンは発酵してサル酒になったス

そのサルは そういうことで 毎日サル酒を飲んでいたナリサ

「ポンカン山のサル君は 10杯飲んで酔っ払って 跳んだり跳ねたりワッハッハ

それを見ていたカメ君は サル君にマラソンレースを挑むナリサ」

ということで そこでは毎日 カメ君とサル君のレースが見られたそうナリス

麓の人たちは そのサルをポンカンザルと呼び ポンカンザルとモノズキガメのマラソンレースを見て楽しんでいたそうナリス


・・・ところで そのレースsの勝敗は・・・これを書いている者も知らないのでアールス・・・




・・・今回は(も)おふざけ話しを書くナリス・・・



昔か未来か知らないナリスが あるところにポカンアーレという人物がいたそうなのでアール

そのポカンアーレさんの家の庭には ニワトリが二羽 ではなくて
オレンジの樹木が何本も植えられていたのでアール


オレンジの収穫時期ともなると ポカンアーレさんは そのオレンジsで オレンジジュースをつくって 近所の人たちを招いて ごちそうし

「どうじゃ オレンチのオレンジジュースはうまいじゃじゃじゃろうす」
と自慢することを趣味としていたのでアール

招待された人たちは

「オイティー」
「ウマイ」
「スバラシイ」
と賞賛するナリサ

「ウメー メーメーメー」
と声をあげるのはヤギかヒツジ‐ナリサ

(ヤギとヒツジがなんと声をあげるのかは この書き手は よくは知らないナリス)

ヤギもヒツジもそういったジュースが大好きなのでアール(といことにするナリサ)




・・・溶けない・栄養源・・・

サプリの錠剤やキャップレットなど、一晩水につけておいても溶けないのがある(たぶん多いだろう)。
胃腸においては、条件が違ってくるが、それにしてもおかしいと思う。
チュアブルが一番いいと思う。
タイムドリリースなども、想定したようにはいかないと思う(吸収されず大便の中にくるまって、排出されるのが多そうである)。
ミネラルsのタイムドリリースには海草sがいいのではないだろうか。
巻き寿司などの海苔は、ビタミンsとミネラルsが奇跡的に多く含まれており(乾燥という点を除いても)、栄養源として優れていると思う。緑茶の葉っぱもかなりそうである(ただしビタミンB12を含んでないかもしれないが・・総じて植物質のものはそうである)。




・・・以下これは、ネット上に何度も記したことなのでアールスが・・・
「ほとんどのことにおいて、人によって異なる、同じ人でも時や時期によって違ってくる」
という事実は留意すべく非常に大切なことだと思うナリス・・・




・・・さて、今回はいつもの研究・探索(質の科学、心脳科学、世界哲学の研究)に戻ってみよう・・・


・・・加筆した・・・


「美」の起源について考えてみると・・・人間は、なぜ対象を美しいと感じるのか、なぜ美しくないと感じるのか(興奮をも含めて)・・・そこにおいて、人間は、手を加えられてない自然のほとんどを美しいと感じるという実態がある・・・、
・・さらに、言葉・文法の実態の起源(なぜ、人間は言葉をしゃべれ、文法が備わっているのか)とか、
・・なぜ男と女は惹かれあっていろいろさまざまあるのか(詳しく記すと恥ずかしい)(質時間回帰や反発もすごいのであるが・・これについてもさまざまの考察を記している)(これにはホルモンが大きく関係している・・それについては既述している)、
そういった実態が起こるのは、タンパク質などの情報発受信物質が主に関係しているだろう・・それ以外にはありえない(詳細に既述している)・・・


・・・ただし、育った環境と「その人の心器」もいくらか関係しているだろう・・・


以上を、ネット上に詳細に既述している論sと併せて考えるのでアールス・・・


・・で、美を感じる人間の感受性と、それら美の対象となる存在sを分けて考えることになるのでアール・・・
たとえば、男sが「あの女性は美人だ」「あの女性はかわいい」と感じたとして、それらの感受性と、対象になる女性たちを分けて考える、ということナリス・・・
ここにも不思議が詰まっているナリサ・・・
(どう考えても、そこには、タンパク質などの情報発受信物質がかかわっているとしか思えない)・・・

・・・で、以上に関連することとして・・・
「昔、モーツアルトの曲の演奏を初めて聴いたアラブ人たちが笑いだした」、というエピソードをつけ加えておこう・・・
それは楽しかったからだとは思えない・・・
それが自分たちの音楽とかけ離れているので、わけがわからなかったから、と解釈するのが妥当だろう・・・
笑いについて詳細に既述しているように、彼らの心の中で、ふたつの系の情報s(このばあいは、音楽)が干渉をおこして、「うなり」を生じ、笑いが発生した、と解釈するしかないだろう・・・
ここには、育った環境と心器が大きくかかわっている、と言える・・・


・・・以上、メンド草なので、個条書き的に記した・・・


・・それらを総合して考えると、既述しているように、
タトエとしての水蒸気にそれらを実現する知性的な存在がある(あった)としか思われない・・それが、(宇宙の在り方をも含めて・・詳細に既述)、
遺伝を通じてのタンパク質などの情報発受信物質を形作ったのだろう・・遺伝子体系はそこからきているはずだ(ほかに在り様がない・・詳細に既述)・・・



・・・つづく鴨duck・・・(と、怒鳴 るどダック…JK…)・・・)



テンプラの語源を考えてみよう・・面白半分に・・


近頃、なにもかにもにウンザリしていてメンド草草でウンザリ蟹しているので、ネット上に載せることが少なくなっているのでアールス。

ここで脱線するナリサ・・
ちなみに、ウンザリ蟹とは、ウミザリガニのことであって、ロブスターのことなのでアール。

ロブスターはウミザリガニとも呼ばれる・・見た目がザリガニそっくりナリサ・・

で、ウミザリガニは、ウンザリガニともいえるのでアール。

むかし、うんのじゅうざ・・海野十三という作家がいて、海野十三を、うんのじゅうざ、と読ませているのでアールス・・彼はオモティロイ小説を書いた人物なのでアールス。

日本語では、そういった発音の変化は、朝飯前にして昼飯前にして晩飯前なのでアール。

(さて、今夜の晩飯はなんにしようか・・)

ということで、近頃、なにもかにもにウンザリガニしていて、メンド草草なのでアールスが、時々は、ネットになにか載せようと思うナリス・・

・・・ということでこれを書き始めたのでアールス・・・


・・・さて、テンプラ・・天麩羅の語源ナリスが・・

いろんな文献sによると・・・、
テンプラの語源は、ポルトガル語(斎日、調味料、料理、寺院)か、スペイン語(寺院)などのいくつかの単語sの中のどれかから来ているのかもしれないが定説はない、のだそうだ。

江戸後期まで、テンプラは知られてなかった、と、みなせるそうだ。

で、江戸時代の作家さんたちの著作sの中に、
テンプラの語源として、自分とその関係者が名づけた、というような記述があるそうだ。

それから、近松門左衛門は、その作品の中で、テンプラという言葉を用いているそうだ。

さらに、江戸時代に、テンプラリという料理もあった、と記録されているそうだ。

・・・さて、そこで、テンプラの語源を面白半分に考えてみよう・・・という話しなのでアールスが・・・

テンプラを作るとき、鍋に油を入れ、熱するのである。

さて、ここで、宅配便などの荷物において、「天地無用」という書き込みがある、ということを取り上げてみよう。

「天地無用」という言葉は、「上と下をひっくり返さないように」、という意味なんだそうだが、筆者は、「ひっくり返してもいいよ」という意味にまずはとってしまう。

「天地無用」という言葉は、「さかさまにしては、用をなさない」という意味なんだそうだが、そんな誤解を招く表現を考えた人物はバカの類としか思えない・・・「さかさまにしたら」という文言がはいっていないではないか・・・

バカの見本である筆者が、カン違いするのであるから。

筆者なら、「天地有用」と書く。

で、いくつもの辞書を見たが、どれにも同じように「ひっくり返すなかれ」という意味だとある。

それらの中には、アホ‐テイネイに「ひっくり返してもいい」という解釈は間違い、と書いてあるのもある。

上に記したように、「ひっくり返してもいい」と解釈するのが正しい。

それらの辞書sに、せめて「慣用によれば」とか「この文言を考えた発案者が○○だった」とか「暗記だけ得意な者たち向けの文言なんだろう・・意味を暗記せよ」とか書いてあれば、辞書利用者も安心するのであるが、実態はそうでない。

権威というものは崩れ続けてきたし今も崩れつつある、という実態がある。


・・・さてそこで、
テンプラを揚げるときのことを考えてみよう。

てんぷら用の鍋に油が入っており、加熱されている、としよう。

調理の準備はすべて整っているとする。

で、その鍋にはいっている油の上の方を天と呼ぼう。

(下の方は地である)。

で、入れるだけにしてある、たとえば、エビをいくつか入れたとする。

さて、ニューヨークしているエビたちは、どんな音をたてるだろうか。

「プラプラプラ」という音の表現がいちばんしっくりくるかもしれない。

それからエビたちはどんな動きをするだろうか。

「フラフラ、フラダンス、フラフラ、フラメンコ」といったところだろうか。

「フラフラ」を「プラプラ」としても不自然ではないでせふ。

・・・ということで、テンプラ鍋の油の天(上)の方で、エビたちは、「プラプラ」と音をたて(油との相互作用で、だが)、「プラプラ」とダンスをする、という描写が成り立つのでアールス。

そこから、必然的に、「天プラ」と名づけられるナリサ・・・


・・・たまにはこういったオフザケもわるくないジャロウス・・・




(かなり前ネット上に載せた雑文・書きなぐりの加筆再掲・プラスα)



・・・幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ・・・



ぼくの記憶の遥かかなたに

広大な神秘の世界への扉がある

ぼくはそこまで行く

その扉はいくらか透き通っている

虹色の扉だ

でも その世界の中は見えない

その扉を開けてみたい

その広大な神秘の世界の中にはいって 中を巡ってみたい

でも その扉の鍵が見つからない

ぼくは困ってしまう

その扉の前で立ち往生するしかない

そこで ぼくはその扉の前に座り込んだ

そのうちいつしかぼくは眠ってしまったようだ

夢の中なのか 現実なのかわからないけれど

麗しい女性が現れて ぼくに小さな箱を手渡してくれる

ぼくはその小箱を ポケットにいれる

その女性は にっこりとほほ笑み それから遠くへと離れていき やがて見えなくなった

どれくらい時が過ぎたのだろうか

ぼくはまだ その扉の前にいることに気づいた

ポケットの中をさぐると その小箱はある

ぼくはその小箱を開けてみる

中にシャレた鍵がはいっている

その鍵をその扉にある鍵穴のようなところにいれてみる

鍵を回す

カチっと音がして錠前がはずれたようだ

その扉がゆるんだ

ぼくは扉を開けようとする

その扉はキーと音がしてなんなく開く

扉が開かれる

そこにはジャングルのような密林のような自然が横たわっている

ぼくは中に踏み込む

ぼくは密林の中を進む

木樹が生い茂っている

太陽の光は地面にまでは少ししか届かない

だからなんだろう 地面に生えている植物は少ない

それでも 少ないけれど 今まで見たことのない植物たちが生えており 美麗な花ばなを咲かせている

いろんな昆虫たちもいる

どれもこれも初めて見る昆虫たちだ

カラフルで斬新な形をしている

ヘビもでてくる でも襲ってくるようすはない

小さなリスのような動物たちもいる

ぼくはさらに進む

薄暗い所で光るキノコやコケ類に目がとまる

ホタルのような昆虫たちもでてきて光を放ちながら乱舞する

さらに進んでいく

ようやく密林をでることができた

そこには超大昔にいたと思われる植物たちが生えている

湖もある

その湖の水の中を見ると 不思議な形と色彩をもつさまざまな生き物たちがいる

泳いでいる生き物たちもいる

地質年代と相対年代はいくつにも区切られているけれど 全部まとめて超大昔と呼ぼう

超大昔にいた生き物たちをぼくは目の当たりにしている

いや ぼくにとって今現在それらは存在しているではないか

ぼくは不思議な感覚に捉えられ 自分は飛べるのではないか と思うに至る

すると ぼくはいつしか 上空から地上を見渡している

眼下にベージュ色で石造りの建物たちが見える

それら建物たちはかなり高い建築物である

感じとして まさに古代都市といったところだ

そのうち古代都市のはずれあたりにきたようだ

なにげなく横を見ると ぼくにあの扉の鍵をくれた あの女性が僕と並んで飛んでいるではないか

彼女には背中に白い翼があるではないか

彼女は「あなたにも翼があるわよ」と言う

ぼくは驚いて背中の方を見る

たしかに白い翼があるではないか

彼女は「あなたが疲れた時のために 仲良しのイルカを連れてきたのよ」とのたまう

あたりを見回すと 翼をもった白いイルカがいるではないか

イルカ君はゆうゆうと飛んでいる

ためしにイルカ君の背に乗ってみると イルカ君はうれしそうな声をあげる

イルカ君の背中は居心地がいい

でもぼくは 疲れるまでは自分で飛ぶことにする
イルカ君の背中を離れる

古代都市を通り過ぎる

やがて眼下に恐竜たちが見えてくる

恐竜たちは争っているようだ

翼竜が空を飛んでいる

始祖鳥もでてくる

そこを通り過ぎると
やがて眼下に非常に多くの人々が戦争をやっているらしい光景が広がってくる

ぼくは彼女に言う「ここはさっさと通り抜けよう」

「そうね」彼女もそれに賛成する

やがて眼下に古代の村落たちが見えてくる

そこの人々は 狩猟をしたり採集をしたり 川で漁業をやっているように見える

やがて深紅な太陽が地平線に没する頃合いになる

夕映えが美しい

すべてが オレンジ色が加わったような紅色に染まる

やがて夜になる

天空には天の川が横たわっている

素晴らしい眺めだ

ややあって 夥しい数の流星が降ってくる

その数や見当もつかない

流星雨とはこのことだ

流星雨に見とれていると 驚くことには 
ぼくたちはいつしか地球を離れているではないか

でもちゃんと呼吸はできる

ぼくたちは大宇宙を進んでいく

さまざまな星たちが見えてきては通り過ぎていく

なんという壮観さなんだ

超絶な大パノラマだ

永い時間が過ぎる

「ここが大宇宙の果てよ」と彼女が言う

「大宇宙の果てだって? 」とぼくは驚く

「そう 大宇宙の断崖絶壁ともいうのよ」と彼女はこたえる

「大宇宙の断崖絶壁? それって一体何なのかなあ」とぼくは返す

「今にわかるわよ」と彼女は興奮気味に言う

どこからともなく音楽が聞こえてくる

シンセサイザーのような音色の壮大な音楽だ

しばし聞きほれていると
「ほら あそこが大宇宙の断崖絶壁なのよ」と彼女が言う

何でできているのか全くわからないけれど 確かに途轍もない大きさと長さの断崖絶壁のように見える

見ていると 数知れない星たちが惑星たちとともに 断崖絶壁から落ちていくではないか

落ちていく下の方までは見えないけれど 確かに数知れないそれらは落ちていく

「これってどういうことなんだい? 」とぼくは興奮して声をあげる

「ここが大宇宙の果てなんだから こうなるのよ」と彼女も興奮気味にこたえる

「なるほど 大宇宙の果てなのか
それで落ちていく無数の星たちはどうなるんだい? 数知れない惑星たちも一緒に落ちていくけど」とぼくは興奮を隠せない

「それはもうどうしようもないことなの
それらの星たちは この大宇宙にいられなくなるんだから ……うーん それ以上はわからないわね」と彼女はこたえる

「あの無数の星たちは惑星たちとともにスクラップになるってことかな? 」とぼくは急いたように訊きかえす

「さあ どうなのかしら わたしそれ以上は知らないのよ ……ほんとに知らないの 知らないほうがよさそうね」と彼女は苦しそうにこたえる

しばしぼくたちは大宇宙の果ての超絶なパノラマを見つづける

シンセサイザーのような音色の壮大な音楽は未だ響き続けている

それからややあって「さてと そろそろ帰ろうか」とぼくは彼女に言う

「それがよさそうね」と彼女は同意する

ぼくたちは今来たコースを逆に辿り帰りつつある

途中でイルカ君の背中に乗ってみる

イルカ君はうれしそうな声をあげる

「ありがとうイルカ君」と言ってぼくはその背中をなでる

ぼくはイルカ君の背中を離れる

イルカ君はいつしかどこかに行ってしまう

ようやくぼくと彼女は この広大な神秘の世界への扉があるところまでに至る

「永い不思議な旅だったわね」と彼女が感無量なようすでつぶやく

「まったくそうだね どこもかしこも興奮ものだったよ なかでも大宇宙の果ての超絶なパノラマが頭から離れないなあ」とぼくは声をあげる

「あそこは特に強烈だったわね」と彼女も興奮気味に言う

いつの間にか二人の翼は消えている

ついにぼくたちは この広大な神秘の世界への扉に至る

その扉を開けて外にでる

ぼくはポケットから鍵をとりだし扉に鍵をかける

ぼくはその鍵を小箱にいれ「これ 返すよ」と彼女に返そうとする

彼女は「あなたがもっていなさいね」と言う

それでぼくはその小箱をポケットに戻す

扉をでると彼女はぼくから離れていく

そしていつしか彼女は見えなくなる

ぼくはため息をついて 自分の住居に帰ることにする

自分の家に帰り着く

「なんという不思議な経験をしたもんだろう」とぼくは呟きながら中にはいる

「夢だったんじゃないだろうか」と言いながら ぼくはポケットをさぐる

小箱はちゃんとある

振るとコトコト音がする

小箱を開けてみると ちゃんと あの鍵がはいっている

「ふーむ 夢じゃなかったんだなあ」
と、ぼくは神秘の念にうたれる

ぼくは一人でここに住んでいる

おなかがすいている

「もう夜だし 外出もめんどうだし なんかかんたんな夕食をつくろう」とぼくは独り言を言う

一人で住んでいると 独り言を言った方がいろんな意味でいいようだ

夕食をつくろうとすると
玄関のチャイムが鳴る

でてみると あの鍵をくれて不思議な旅を一緒にしたあの女性ではないか

彼女は大きく膨らんだレジ袋を提げている

驚いてぼくは
「あれ 君 よくここがわかったね それにしても今日の旅は神秘的だったね」

「そうね まったく不思議な旅だったわね」と彼女は微笑む

ぼくは
「君は今日の旅のことを計画していたとしか思えないんだけど」

彼女は
「うふふふ それについてはこれからだんだんわかってくるわよ
さあ とにかくあなたの夕食 いや 私たちの夕食をつくりましょう 中にはいるわよ」
と言って はいってくる

「今までの経緯から 君とぼくは他人どうしだとは思えないなあ ぼくは一人暮らしだから 助かるよ」
と歓迎する

彼女はテーブルに食材をならべる

「一緒に料理しましょう あなたに料理のコツを教えてあげる」
と彼女はうれしそうに言う

一緒に料理しながら
「君とぼくはよっぽど なんというか 深いつながりがありそうだなあ」
とぼくはしみじみと言う

「そうかもね 運命の赤い糸っていう表現もあるしね」
と彼女はこたえる

「じゃあ 君もホントのところは知らないの? 」
とぼくはたたみかける

「知らないのよ 神ですら知らないはずよ」
と彼女は手を動かしながら言う

「神ですら知らない? うーん それじゃあ運命ってとこかな? 」
とぼくも手を動かしながら問いかける

「運命って百パーセント決まってるわけじゃないのよ 選択と決断の余地が大きくあるのよ 質時間回帰っていう法則の実態はあるけどね」
と彼女は言う

「質時間回帰だって もっとカンタンに説明してくれないかなあ」
とぼくはこたえる

「カンタンに言えば ある体験をしたら将来必ずそれとは正反対の体験を同じ量経験するってことね」
と彼女は料理の味見をしながら言う

「ふーん そういうことか」
とぼくは飲み物を並べながら言う

「それから 転生はあるのよ 転生は永遠につづいていくの でもね自殺はこの世界の法則の実態によって禁じられているのよ」
と彼女は料理をうつわによそいながら言う

「自殺はこの世界の法則の実態によって禁じられているって 一体どういうこと? 」
とぼくは訊きかえす

「カンタンに言えば、あとでもの凄く苦しむことになるってことね……自殺って自分をそうするわけだから……質時間回帰によってあとで大変苦しいことになるの……過激な言葉は今は使いたくないから この程度の答えで満足してね いつか詳しく教えてあげてもいいわよ」
と彼女は困ったような様子でこたえる

「だいたいわかったよ……質時間回帰っていいところもあるけど 怖いところもあるんだね」
とぼくはちょっと沈んだように言う

「そうそう そういうことね……体験プラスマイナスゼロ化の法則といってもいいし 体験元戻りの法則といってもいいし 万人平等化の法則といってもいいわね……質時間回帰則についての表現はほかにもいくつもあるの」
と彼女は饒舌になる

「ますますよくわかったよ…… それにしてもはらへったなあ」
とぼくは よそわれた中のチーズをつまんで口にいれる

「あらあら お行儀がわるいこと」
と言って彼女は笑いだす

ぼくも一緒になって笑う

晩餐を始めようということになって 二人は飲んだり食べたりし始める

「それにしても 大宇宙の果てのあのスペクタクルはもの凄かったなあ」
とぼくは思いだしながら言う

「そうね あたしもビビっちゃったなあ」
と彼女も思いだしている様子だ

「あの断崖絶壁から落ちていく あれら夥しい数の星たちと惑星たちと 惑星たちに棲息している生物たちは いったいどうなるのかなあ」 
とぼくは あの時思ったことを口にする

「あの時答えたとおりよ あたしも知らないの」
と彼女は声をあげる

「質時間回帰則の実態と関係があるのかもね」
とぼくはさっき聞いた話しをもちこむ

「うーん そうかもね……よくわからないけれど」
と彼女はこたえてロゼワインを飲みほす

ぼくも赤ワインを口にする

「さっきの質時間回帰の話しなんだけどさ それってある意味カルマに似てないかな? 」
とぼくは問いをはっする

「そうね かなり似てるわね だから質時間回帰則を科学的カルマって言ってもいいのかもね」
と彼女はうけあう

「ところでさ あの不思議な世界のことなんだけど あれは『ぼくの記憶の遥かかなたに広大な神秘の世界への扉がある』ってことで 夢遊病者みたいにぼくはあそこに導かれたんだけど そこに君がやってきて ぼくにその扉の鍵をくれて 君はどこかに行ってしまって ぼくはあの世界の扉を開いて 中を巡っていると いつの間にか君とイルカ君が現れたよね そんなことはまるで夢の中の世界みたいなんだけど いったいどうなってるのかなあ」
とぼくは戸惑いながら問う

「その気持ちよくわかるけれど あなたは今もあの鍵をもっているし あたしはちゃんと 今ここにいるでしょ だからそれって現実なのよ」
と彼女は微笑みながらこたえる

「うんそうだね でもさ 君はまるでぼくの心がよめるように見えるし ぼくのここの居場所まで知っているし そこのとこいったいどうなってるのかなあ」
とぼくは謎を解きたくて訊く

「あははは あなたがそう思うのはムリないわね それについてもだんだんわかってくるはずよ」
と彼女は余裕をもったふうでこたえる

そんなふうにして 晩餐は終わり 彼女は帰っていく

次の日にも夕刻 彼女は膨らんだレジ袋をもってやってくる

ぼくは玄関のドアを開け 彼女を迎えいれる

「昨日は楽しかったよ 今日も晩餐だね」
とぼくは言う

「あたしも楽しかった また一緒に料理をつくりましょ」
と彼女も言う

そうやって晩餐を整え やがてぼくたちは昨日のように飲んだり食べたりをし始める

「ところでさ
君は昨日『運命って百パーセント決まってるわけじゃない 選択と決断の余地が大きくある 質時間回帰っていう法則の実態はあるけど』って言ったけどさ その選択と決断の余地はどこからでてくるのかなあ」
とぼくは暖めておいた問いを発する

「そうね それは自由意思からなのよ」
と彼女はこたえる

「なるほど 自由意思ってあるわけなんだね」
とぼくは言って
「もう少し詳しく説明してほしいな」

「そうね 人間って 普段は習慣や慣習や興味に従って生きていくことがほとんどなんだけど 重要な決断をするべき時には いろんな情報を集め 誰かに相談したりしながら よくよく検討して決断するでしょ
そこに自由イシ……『イシ』っていうのは 『心で思う』というのと『心の志し』っていうのがあるけど……そこに自由イシがあるわけ」
と彼女はこたえる

「なるほど 新しい何かをつくったり 新しい研究をするにも 自由イシが働きそうだね」
とぼくはかえす

「そうね まったくそのとおりだと思う」
と彼女は同意する

「ところでさ 偶然はどうなんだい 偶然って言えば 自由イシにも運命にも関係なさそうだけど 偶然についてはどう考えればいいのかなあ」
とぼくは前まえから気になっていたことを訊ねる

「サイコロを振って何の目がでるか ってとこを考えてみましょ
サイコロの目も 精密に言うと必然で決まっているという考え方もあるの
それってつまり それぞれのサイコロのもつ癖や振る人のもち方や手の角度 その振り方で どの目がでるか決まっている っていう考え方ね」
と彼女はサイコロをポケットから取りだして説明し始める

「うん なるほど」
とぼくはうなづき
「それにしても サイコロを取りだすなんて 君はまるでぼくの問いを前もって知っていたかのような感じだね やっぱり君は ぼくの心がよめるんじゃないの」

「あははは いやいや これはまさしく偶然なのよ これって偶然についての説明にも役に立つ偶然なの それにしても面白い偶然ね」
と言って彼女はさらにおかしそうに笑う

「潜在意識の働きによる偶然ってことはないかな 言い換えれば 潜在意識の働きによる必然 とかさ」
とぼくは首をひねりながら言う

「うーん 偶然が必然を装い始めたってとこね うーん どうなのかなあ」
と彼女も首をかしげる

「催眠術にかけられた人が 覚めたあとこれこれのことをしなさい って暗示をかけられたとしたら 覚めたあとほんとにそうするって話しだよ うまくいったばあいだけで全部が全部そうとは限らないかもしれないけどさ」
とぼくは関連のあることをしゃべる

「あ その話し知ってるわよ そして覚めた人がなぜそんなことをするのか言い訳をするんでしょ」
と彼女ものってくる

「そうそう でさ 君の潜在意識が不思議な能力を発揮して ぼくの心にアクセスしてぼくの頭にあること このばあいは偶然についての問いなんだけど それを知った とかさ」
とぼくは不思議な気分になりながら言う

「あはははは うーん そんなこと アリかもね そして無意識にサイコロを準備した とかね」
と彼女は首をかしげながら言う

「この世界はまことに不思議にして不可解なところなり ってね」
ぼくはふざけた調子で言う

「前にあたし あなたの問いに対してこんなこと言ったわよね 『そのうちだんだんわかってくるわよ』って
あたしにもわかってないことがたくさんあるから 今のもそのわかってくる中にあるのかもね」
彼女は考え込むようすで言う

「うんうん なるほど そんなところかもね 潜在意識や無意識の研究もおもしろそうだね」
ぼくは本音で言う

「そうね 偶然や必然について追究するにあたって そういったことも必要なのかもね
さて それはこれからの研究課題だとして置いておいて それはなかったこととして さっきあたしの言いたかったことを言うとして……
サイコロの目の出かたのところに戻ってのことだけど でも そこではどの目がでるか分析して結論をだすことはできない 神ですらそんなこと知らない って言いたかったのよ」
と彼女は本題に戻す

「蓋然性……つまり確率的必然性っていう考え方もあるよね」
とぼくは話しを拡張する

「そうね うーん だんだん話しがむずかしくなっていくわね
前に話した赤い糸っていう考え方も分析がむずかしい話しだし……」
彼女はマジメな顔になって言う

「今までの君との論点を整理すればどういうことになるかな……ぼくより君のほうが こういう問題について詳しそう……」
とぼくはたたみかける

「そうね えーと 運命 質時間回帰 赤い糸 転生 偶然 必然 確率的必然 神でも知らない 潜在意識 無意識 超能力的に情報を得る 自由イシ など それらの関係を知りたいってとこでしょ」
と彼女は考えながら言う

「そうそう そうなんだ すごく興味があるよ」
とぼくは一応満足する
「今のそれ聞いただけで 頭が整理された感じだよ」

「そう あたしも同じくそうよ」
と彼女は満足げに言う

「今の線で もっと詳しくそういったことについて知りたいな」
とぼくは彼女を励ます

「まず 永遠に転生があるってこと これは100パーセント証明されているのよ そしてその永遠の転生の中で 質時間回帰がなされていくってことね」
と彼女は考え考え言う

「ああ そうなんだ ぼくはそれを確信しているし信じているよ」
ぼくは納得する

「質時間回帰は 一回の生の中でもある程度なされるのよ
一回の生の中でなされることのできる質時間回帰っていうのは 禍福はあざなえる縄のごとし とか 楽あれば苦あり苦あれば楽あり とか 人間万事塞翁が馬 とか 徳を積みなさいとか ほかにもいろいろ成句があるし いろいろ言われてるでしょ」
と彼女はマジメな顔で言う

「たしかにそうだね それは一回の人生における確かな真実だね」
ぼくは得心する

「一回の生の中ではどうしてもなされることのできない質時間回帰ってのもあるのよ
性別とか ……性別についてはほんのわずかに例外があるケースはあるけど それも質時間回帰するのよ……  才能-能力とか 境遇とか 性質-性格とか 
身体のできや見た目に容貌とか ほかにもいろいろあるわね
それらは転生を通じて質時間回帰していくの」
と彼女は確信をもった様子で言う

「なるほどね 質時間回帰といっても 基本的にその二種類があるわけなんだ」
ぼくは納得する

「そういったふうにして すべての人たちが平等になっていくわけ……質時間回帰がないとこの世界はメチャクチャでデキソコナイなのよ……」
と彼女は顔をしかめ
「質時間回帰則っていうのは万人平等化の法則とも言える……」
と言ってしかめた顔をリラックスさせる

「たしかにそうだね まったくもってそのとおりだと思うよ」
ぼくは納得し確信する

「そこでね 運命っていうのを決めるのは大きくは質時間回帰則の実態なんだけど そこには自由イシで変えることができる領域があるということね」
と彼女はワインを飲む

「うんうん 小さくはそうだけど結局質時間回帰するってことだよね」
とぼくもワインを飲む

「そうそう あなた飲み込みが早いわねえ」
と言って彼女はワインを飲む

「飲み込みが早いって? 」
と言ってぼくはワインを注いで笑いながら全部飲む

「あははは ほらね あなた飲み込みが早いってこと証明しちゃったわね」
と言って彼女もワインを注いでさっと全部飲む

「はははは 君の方が飲み込みが早いじゃないか」
ぼくはさらにワインを飲む

「あははは 結局 ワインを飲み込むのと 理論とその説明を飲み込むのとは違うんだけど そこには共通するなにかがあるのかもしれないわね」
と言って彼女はさらにワインを飲む

「はははは 飲めば飲むほど理解が進むっていう 新しいコトワザができたのかもしれないね」
と言ってさらにぼくは飲む

「あははは たしかにそうかもね」
と言って彼女もさらに飲む

「そこでさ 一回の生の中でなされる質時間回帰と 転生を通じてなされる質時間回帰があるってことなんだけど そこにはそれらの両方を通じてなされる質時間回帰もあるはずだよね」
ぼくは飲みながら言う

「そうそう 一回の生の中でなされる質時間回帰といっても 完全にはなされないから その部分は転生を通じてなされるわけ」
と彼女も飲みながらこたえる

「そこでなんだけど 赤い糸ってどう理解すればいいのかなあ」
ぼくはマジメに訊く

「赤い糸って 一応は運命の範疇にはいるでしょうね」
と彼女はこたえる

「だろうね で どこからそんな運命がくるのかってことになるんだけどさ」
とぼくはたたみかける

「まず言えることとして……それは 多くの人たちの興味をひくように つくられた成句かもしれない」
と彼女はこたえる

「あ そうか なんの裏づけもなくつくられた成句……ありうるなあ」
ぼくはそう反応する

「なにかの裏づけを考えるとすれば…… 転生における必然 あるいは偶然 確率的必然つまり蓋然 潜在意識と無意識が働いて とか 超能力的に情報を得るところから とか それでも神ですらそこを知らない とか ……うーん むずかしいわね」
と彼女は悩ましげな表情になる

「うーん そうだね 結局 赤い糸っていう言葉だけが先走っていて その実態はどうなっているのか誰も知らない ってとこかな」
とぼくは受ける

「そうね そういうことなんだと思う……そういった成句を好む人たちは多いでしょうからね」
と彼女は返す

「うんうん そこだよね」
とぼくは納得する

「でね 自由イシが相手を探し選ぶってことを考えてみると そこでの結果も赤い糸で結ばれていた っていえるわけでしょ」
と彼女はたたみかける

「あ そうだね そういうことになるね」
とぼくは納得する

「だから 結局 赤い糸っていう表現は 多くの人たちが好む言葉であって そこに裏づけはない って考えるのが普通なのかもしれないわね」
と彼女は一応の結論をだす

「その裏に深い意味がある可能性もあるけど 今のところそういうことにしておこうってとこだね」
とぼくは返す

「知性体と意識体っていう存在があるんだけど ……これについては長くなるから今は説明しないけど……いつか説明するつもりなんだけど……それらの存在を考慮しても そこからも赤い糸っていう概念はでてこないと思う……ただ なんらかの知性体がふたりの男女を結びつけるよう働く ってことはありうるわね」
と彼女は言う

「知性体と意識体だって? 」
とぼくは驚き訊きかえす

「そう 一応手短かに説明しましょう 知性体っていうのは 人の心であって そういう器うつわが実際に存在するのよ タネもシカケもないマジックっていうのが実際にあるんだけど そういうマジックをなす存在は知性体なの」
と彼女は言う

「あ 知ってるよ タネもシカケもないマジックを見たことあるよ ほんとに不思議なんだよね」
とぼくは興奮ぎみに言う

「あ そうなんだ ほんとにそんなマジックってあるのよね
でね 意識体っていうのは 自分は自分であるっていう意識が生じる器うつわとその意識なの 自分が自分であるっていう意識は一生変わらないでしょ」
と彼女はのってくる

「うん そうだよね 自分のなにもかにもは変わり続けていくけど 自分が自分であるという意識だけは絶対に変わらないね」
ぼくものってくる

「そうそう 記憶も境遇も自分も周りも 全部変わっていくけど 自分が自分であるっていう意識だけは変化しないのよね
人の面影は残るケースが多いけれど 面影すら変わってしまうケースもあるのよ」
と彼女は言う

「そうだね 変化しないのは自分は自分だという意識と面影だけだね でも面影ですら変わっていくからね」
とぼくはこたえる

「そこでね 知性体っていうのは人間の心の本体なの 意識体っていうのは人間の意識の本体なのよ なぜそのふたつがあるのかって言えば 情報処理の関係から そのふたつがあるしかないわけよ」
と彼女は言う

「ふーん そうなんだ」
とぼくは応じる

「人間の心って いろんな情報処理をしてるわよね そういう情報処理はエネルギーのツブツブで行っているの それでないと情報処理ができないの」
と彼女は言う

「形がないと情報処理ができない ってとこかな」
とぼくは返す

「そうそう そういうことね
で 一方 意識の中身 内容っていうのは ツブツブでなくって滑らかに変化していくでしょ」
と彼女はたたみかける

「あ そうだね たしかにそうだよ」
とぼくは納得する

「知性体 つまり心が情報処理したツブツブの情報を意識体にいれれば波動化して滑らかに変化するようになるの 情報っていうのもエネルギーのもつ一面だし エネルギーはツブツブ性と波動性の両面をもっているんだからね」
と彼女は言う

「なーるほど そういうことか よくわかったよ」
とぼくは得心する

「人が昇天すると その人の心の本体は異次元の世界に移行するのよ それをここでは知性体って呼んでるわけ 知性体たちには得意なことと不得意なこと できることとできないことがあるのよ その中には さっき言ったタネもシカケもないマジックを行うことが得意な知性体もいるわけ」
と彼女は興奮気味に言う

「なるほど そういう条件のもとで 知性体たちができることはいろいろあるんだろうね」
とぼくはたたみかける

「そう 今言った条件のもとで 奇跡をおこせる知性体もいるし スピリチュアル系で言われているようなことをできる知性体もいるの 知性体の中には化学や物理の法則の実態を破ってコントロールできる知性体もいるのよ」
と彼女は言う

「・・・ってことは、多重人格-今では正式の呼び方は変わってるけど-それも知性体があればこそ起こる事象なんだろうね」
とぼくは興奮気味に言う

「そうそう、そうなのよ いいところに気づいたわね・・知性体が存在するから 人知でははかり知れないいろんな不思議なことが起こるのよ」
と彼女が返す

「・・・ふーん なるほど それは凄いな この世界は 謎と神秘に満ちている ってとこかな」
とぼくは興奮して言う

「まさにそうね そのとおりよ この先不思議なことがたくさん起こるかもね」
と彼女は確信をもったようすで言う

「じゃあ ぼくたちがはいって見た あの広大な神秘の世界も そういったもの中のひとつなんだろうね」
とぼくは戦慄を覚えながら言う

「そうね まさにそうだと思う」
と彼女も興奮を隠せないようすで言う

「いつかまた あの広大な神秘の世界を見てみたいもんだね」
とぼくは言う

「そのうちにまた行ってみましょう」
と彼女も同意する

「ほんとにあの不思議な世界のようすは圧倒的な迫力だね」
とぼくは言う

「そうね ほんとに凄い世界ね
あ そうだ それから これがあったわね 運命 質時間回帰 赤い糸 転生 偶然 必然 確率的必然 神でも知らない 潜在意識 無意識 超能力的に情報を得る 自由イシ など それらの関係についてはまだ結論がでていないけど これから先一緒に研究していきましょう」
と彼女は要点をおさえる

「うん そうしよう」
とぼくは返す

そんなふうにして日々が過ぎていく

彼女はいつのまにか ぽくの家に居ついてしまう

ぼくたちは謎と神秘の世界に関する話しやこの世界のさまざまについての話しに花を咲かせる

ぼくが一番気になっているのは
あの大宇宙の果てで 数知れない星たちが惑星たちとともに 断崖絶壁から落ちていく あのことだ
そのあといったいどうなるんだろう

彼女にそれを何度も訊ねてきているんだけど 彼女も知らないと言う

そんなふうにして歳月が過ぎていく

彼女はあの難問について話す
「もうひとつのあの難問なんだけどさ つまりあれよ
『運命 質時間回帰 赤い糸 転生 偶然 必然 確率的必然 神でも知らない 潜在意識 無意識 超能力的に情報を得る 自由イシ など それらの関係を知りたい』っていうあれよ 暫定的に一応の結論をだしてみましょ」

「うんうん それは難問だよ」
とぼくは返す

「結論はこういうことね
この世界には偶然もあるし必然もあるし確率的必然つまり蓋然もある
偶然について言えば 以前 サイコロで説明したように 科学ででも解明できない 神ですらそれを知らない……これについては神秘的な話しがあるんだけど ここでは端折っておくわね……」
と彼女は確信に満ちて言う

「うんうん そんな感じだね その神秘的な話しもいつか聞きたいな」
とぼくは返す

「いいわよ
そこから言うと 蓋然も偶然に近いわね 
確率性がはいっているんだから
それでね それに加えて 転生と質時間回帰によって運命のいくらか-から-ある程度の部分が決まる
質時間回帰には小さな回帰と大きな回帰がある 小さな回帰は一生のうちになされうる 大きな回帰も一生のうちになされうるところがある でも大きな回帰は主に転生を通じてなされる
以上の中に運命や赤い糸の概念もはいる
でもまだあるわよ」
と彼女は言う

「うんうん いろいろ君から聞いてきたから わかるような気がするよ」
とぼくはこたえる

「それから自由意思によって進めるところもあるの」
と彼女は言う

「それにも納得するよ」
とぼくは返す

「あとそれらに加えて 知性体は人の心をよめるかもしれない いってみれば超能力やテレパシーによってね 知性体は心器そのものだから 心器にもその可能性があるわね 心器は若いけど知性体の方が年季がはいっているから 知性体の方がいろんな能力は高いでしょうね」
と彼女は自信ありげに言う

「今までの話しを全部まとめると そういうことになるんだろうね」
とぼくは返す

「そうね 以上を全部総合すると その難問の答えになるはずよ」
と彼女はリラックスしたようすで言う

そんなふうにして星霜が流れていく

とある日
ぼくがあの神秘な世界のようすをまた見てみたいと提案すると
彼女もそうだと言う

そこでぼくたちは 再びあの不思議な世界にはいることにした

ぼくはあの扉の鍵を準備する

朝食を済ませて ぼくたちは歩き始める

充分歩いて ぼくたちは あの広大な神秘の世界への扉のところにたどり着く

透き通っていて虹色であるあの扉がある

中はやはり見えない

ぼくは胸の高鳴りを感じながら その鍵穴に鍵をいれる

鍵を回す

カチっと音がして錠前がはずれたようだ

前回と同じくキーと音がして その扉はなんなく開く

ぼくたちは あの広大な神秘の世界の中に踏み込む

そこにはジャングルのような密林のような自然が横たわっている

しかしなんと

それらは茶色っぽくなっている

枯れかかっているではないか

彼女にこの間のようすを説明する

彼女は
「困ったわね」
と眉をしかめる

前よりは多く 太陽の光が地面にまで届いている

でも 太陽の光はこの間よりは 少し赤みががっている

こんな色の太陽の光を見るのは初めてだ

夕映えや朝映えは別として

彼女も同じく初めてだと言う

二人並んで進んでいく

前に見た美麗な花ばな は大元から枯れかけている

彼女にこの間のようすを話す

また彼女は眉をしかめる

前に見た昆虫たちやヘビや小さなリスのような動物たちは ひっくり返ってヒクヒクと痙攣している

薄暗い所で光るキノコやコケ類も枯れかかっている

この間見た 光を放ちながら乱舞していたホタルのような昆虫たちもひっくり返って痙攣している

ぼくは彼女にこの間のことを説明する

「困ったことね」
と彼女は眉をひそめる

さらにぼくたちは進んでいく

ようやく枯れかかった密林をでることができた

そこには超大昔にいたと思われる植物たちが生えているけど それらすべても枯れかかっている

湖もある

その湖の水の中を見ると 不思議な形と色彩をもつさまざまな生き物たちがいる

それらもひっくり返って痙攣している

泳いでいる生き物たちもいる

それらも同じくひっくり返って震えている

「一体どうしたんだろう」
とぼくは声をあげる

「なぜこんなことになったのか あたしにも まったくわからないわね」
と彼女は返す

ぼくは落胆しながら……
この間と同じく ここでぼくは不思議な感覚に捉えられ 自分は飛べるのではないか と思うに至る

横を歩く彼女を見ると
背中に白い翼がそなわっているではないか

「あ 君 白い翼が生えているよ」
ちょっと驚いてぼくは言う

「あなたも同じくよ」
と彼女は微笑んで言う

自分のうしろを見ると まさしく翼があるではないか

「うーん 不思議なこともあるもんだ」
とぼくはつぶやく

ややあって
二人はいつのまにか高いところを飛んでいる

この間やってきた彼女の仲良しのイルカ君もいつのまにか僕たちに合流しているではないか

翼をもった あの白いイルカ君だ

ぼくはイルカ君を見て微笑む

イルカ君はうれしそうな声をあげる

……下を見下ろす……

前回は
『眼下にベージュ色で石造りの建物たちが見える』
『それら建物たちはかなり高い建築物である』
『感じとして まさに古代都市といったところだ』
といったところだったのに
今回は それら建物たちは崩壊し瓦礫になっているではないか

「わあ ひどいことになってるじゃないか どうしたんだろう」
と僕は声をあげる

「ほんとにひどいわね 一体どうしたのかしら」
と彼女も大きな声で言う

イルカ君は
「ぎゃ ぎゃ ぎゃ~~」といった声をあげる

その声は明らかに不満の声に聞こえる

そのうちに古代都市のはずれあたりにきたようだ

しばらくすると 廃墟になった古代都市を通り過ぎる

やがて眼下に恐竜たちが見えてくる

といっても恐竜たちはひっくり返って痙攣しているのだ

翼竜も始祖鳥も同じくひっくり返って震えている

遥か遠くに巨大なクレーターのような陥没が見える

「うーん……」
ぼくも彼女もうめくような声をあげる

イルカ君もかわった声をあげる

そこを通り過ぎると 夥しい数の人たちがひっくり返って痙攣している

ここは前に来たとき とんでもなく大規模な戦争があったところだ

ぼくは彼女に言う「ここは前回以上にさっさと通り抜けよう」

「そうね そうしましょう」彼女もそれに賛成する

イルカ君はまたまた
「ぎゃ ぎゃ ぎゃ~~」といった声をあげる

そこを通り過ぎる

やがて眼下に古代の村落たちが見えてくる

そこの人々は 前に見たときは 狩猟をしたり採集をしたりしていたのだ

ところが 人々はひっくり返って痙攣しているではないか

イルカ君はよたびめ……
「ぎゃ ぎゃ ぎゃ~~」といった声をあげる

ぼくと彼女は顔を見合わせ ともに眉をしかめる

そこを通り過ぎる

やがて深紅な太陽が地平線に没する頃合いになる

夕映えが美しい

すべてが オレンジ色が加わったような紅色に染まる

でも前回とはその色合いが異なっている

灰色と茶色が加わったような色調になっている

「不気味な色合いね」
と彼女がつぶやく

「そうだね なんかヘンだね」
とぼくはかえす

やがて夜になる

天空には天の川が横たわっている

素晴らしい眺めだ

その天の川には 今まで見たことのない 明るく輝く巨大な星があるではないか

「ヘンな星がでてきてるよ」
と彼女の方を見ながらぼくはつぶやく

「あたしもあんな星は初めてみるわ」
と彼女もぼくを見てつぶやく

ややあって 夥しい数の流星が降ってくる

その数や見当もつかない

流星雨とはこのことだ

でも 前回に見た流星雨と比べると数が圧倒的に増えている

不気味だ

不気味ながら 流星雨に見とれていると 驚くことには 
ぼくたちはいつしか地球を離れているではないか

でもちゃんと呼吸はできる 前回と同じだ

ぼくたちは大宇宙を進んでいく なかなかの体験だ

さまざまな星たちが見えてきては通り過ぎていく

なんという壮観さなんだ

超絶な大パノラマだ

でも前回とはなにかが違う感じがする

そのことを彼女に告げてみる

「たしかにそうね なにか雰囲気が違うわね」
と彼女はかえす

永い時間が過ぎる

「さあ 大宇宙の果てに着いたわよ」
と彼女が言う

「大宇宙の断崖絶壁に着いたんだね」
とぼくは返す

前回と同じく どこからともなく音楽が聞こえてくる

シンセサイザーのような音色の壮大な音楽だ

でも 前回よりなんか より悲壮な音楽に聞こえる

「この大宇宙の音楽 なんか 前回より悲壮な感じね」
と彼女も言う

しばし聞きほれていると 大宇宙の断崖絶壁が見えるところまにまで至る

途轍もない大きさと長さの断崖絶壁だ

見ていると 数知れない星たちが惑星たちとともに 断崖絶壁から落ちていくではないか

その数や前回よりかなり増えているように見える

「もっと断崖絶壁の下が見えるところまで行こう」
とぼくは彼女に言う

「そうね どうなっていくのか確認しないとね」
と彼女は返す

ぼくたちとイルカ君は 断崖絶壁より高く上昇し 断崖絶壁の下が見えるところに至る

夥しい数の星たちが惑星たちとともに 断崖絶壁から落ちていく……

断崖絶壁の下はいったいどうなっているのか

ぼくたちは恐る恐る覗き込む

恐ろしく広大なそこには
真っ赤になっている部分たちと 真っ黒になっている部分たちが あちこちにある そられ以外の色たちの部分たちもある

それらの形状はわからない

真っ黒な部分たちの中にはブラックホールもあるのだろうか

「うーん 真っ赤な部分たちは灼熱化してるのかな」
とぼくはつぶやく

「真っ黒な部分たちの中にはブラックホールもあるのかもね」
と彼女はつぶやく

イルカ君が何か言葉のような声をあげる

ぼくと彼女にはその意味はわからない

ひょっとしたらイルカ君は それらの謎についての答えを知っているのかもしれない その超能力で

ぼくはイルカ君の言葉を知りたくなる

イルカ君は相変わらず言葉のような声をあげている

ややあって ぼくはイルカ君の言っていることがわかるような気がしてくる

イルカ君の思念がぼくの頭に流れ込んでくるようだ

「そうだよ 灼熱の部分たちと ブラックホールの部分たち があちこちにあるんだよ」
イルカ君はそう言っているのだと思える

「ほかには 瓦礫やガラクタの部分たちもいろいろあるよ」
さらにイルカ君の思念が流れ込んでくる

「そのうち全部がブラックホールに吸い込まれていくよ」
イルカ君はそう言っている

もうまちがいなく イルカ君の言ってることばがわかる

「そうなるともうそこには生物生命反応はなくなるんだ」
イルカ君は恐ろしいことを言う

イルカ君が静かになる

……夢の中のような今の心の体験をぼくは彼女に話す……

「あたしも あなたとまったく同じ心の体験をしたわよ」
と彼女は言って イルカ君をなでる

イルカ君は困ったような感じになる
恐ろしいことをぼくたちに言ったので そういう反応をするのだろう

ぼくは彼女にそう告げる

彼女は「そうに違いないわね」とかえす

「ここでのすべてが夢であってほしい」
とぼくはつぶやく

「あたしもそう思うけれど 夢もまた現実なのかもね」
と彼女は言う

「うーん」
とぼくは絶句してしまう

彼女も絶句する

ちょっと長い時が流れる

「もうそろそろ帰りましょうよ」
彼女が決然として言う

ぼくたちは地球に戻りながら会話する

「今回の観察では 数知れない星たちが惑星たちとともに 断崖絶壁から落ちていく その数が前回よりかなり増えているように見えたんだけど
なぜ 前回より増えたんだろう」
とぼくは不思議に思っていることをしゃべる

「うーん そうね 不思議ね どうしてかしら」
と彼女はかえす

するとまたイルカ君が声をあげ始める

イルカ君の思念がぼくの心にはいってくる

「大宇宙の果ての位置は変動するんだ
ちょうど海水面の高さの変化で 海岸線の位置が変動し陸地の面積が変化するようにね
しかも 大宇宙の果ての変化は そういった陸地の面積の変動なんかより もっと大きく変わるんだ」

ぼくと彼女は目を見合わせる

ぼくは今の心の体験を彼女につたえる

彼女が言うには
「まったく同じだわね あたしもそういう思念を聞いたのよ」

「ふーむ イルカ君っていったい何者なんだい」
とぼくは不思議に思っていることを彼女に訊く

「あたしの友達よ 昔 海で知り合ったの」
と彼女はかえす

「イルカ君の名前はなんていうの? 」
とぼくはたずねる

「イルカ君よ」
と彼女は言ってほほえむ

ぼくは笑いだす

彼女が笑いだし イルカ君も笑う

ややあって
「今は イルカ君に翼があるよね 海でのイルカ君はどうだった? 」
とぼくは訊く

「あなたと同じよ なかったわよ」
と彼女はかえす

「そうかあ でもなんでイルカ君が前回と今回 ぼくたちと行動を共にすることになったんだろう? 」
とぼくはたずねる

「それ あたしも知らないのよ どうしてかしら」
と彼女は不思議そうな表情で言う

「それにしても イルカ君は なんでも知ってるようにみえるね」
とぼくは言う

「まったくそうね 不思議だわね」
と彼女はかえす

「大宇宙の果ての位置が大きく変動するのはどんな要因からなんだろう? 」
とぼくは彼女に訊く

「さあ そんなこと知らないわよ」
と彼女はかえす

イルカ君が声をあげる

「それはね 人間をはじめとした知的生物の質時間回帰によるものなんだ 人間と同じような知的生物は大宇宙の惑星たちにはたくさんいるよ」

イルカ君の言葉が心に流れ込んでくる

「イルカ君 質時間回帰がどう働いてそうなるんだい? 」
とぼくはイルカ君に向かって声をあげる

「それはね いちばんカンタンに言えば 寿命がきたってことなんだ」
イルカ君の言葉が心にはいる

ぼくは彼女を見て首をかしげる

「前と同じよ イルカ君の言葉は あたしにも聞こえるわよ」
と彼女は言う

イルカ君はさらに声をあげる
「そのほかにも そういった変動は 星たちや惑星たちの生命エネルギーの減少にもよるのさ」

「生命エネルギーの減少だって? 」
とぼくは直接 イルカ君に言う

イルカ君は
「そうさ 恐竜について言うと 地球ででも 生命エネルギーが大きく減ったとき 小惑星が地球に衝突して そのあと 地球に闇の時代が訪れ 恐竜は絶滅したんだ 小さな爬虫類や鳥類は今でもいるけどね」

「太陽系や地球の生命エネルギーの減少と 小惑星の地球への衝突はつながっているってわけ? 」
と彼女が訊く

イルカ君は
「そうそう つながっているんだ この世界のほとんどは そんなふうにしてつながっているんだ」

ぼくと彼女は
「うーん」
と声をあげる

イルカ君は
「それとは逆に 地球で 生命エネルギーが最大になった時期があったんだ その時 いわゆる カンブリア大爆発が起こったんだ いろんな生物が爆発的に生まれて増えたカンブリア大爆発のことさ」

ぼくはイルカ君に向かって言う
「で 今のぼくたちのいるところはどうなんだい? 」

イルカ君は
「さあ どうなんだろうね 答える気にならないよ」

彼女とぼくは顔を見合わせる

ぼくたちは地球にたどり着く

さっき来たコースを逆にたどっていく

それにしても 太陽の色がますますおかしくなっている

ぼくと彼女は顔を見合わせる

イルカ君も困ったような表情をしてぼくたちを見る

ぼくはイルカ君に向かって訊く
「ところでイルカ君 質時間回帰と生命エネルギーの関係はどうなってるんだい? 」

イルカ君がこたえる
「質時間回帰によって生命エネルギーが減少することは多いよ」

「ああ そうなんだ」
と彼女がうける

ぼくたちは この広大な神秘の世界の中を 来た時とは逆にたどっていく

いつしかイルカ君はどこかに行ってしまう

飛ぶのをやめ
この世界の出は入り口に近づいていくと 彼女とぼくの翼は消えてしまう

「おなかすいたわね 早く帰って 食事をつくりましょ」
と彼女がいう

「ぼくもペコペコさ ペコちゃんさ」
とぼくが言うと
彼女は笑いだし ぼくも笑う

ぼくたちは行きつけのマーケットで買い物をする

レジ袋2つとも大きく膨らんでいる

歩きながらぼくたちは話し合う

「それにしても あたし あの神秘の世界の中でのできごとが頭から離れないのよ」
と彼女が言う

「ぼくだってそうさ ぼくたちの世界にまで なんか影響がでてきそうでさ」
ぼくは深刻そうにこたえる

「そうなの あたしもそう感じるの」
彼女もこまった様子をみせる

「その点について言うと イルカ君が言ったことの中にあるポイントは 質時間回帰と生命エネルギーの低下だよね」
とぼくは言う

「そうそう そうだったわね」
と彼女はかえす

「そのふたつのポイントを有効に活用してなんとかならないものかなあ」
とぼくは反応する

「うーん そうね その点で何か強力なやり方をとれば なんとかなるのかもしれないわね」
と彼女がかえす

「強力なやり方? いったいどんな? 」
ぼくはせきこむような調子で言う

「そこまでは何も考えてないのよ」
と彼女がこたえる

家に着く

さっそく晩餐の用意をはじめる

おなかがペコちゃんであるぼくたちは つまみ食いをしながら つまみ飲みをしながら 料理をつくる

「あなた 料理するのが上達してきたわね」
と彼女が笑顔でぼくをほめる

「ほんとかい? うれしいなあ」
とぼくは笑顔でかえす

「おまけに つまみ食いと つまみ飲みまで上手になってきてるじゃない」
と彼女は もちあげ落としのワザをつかう

「君だって つまみ食いと つまみ飲みの達人じゃないか」
とぼくはまぜっ返す

「だって おなかがペコちゃんなんだもん」
と言って彼女は笑う

「そこについては ぼくたちは同格だね」
と言ってぼくも笑う

笑いながらの晩餐の準備がととのう

いろいろ会話していると ぼくは思いだす
「そういえば ぼくはさっきのさっき イルカ君に訊いたことを思いだしたよ 『大宇宙の果ての位置の変動 それと質時間回帰 さらに生命エネルギーの減少』のことなんだけど
ぼくたちのいるところはどうなるのか って訊いたんだ」

「それ あたしも覚えているわよ」
と彼女はかえす

「うん それでさ
イルカ君は
『さあ どうなんだろうね 答える気にならないよ』
って反応したんだよ」
とぼくはつづける

「そうだったわね その反応を聞いたとき あたし背筋が寒くなったのよ 覚えてるわよ」
と彼女は言う

「じつは ぼくもそうだったんだ」
とぼくはかえす

「『答える気にならない』ってことは 大変なことになるっていうことと同じじゃない」
と彼女は眉根にしわをよせる

「どう考えてもそういう結論になるよね」
とぼくも深刻な様子になる

「こうなった上は イルカ君にもう一度そこのところを訊いてみるのがいいと思うんだけど」
と彼女は決然とした様子で言う

「それについては反対のしようがないよ」
とぼくはかえす

「そうは言っても イルカ君に確実に会える手段を あたし知らないのよ」
と彼女はうつむく

「あの神秘の世界の中では 確実に会えるみたいだけど」
とぼくはかえす

「そうね あの世界で 最初にイルカ君が現れたのを あたし イルカ君を連れてきた と言ったけど あれだってイルカ君が勝手に現れたのよ イルカ君はあたしのお友達だから 連れてきたって言ったまでよ」
と彼女は言う

「あそこに行けば 確実にイルカ君に会えるのかもしれないけど 今日 あの世界を見てきたばかりだから もう当分は行く気にならないね」
とぼくは言う

「そうね あの世界は刺激が強すぎてくたびれちゃうわね」
と彼女は言う

「ふーむ それならさ 君がイルカ君と出会った海にいってみたら会えるかな? 」
とぼくは訊く

「それも確実じゃないの 会えない公算の方が大きいと思う」
と彼女はかえす

そんなふうに 彼女とぼくは飲んだり食べたりしながら 夜遅くまで話し込む

ぼくたちが今 一番知りたいことを知れるような方法についての結論はでない

ぼくたちは いつのまにか 飲みつぶれ食いつぶれ ……というのは100パーセント冗談ナリス……

ぼくたちはいろんな話題に花を咲かせているのである

でも そのうち二人とも眠くなってくる それは彼女を見ると一目瞭然だ……

……次の日……

ぼくと彼女は イルカ君に会えるあてもなく 街にでる

二人してあちこち歩き回る

公園で一休みしていると 人々の大きな声が聞こえてくる
「あ イルカが空を飛んでるよ」
「ほんとにイルカだね」
「翼のあるイルカだわ」

ぼくたちは声のする方に行く

空を見上げると なんとイルカ君ではないか

イルカ君はゆうゆうと飛んで ぼくたちの上にくる

ぼくと彼女は顔を見合わせる

「イルカ君は ぼくたちの心をよんだのかな」
とぼくはつぶやく

「そうかもしれないわね 油断のならないイルカ君だこと」
と言って彼女は笑う

突然 イルカ君の思念が心に流れ込んでくる
「その問題については 何も考えないのがベストだよ 忘れることが最善なんだ」

彼女もぼくもイルカ君の言葉を反芻する 二人ともそれを声にだす
それは当然一致している

ぼくと彼女は顔を見合わせる

イルカ君はぼくたちに向かってウインクする

ぼくは自分の中の何かの記憶がうすれ消えていくのを感じる

彼女にそのことを話すと 彼女も同じくそうだという

イルカ君が
「あの問題についての君たちの記憶を消したんだ」

ぼくには何のことかわからない

彼女に訊くと 彼女もわからないと言う

「これが最善なんだ じゃ またね~」
とイルカ君は言って
遠くに飛び去っていく


それから何日かたつと イルカ型の飛行船たちが空を飛ぶようになっている しかもそれらは翼をもっている

彼女とぼくは それらを見ると 顔を見合わせて笑う

「すごいものを造る人たちがいるもんね」
と彼女は笑う

「まったくだね」
とぼくも笑う


(X『それからあと ぼくたちはあの問題のことについて話さなくなっている
(この文にはオカシなところがある……下のカッコ内を参照)

(どこかで イルカ君が言うのが聞こえてくるようだ「ぼくが忘れるようにしてあげたのさ」……(ここは 視点の問題そのほかがあるので 書きにくいことハナハダしい……神を登場させるのもヘンだし まあこんなところ))

(ここに 一人称視点の弱点が発現したナリス)

(しかしまあ カッコを使うと まあこれでいいんじゃないだろうか……ほかに書きようがないナリス……)

(そのあと こんなカッコ注をつけなくてもいい表現を思いついたので 上にそれを書いた)』X

(上述 「X『」 ~「X』」を削除できるようその上に加筆した しかしそれは削除せずに残しておこう)


さて ぼくたちは 今までどおりに暮らしていく

あいかわらず あちこちを イルカ君タイプの飛行船たちが飛び回っている

とある日 ぼくたちは夕食の準備のために いつものマーケットに行く

彼女とぼくは いろんな食材やアルコール飲料や そのほかいろいろ買う

レジ袋たちは膨れている

家に向かう途中 イルカ君が上に現れる

「やあ イルカ君 久しぶりだね」
ぼくはそう言う

「ほんと イルカ君 ときどきでてきてね」
彼女もうれしそうに言う

イルカ君は言う
「やあ 二人とも あの問題について考えなくなってるので安心したよ」

そう言うイルカ君の言葉が心にはいってくる

ぼくたちの経験からいって 彼女も同じはずである

彼女とぼくは顔を見合わせて不思議そうな表情になる

「あの問題ってなんだい」
「あの問題って言われてもわからないじゃない」
ぼくと彼女は思わず声をあげる

イルカ君は
「そうそう それがいいんだよ じゃ またね~」
と言って飛び去っていく


ぼくは キツネにつままれたような じゃなくて イルカにつままれたような表情で家に向かう

彼女も同じはず

家に着く

いつものように ぼくたちは晩餐のための料理をつくりだす

つまみ食いしながら つまみ飲みしながら なのもいつもどおりである

「今日のイルカ君 なんかヘンなこと言ったわね」
と彼女が言いだす

「そうだったね あの問題がどうのこうのと言ってたね」
とぼくはかえす

「そういえば イルカ君が『あの問題についての君たちの記憶を消したんだ』と言ったことを思いだしたわよ」
と彼女が手を叩く

「ぼくも それ 覚えてるよ」
とぼくはかえす

「たぶん あたしたち イルカ君に 何か質問したんじゃないかしら」
と彼女は言う

「イルカ君は不思議な力をもってるからね その超能力で ぼくたちに その問題を考えることをやめさせた ってとこかな」
とぼくはかえす

「たぶん そうだと思う」
と彼女は言う

ぼくは極限まで薄められた記憶が少しよみがえってくる感じがしてくる

それを彼女に言うと 彼女もそうだと言う

「それにしても なぜ イルカ君が言ったように『あの問題についてのぼくたちの記憶を消した』のだろう? 」
とぼくはいぶかる

「うーん それって難問ね
『あの問題』が何なのかハッキリわからないと それについて考える手立てもないな」
と彼女はかえす

「まったくだね」
とぼくも納得する

彼女が手を打って言う
「あ そうだ ミョウガよミョウガ ミョウガについての俗説に ミョウガを食べれば物忘れするっていうじゃない だからミョウガを食べれば このばあい逆に思い出すんじゃないかな ってヘンなこと思いついたの」

ぼくは笑いだし
「イルカ君がミョウガをきらいだったら ひょっとしたら思いだすかもね」
と言う

彼女も笑い
「もちろんこれは ジョーダンみたいな思いつきなんだけど あした ミョウガをたくさん食べてみましょうよ」
と言う

ぼくは笑いながら
「大賛成」
と声をあげる

「ミョウガは今は温室栽培もされてるから たいていの時期に手にはいるんじゃない? 」
と彼女が言う


次の日の夕方 ぼくたちはいつものマーケットに買い物に行く

ぼくたちは なんやかんやと物色する

買い物カゴの中身が増えてきた頃
彼女が「あったわ」と声をあげる

まさにミョウガである

ぼくたちは喜びながら ミョウガを思いっきりたくさんカゴに入れる

レジを済ませ ぼくたちは膨れたレジ袋たちを提げて 家路を急ぐ

「これって ジョーダンなんだから 効かないはずよ」
と彼女が笑う

「もちろん わかってるよ でもさ 溺れる者はワラをもつかむ って言うからこれでいいと思うよ」
と言ってぼくも笑う

「溺れる者はミョウガをもつかむ ってとこね」
と言って彼女は笑う

ぼくも大笑いする

「上段に構えたら ジョーダンを打ち破れるのかもしれないね」
とぼくはかえす

彼女は笑う

家に帰りつき ぼくたちは晩餐の準備を始める

「ジョーダンを打ち破るミョウガ料理って どんなのがいいと思う? 」
と彼女は笑いながらつぶやく

「そうだねぇ スミソあえ とか スジョウユかけ とか そんなとこかな」
とぼくも笑いながらかえす

「それに ニンニク ショウガ ワサビ トウガラシ ネリカラシ とか いろんな香辛料を加えるといいかもね」
と彼女はうれしそうに言う

「そうだね 脳に強烈に響きそうだね 香辛料のオンパレードでいこう ってとこだね 効くかも」
とぼくはかえす 

彼女もぼくも大笑い状態になる


ぼくたちは晩餐の準備を始める

まずはミョウガ料理だ

「まず こうやってミョウガを逆さにしてコップに入れるのよ」
彼女はそう言って そのとおりにやる

「ん それはいったい何のオマジナイなんだい? 」
とぼくは反応する

「あらら あなた そんなこともわからないの? 」
と彼女はおかしそうに言う

「えーと ちょっと待ってプリーズ あ そうだ ミョウガの効き目を反対にするオマジナイだね」
と言ってぼくはふきだす

彼女も笑いだし二人して大笑いになる


「そうそう 物忘れの反対で 忘れたことを思いだすとか 記憶力がよくなるってとこよ そのオマジナイなの」
と彼女は笑いながら言う

「あははは 君はコメディアン候補だね」
とぼくも笑う

「あははは そうなの おまけに ミョウガをからかうと ミョウガが怒って本気になるはずよ」
と彼女は笑う

「うん? あ ミョウガが怒ると 反対になった効き目が強くなるってわけだね」
と言ってぼくはふきだす

「そうそう あなたなかなかわかりがいいじゃないの」
と彼女はかえす

「あははは あとは いろんな香辛料をたくさん入れたり混ぜたりして ミョウガをもっと怒らせるってことだね」
とぼくは反応する
「いろんな香辛料っていうのは ニンニク ショウガ ワサビ トウガラシ ネリカラシ とか そのほかいろんな香辛料のことなんだ」

「それと ミョウガをよくよく噛んでさらにミョウガを怒らせるわけ」
と言って彼女は笑う

ミョウガ料理のほかにもいろんな料理ができあがる

いつものように つまみ食い つまみ飲み しながらのことである

ぼくたちは食卓につく

ぼくは
「おお ミョウガ大明神よ ぼくたちの意図を汲みとって 働いてくだされ」
と言って笑い
「あれ 笑わない方がいいかな? 」
と反応する

「笑った方がいいにきまってるわよ 引っくり返ったミョウガが怒ると 効き目バツグンのはずよ」
と言って彼女は笑う

「うん それも一理あるね」
とぼくは笑いながらかえす

「じゃ まず 今日の晩餐の本筋 ミョウガ料理をたくさん食べましょうよ」
と彼女が言う

ぼくたちは ミョウガ料理を さまざまな香辛料とともに食べていく

「なかなか美味いなあ」
とぼくはつぶやく

「そりゃそうよ あたしとあなたのガンバリがはいってるんだから」
と言って彼女もパクモグする

パクパク モグモグ

アルコール系の飲み物たちも じゃんどん つまり じゃんじゃん どんどん 減っていく

ここでぼくは いや それは 減っていくのではなくて ぼくたちの胃に移動するだけなんだ と気づく

ミョウガ料理を食べつくすと つぎは いろんなハミーつまり食む物つまり食べ物たちをぼくたちは食べ始める

パクパク モグモグ 飲みー飲むー

そんなふうにして夜がふけていく

そのうちに二人とも眠くなっていく


つぎの日の朝

小鳥たちの歌声で目覚めたぼくは イルカ君に質問した内容を思いだせているではないか

「やったー」とぼくは声をあげる

彼女は
「うるさいわね いったいどうしたの? 」
と言いながら 起きあがる

「逆さミョウガが効いたんだよ」
とぼくはかえす

「あ あたしも それ思いだせてるじゃない」
と彼女もうれしそうな声をあげる

「君のジョーダンきわまりない計画は当たったね」
とぼくは声をあげる

「あははは どうしてかしら ジョーダンがこんなことになるなんて」
と彼女も声をあげる

「よかったよかった
あ でもさ 喜んでばかりはいられないよ あの問題 今度はイルカ君に訊かず ぼくたちだけで考えて結論をださなきゃならないからね」
とぼくは反応する

「そうね イルカ君に訊くと また記憶を消されちゃうでしょうからね」
と彼女は反応する

「そうそう そうなりそうなんだよね」
とぼくは言う

「イルカ君は ミョウガ能力をもってる ってとこね」
と言って彼女は笑う

ぼくも笑う

「イルカ君の名前が決まったわよ ミョウガ君よ」
と言って彼女は笑う

「そりゃあ傑作だ」
と言ってぼくも笑う

「でもイルカ君は ミョウガ能力だけじゃなくて ほかにも凄い能力をもってるわね 彼の名前 不思議ミョウガ君がいいかな」
と彼女は言う

「その彼は今どこに イルカな?
 ぼくたちの会話を聞いて イルカもしれないな
 今までの経緯からいってそう言うしかないよ」
とぼくはかえす

二人して大笑いになる

そのあと
二人して その問題『ぼくたちのいるところはどうなるのか』についていろいろ彼女と話し合ったけど むずかしすぎる問いなので 答えはでない


二人は仕事と雑用におわれる

時はすぎ
やがて夕方になる

ぼくたちはいつものように どこかのマーケットに行く

今回は昨日とは違うマーケットである

そこで食材を買い込む

膨れたレジ袋たちを提げて 二人は家に向かう

「今日は 不思議ミョウガ君 でてこなかったわね」
と彼女が言う

「そうだね ちょっと期待してたんだけどね 警戒を含めてさ」
とぼくはかえす

「そんなとこね でね イルカ君がでてきていたら どうなっていたと思う? 」
と彼女は訊く

「うーん 質問はしないと決めていたから 通り一遍で終わっただろうと思うよ」
とぼくは反応する

「でも 今までの経緯からいって 不思議ミョウガ君は あたしたちの心をとっくに読み取っていそうな気がするんだけど」
と彼女は言う

「そうかもしれないな 怪人イルカ君だもんな
あ そうだ 君だってそんなとこがあるよ あの神秘な世界 その関連でいうと 君も不思議な人間なのはまちがいないね」
と言ってぼくは彼女を見る

彼女は
「あはははは さあ どうなのかしら」
と言って
「そんなことより 肝心の問題を解くのが先よ」

「なんか かわされちゃったみたいだけど
それにしても 今回の問題を解くのはむずかしいもんだなあ」
とぼくはため息をつく

「今夜の晩餐で徹底的に考えましょうよ」
と彼女はかえす


家につくと 飲み食いの大好きなぼくたちは さっそく 料理を始めた

もちろん つまみ食い つまみ飲みしながらである

さらには あの問題について論じながらである

晩餐の準備は整い ぼくたちは席につく

パクパク モグモグ ムシャムシャ 飲みー飲むー が始まる


「でさ ぼくたちのこの世界がどうなるかっていう話しなんだけど イルカ君が教えてくれたところを反芻してみよう・・・逆さミョウガ効果で思いだせたからね」
とぼくは言う

「そうね それは イルカ君の言ったところによると こうだわね
まず その問題においては
『大宇宙の果ての位置の変動 それと質時間回帰 さらに生命エネルギーの減少』が大元になる
ってことだったわね」
と彼女はかえす

「うん そうだったね
それから 『質時間回帰によって生命エネルギーが減少することは多いよ』
ともイルカ君は言ったよ」
とぼくは反応する

「そうだったわね
それから
『変動の原因は質時間回帰則が関係してるんだ 知的生物のもつ質時間とその回帰と関係するんだ』
ともイルカ君は言ったわよ」
と彼女はかえす

「うん そうだったね
今のをまとめると
『知的生物のもつ質時間からくる質時間回帰 それによって 生命エネルギーの減少が起こる 大宇宙の果ての位置の変動もそれらに大きく関係する』
ってことになりそうだね」
とぼくは考え考え言う

「そうね そんなとこでしょ
ってことは 文明が爛熟しそこを 過ぎると衰退廃頽期にはいる そうなると 大宇宙の果ての位置はその文明に近づいてくる そして滅亡期がやってくる
ってことになりそうだわね」
と彼女は慎重なようすで言う

「うん そうなりそうだね
ってことは結局 質時間と質時間回帰 が そういった事象における基本的駆動源ってことになりそうだね でも このばあい 知的生物の質時間と質時間回帰だけじゃなさそうだ それ以外の質時間と質時間回帰もある と思われるよ」
とぼくは声をあげる

「そうね そんな感じね
そこから考えると あたしたちのこの世界は・・・いやいや これ以上考えたくないわよ」
と彼女は気落ちしたようすで言う

「どうやら結論がでたようだね ぼくもこれ以上は考えたくないよ」
とぼくは返す

「おまけに 過去の歴史をみると 全部そうなっているわね・・・
結局 楽しんだあとのツケがやってくるってとこね・・・やっぱり質時間回帰だわね」
と彼女は沈んだ表情になって言う

「まさにそうだね 質時間回帰だね こりゃ困ったぞ もうこれ以上は考えないとして さて このあとどうするかな」
とぼくも沈んでしまう

「改善する方法を研究するっていう手もあるわね」
と彼女はかえす

「そうだね で その方法が見つからないばあい 遊んで暮らすってのもあるね」
とぼくは言う

「あははは 結局はそうなりそうね」
と彼女は反応する

ぼくも笑う

「あ そうだ でも 遊んで暮らすと質時間回帰が早まりそうね」
と彼女が反応する

「あ そうか そういうことにもなるね」
とぼくは返す

「あと 熱心に祈るとか はどうかしら」
と彼女は言う

「祈りで解決できるのかな ましてや祈る人たちはほんの一握りだろうし」
とぼくは応える

「そうなのよね まず 祈りでその事象を避けることができるのか っていう問いがあるわね」
と彼女は言う

「うん そうだね それと祈る人たちの人数も多ければ多いほどいい と言えそうだけど そこのとこはどうなっているのかな って言う問いもあるね」
とぼくは応じる

「そうね そこで 祈りでその事象を避けることができるのか っていう問いに対する答えは どうなるかしら どう考えればいいかしら? 」
と彼女がただす

「それは 理論と 実践による事実 その両方からいくべきだろうね」
とぼくは応ずる

「結局そうなっちゃうわね」
と彼女はかえす

「祈る人たちの人数も多ければ多いほどいい という考えについての答えも 同じく 理論と 実践による事実 からいくべきだってことになるだろうね」
とぼくは言う

「そうね まず そういった理論ってどういうことになるかしら? 」
と彼女が首をかしげる

「以前 赤い糸から始まって 君とぼく二人で いろいろ論じたことがあったね
そこから考えるべきなんじゃないかな」
とぼくは返す

「あ あれね えーと 運命 質時間回帰 赤い糸 転生 偶然 必然 確率的必然 神でも知らない 潜在意識 無意識 超能力的に情報を得る 自由イシ など それらの関係 まずはそこらあたりから考えるってことね」
と彼女は考えながら言う

「うん それは君がまとめたんだったね それから それに加えて 運命を形作る質時間回帰則の実態以外に何かあるかどうか とか
転生とか生命エネルギーとか超能力とか
その他にも考える要素があるかどうか
ってとこに行き着きそうだね」
とぼくは応じる

「そうだわね
それにしても 要素たちが多すぎて困っちゃうわね」
と言って彼女は笑う

ぼくも笑う

「まずは そこらあたりから 祈りについて考えると 祈りが世界が陥る実態を変えることができるかどうか そこの理論はどうなるのか ってことになりそうね」
と彼女が言う

「うん そこには 人間が世界に働きかける力 つまり一種の超能力っていうのを考える必要がありそうだね」
とぼくは返す

「そうね あ そうだ これ以前に話したわよね
知性体と意識体っていう存在があって 知性体は人の心であって そういう器うつわが実際に存在するのよって そこで タネもシカケもないマジックっていうのが実際にあるんだけど そういうマジックをなす存在は知性体なの っていう話しよ それってまさに超能力じゃないの」
と彼女は言う

「そうだったね そういう話しをしたことがあったね で ぼくもそういったマジックを見たことがあるって反応したことを覚えてるよ」
とぼくは言う

「そうだったわね 
つまり 人間は心が生まれる心器をもっていて 人が昇天したら その心器は霊界に移行する つまり肉体をもたない霊界だけにおける存在になる それが知性体ね
もっとも 人の心器は 物質世界にいる人間にも宿っているし 霊界にいる存在でもある
ってことね」
と彼女は応じる

「あのあと 二人でいろいろ研究したよね
たとえば 心器は生まれた人間において新しく発生する それはもちろん霊界にある心器のタネを宿してのこと 心器のタネがないと人間の脳には心器は宿らない 心器は物質的存在でないからそういうことになる
もちろん意識器も物質的存在ではない 意識器は心器と違って 意識する能力があり転生する主体である 一方 心器には心的情報をまとめる能力はあるが意識する能力はないし転生しない
人間を卒業した心器つまり知性体は 人間の脳に乗っかって人間にチョッカイをだすことはできる」
とぼくは声をあげる

「そうだったわね
そういった結論がでてくる根拠たちをも数多く挙げながら その結論に至ったんだったわね」
と彼女は応じる

「そこで 知性体は年季を経ているから特殊な能力も高いんだろうね っていうことになるだろうね
しかし 知性体たちの能力はそれぞれ異なっているし その上 それらおのおのの能力たちにも高低がある ってことになるよね」
とぼくは言う

「まさにそうね
さてそこで 人間の心器や そこからでてくる知性体 それらのもつ超能力の一種が 世界が陥る実態を変えることができるかどうか 祈りによって という問いにはいるわね」
と彼女は声をあげる

「それはほとんどこういうことになりそうだね この世界に存在する人たちの質時間の総計総和を 祈りによって変えることができるかどうか ってことになりそうだね」
とぼくは応じる

「そうね 以前あなたと論じた 運命と質時間回帰の関係 必然と確率的必然 祈りによってそれらを越えることができるか ってことになるわね」
と彼女は反応する

「そうだね より詳細に言えば そういうことになるね」
とぼくは返す

「この間 あなたと論じてこういう結論がでたわね
質時間回帰には大きな波と小さな波がある 小さな波はある程度変えることはできるけど それは一時的であって 結局は質時間回帰する つまりそういった質時間回帰ですら変えることはできないってね」
と彼女は応じる

「そうだったね
で 質時間回帰の大きな波は 変えることはできない
っていう結論だったよね」
とぼくは返す

「それから 知性体は物理や化学の法則の実態を破ったりコントロールできる
っていう結論もでたわよね」
と彼女は新しい展開をはかる

「そうだったね」
とぼくは応ずる

「結局 この問題は 知性体が質時間回帰の実態を変えることができるかどうか
ってとこに行き着くんじゃない? 」
と彼女は返す

「そうだね
それは人々の祈りだけでは土台ムリな話しである なぜなら 人間のもつそういった力は弱いから
だから 人々の祈りをそういった能力と力の大きい知性体が聞きとどけて 質時間回帰の実態を変えることができるかどうか
ってことになる ってことだね」
とぼくは応じる

「そうなるわね
で 人間以外の質時間は別として
人間にかかわる質時間は人間の体験によって生じるものだから 人間の体験以外では絶対に質時間を変えることはできない
っていう結論もでてるわよね」
と彼女は声をあげる

「うん
となると 結論は 知性体たちの超自然能力と 質時間回帰則の実態との対決 っていうことになるよね」
とぼくは応ずる

「そうね そういうことになるわね」
と彼女は声をあげる

「うーむ
君が今言ったとおり
『人間にかかわる質時間は人間の体験によって生じるものだから 人間の体験以外では絶対に質時間を変えることはできない』
なんだから うーむ うーむ
唸るしかないな」

「あーあ
やっぱりイルカ君があたしたちの記憶を消して この問題について考えるのを禁じたのがよくわかる ってとこね」
と彼女は嘆くようすである

「うーむ そうだね
祈りや知性体といえども この問題には手だしはできない ってとこだな」
とぼくも沈む

「どんな改竄も どんな恣意的書き換えも 大元の本質の実態を書き換えることはできない ってわけね」
と彼女は言う

「うん そういうことになるね」
とぼくは返す
「こうなりゃ 遊びまくろうぜ ってとこかな」

「それは感心しないわね ツケが増えてあとがタイヘンになるんだから」
と彼女は冷静なようすで言う

「あははは それはそうなんだけど ここまでの憂いを忘れるために ちょっとハメをはずすくらい いいんじゃないかな」
とぼくは応じる

「あははは まあそうね それくらいだったらよさそうね なにもかもイヤになってヤケをおこさないためにも それが賢明かもね」
と彼女は返す

「じゃあ なにやろうか? 」
とぼくは言う

「そうね 庭にでて庭の花を見ながら 祝宴の反対のうたげをやるってのはどう? 」
と彼女は言う

「あははは 祝宴の反対か
逆さミョウガじゃなくて 逆さ祝宴か いいかも」
とぼくは返す

「あははは ひょっとしたら 逆さミョウガと同じように 逆さ祝宴をやったら 未来が拓けるのかもね」
と彼女は応じる

「あれ? 君の言う流れに乗って 逆さ祝宴を肯定したけど わけがわからなくなったよ 逆さ祝宴をやるってことはどういうことだっけ? 」
とぼくは立ち止まる

「えーとね 逆さミョウガははっきりしてるわね
逆さ祝宴は……あれっ? ほんとだ 意味がよくわからないわね 逆さミョウガに乗っかっただけだから
……この意味をよく考えてみましょ」 
と彼女も立ち止まる

「すなおに祝宴とするとどうなるかな? 」
とぼくは応じる

「すなおに祝宴ねえ えーと 祝宴をやるってことは あたしたちが得た結論を肯定することにならないかしら? 」
と彼女は声をあげる

「うーん そうなりそうだね
そこで 逆さ祝宴をやるってことは ぼくたちが得た結論を否定するってことになるわけか うんうん」
とぼくは言う

「そうよ そういうことになるでしょ」
と彼女は言う

「頭がこんがらがったけど こうやって解きほぐせば わかるね」
とぼくは言う
「もちろんこれはジョーダンの上での言葉遊びをやってるだけだよね」

「モチのロンよ」
と彼女は応じる

「いい未来を招くための祝宴 っていう考え方をすれば たんに祝宴でもいいはずだね」
とぼくは言う

「あら そうね とにかく言葉遊びね 深刻になるよりも こうやって遊んだ方が精神衛生にいいでしょ」
と彼女は返す

「うんうん 確かにそうだね」
とぼくは賛成する

「ジョーダンにせよ どっちの祝宴にする? 逆さ祝宴? それとも いい未来を招くためのたんなる祝宴? 」
と彼女は声をあげる

「逆さミョウガが奇跡的に効いたから それにあやかって 最初の方の 逆さ祝宴にしよう」
とぼくは返す

「ジョーダンでやったのに 逆さミョウガはほんとに効いたわね
それにあやかって 逆さ祝宴ね」
と彼女は応じる

「その逆さミョウガの件なんだけど まあ なにがどう効いたのかはわからないけどね
でもヒョウタンから駒っていう コトワザみたいなのもあるからね」
とぼくは返す

「ヒョウタンから馬がでてくるなんて おもしろいことわざね
今度は 逆さ祝宴からなにがでてくるかしら」
と彼女は応じる

「ヒョウタンを横においとけば イルカ君がでてくるかも」
と言ってぼくは笑う

彼女も笑う

「で イルカ君が 全部解決してあげるよ って言うんだ」
とぼくはふざける

「あははは イルカ君にそんな力があるかしら」
と彼女は返す

「あればいいんだけどね」
とぼくは応じる

「そんな能力がイルカ君にあれば あたしたちがこの問題を追究することを禁じなかったはずよ」
と彼女は返す

「うん それはわかってるんだけど 淡い期待をもつぐらいいいだろうよ どうせ全部ジョーダンで言ってるんだからさ」
とぼくは反応する

「あ そうそう これってジョーダンの世界だったわね あたし ジョーダンからマジなとこに移行しちゃったわね いけないいけない」
と言って彼女は笑う

ぼくも笑う

「イルカ君の解決策は 『なるがまま』とかだったりして」
と言って彼女は渋く笑う

ぼくも笑う
渋い笑いだ

「そこでさ 逆さ祝宴は どんなふうにやろうか? 」
とぼくは訊く

「そうね あ そうだ ごちそうと飲み物をイッタン逆さにしちゃうのよ 逆さミョウガのようにね」
と言って彼女は笑う

「それが順当だね」
と言ってぼくは笑い
「食材はなんがいいかな」

「そうね うーん あたしたちが好きでない食材たちを使って 好きでない料理たちをつくる ってのはどう? 」
と彼女は応じる

「うーん いい考えだね でもさ それは 逆さ祝宴については ちょっと論理がおかしくならないかな? 」
とぼくは首をひねる

「あ そうね あたしたちが好きでない食材たちや料理を食べること自体が 逆さ祝宴だ とも言えるわね
ややこしくなっちゃった」
と言って彼女は笑う

「ぼくたちは 論理の迷宮にはいるのが得意だね 逆さ祝宴か たんなる祝宴か でもそうなっちゃったよね」
と言ってぼくは笑う

「それじゃあ だいたい今までどおりの食材たちで 普通に料理をつくりましょ それで つくるにあたって 逆さオマジナイをするってことでいいじゃない」
と彼女は主張する

「それ いいね それでいこう」
とぼくは賛成する


ぼくたちは仕事と雑用に追われ 夕方になる


二人して さるマーケットに行く

食材たちを物色しさまざま買い込む

「お 逆さ富士の絵葉書があるよ」
とぼくは勢い込む

「あらら 縁起がいいわね 上下に分けて使いましょ」
と彼女ものってくる

買い物をすませ 膨らんだレジ袋たちを提げて ぼくたちは家路を急ぐ

家に着くと ぼくはまず 逆さ富士の絵葉書を取りだす

「ジョーダンの世界がここまで広がってしまったなあ これ どうやって使おうか? 」
とぼくは彼女に問いかける

「うふふ こうやるのよ」
と言って彼女はその絵葉書をふたつに折る

彼女はそれを三角柱的にテーブルの上に置く

「ほらね こうすれば どっちも逆さ富士になるわよ このオマジナイが効かないはずはないわね」
と言って彼女は笑う

「ジョーダンの世界も奥が深いんだなあ」
と言ってぼくも笑う

「でね 逆さミョウガの時みたいに食材もイッタン逆さにしてから使うのよ」
と言って彼女は笑う

「君は逆さ研究の泰斗 ってとこだな これが効かないわけがないね」
と返してぼくも笑う

「さらにね 誕生日を祝うときにも この手を使えば 若返るってわけ」
と言って彼女は笑う

「ナールヘソ それは実にいい手だね そのジョーダン 腑に落ちるよ」
と言ってぼくは腹を抱えて笑い
「笑いすぎてヘソが鳴ってるよ」

彼女もおなかを抱えて笑いだし
「あたしのヘソも鳴ってるじゃない ナールホド」
とのたまう

逆さのオマジナイはそんなところで 逆さ祝宴の準備がととのう

「まずね ワインなんかもイッタン逆さにしてから開けるのよ」
と彼女は笑いながら言う

「うんうん わかってるよ」
とぼくも笑いながら返す

さあ 逆さ祝宴の始まりである

彼女とぼくは 飲み 食べ 話しに花を咲かせる

「庭の花々がとてもきれいね」
と彼女が言う

「話しに花を咲かせるとは このことだね」
とぼくは言って笑い
「ところでさ 今日もイルカ君 でてこなかったね」

彼女も笑い
「そうね でも イルカ君のことだから なにか計画をもってるかもしれないわね」

「うん ほんとにイルカ君は不思議な能力と力をもってるから まったくもって油断ができない ってとこだね
とは言っても イルカ君はぼくたちの見方であることは確かだね」
とぼくは返す

「そうそう それは確かね」
と彼女は応じる

「イルカ君は この難局を なんとかすることができるかな? 」
とぼくは問いを発する

「さあ どうかしら
私たちの結論は 超能力をもつ知性体にも 質時間を書き換えることはできない
つまり 質時間回帰を止めることはできない ってことだから イルカ君にもムリでしょ」
と彼女は応じる

「うん そんなとこだろうね
おまけに この逆さ祝宴は ジョーダンでやってるんだから 効くはずがないよね」
とぼくは返して笑う

「あははは そうに違いないわね
それで これから あたしたちどうしたらいいのかしら」
と彼女は質問を投げかける

「人間の祈りも効かない という結論だから……あとは苦行をやるしかないのかな」
とぼくは渋いようすで応える

「たぶん そうね
仏教をはじめ いろんな宗教には 苦行かツトメがつきものだし それが効果的なのかもしれないわね
でも 現実生活の中でやってくる苦しみや難局も苦行の一種でしょ それで充分なんじゃない? 」
と彼女は返す

「うんそうだね 現代人で苦行をする人はほんの一握りで 現代人は苦行なんてしないだろうね」
とぼくは応じる

「そうね
つまり 結局は 打つ手がないってことになるわね」
と言って彼女はワインを飲む

「ケ-セラ-セラ だね
こうなりゃ 飲みまくって 二日酔いという苦行をやろうか」
と言ってぼくは笑い ハイボールをぐっと飲み干す

彼女も笑い
「あら その手があったんだわね
ってのは あなたにあわせただけで 実際はその手は無効でしょ」
と返してワインをぐっとあける

「そうなんだよね
飲み食いする楽しみで マイナスの質時間を積み上げ 二日酔いで苦しんでプラスの質時間を積む ってことだから 総計は結局 マイナスなんだろうね」
とぼくは応じてさらに飲む

「結局 このジョーダン逆さ祝宴もジョーダンだし この問題に対して 打つ手はない ってとこね」
と彼女は言ってさらに飲む

「そういうことだね 困った困った あ そうだ 困ったときの神頼み っていう成句があるね」
と言ってぼくはもっと飲む

「神って 知性体でしょ 知性体にもそれは不可能 って結論がでてるじゃない」
と彼女は返す

「それをわかった上で言ってるのさ 会話をつづけたくてね うーん さて どうしよう」
とぼくは応じる

「どっか よその惑星 質時間のプラスを積んでいる惑星に移住するってのはどう? 
……ジョーダンの世界もいいものね」
と彼女は言って笑う

「おお それはなんという名案 早速ロケットをつくろう」
と言ってぼくも笑い プラモデルのロケット組み立てセットを取りに行ってもってくる

彼女は
「いいわね そのロケットで地球ごと引っ張って持って行きましょ」
と返す

二人して大笑いになる

「この宴は 完全にジョーダンうたげなんだから 思いっきりジョーダンを言って遊ぶしかないわね」
と言って彼女は笑う

「そうそう それしか手がないね」
とぼくは言って笑う

ややあって
「あ イルカ君の思念が心に流れ込んでくる」
と彼女は言う

「ぼくも同じだよ」
とぼくは返す

「イルカ君は そのうち また あの神秘の世界に行ってみるといいよ って言ってるわね」
と彼女は声をあげる

「うん ぼくのも同じだよ」
とぼくは返す

「結局 イルカ君はあたしたちのこと ある程度お見通しなのかもしれないわね まったくもって不思議なイルカ君」
と言って彼女はため息をつく

「そうかも ある程度だね
で あの世界はいったいどうなってるんだろう」
とぼくは言う

「行ってみるしかないわね」
と彼女は返す

「で 君の予想としては あの神秘な世界はどうなってると思う? 」
とぼくは訊く

「あたしの予想? うーん怖いからしゃべらない
ところであなたの予想としては どう? 」
と彼女は返す

「君と同じさ 困った話しさ」
とぼくは返す

「今すぐはあそこに行く気にならないわね」
と彼女は言う

「同感だよ そのうちイルカ君がなにか言ってくるんじゃないかな? たぶん」
とぼくは声をあげる

「そうね たぶんのたぶんで そうなると思う」
と彼女は返す

「それまでは 日々 仕事と雑用に追われ 苦しみながら 悶えながら せいぜい質時間のプラスを積んで 生活していくしかないね」
とぼくは反応する

「そうね それしかないでしょ」
と彼女は返す

「それじゃ あしたの夕べはどうする? 」
とぼくは訊く

「今までどおりでいいんじゃない? 」
と彼女は言う

「逆さ祝宴ってこと? 」
とぼくは返す

彼女は笑いながら
「そういうこと
それとこの問題についての研究もね」
と言う

「そんなとこだろうね
それぐらいしかないね」
とぼくは返す

「それから ゲームをつくるってのはどう? 」
と彼女は声をあげる

「ゲームだって? 」
とぼくは返す

「そうよ
かなり前から ゲーム専用機とかスマホゲームとかネットゲームとか盛んじゃない
そのゲームに この問題を盛り込むってわけ
あたしたちの主張もいれられるでしょ」
と彼女は声をあげる

「ニャールホド あ ぼくはネコの仲間になっちまった
ナールホド それはオモシロイ 尾も白い真っ白なネコだね」
とぼくは声をあげる

彼女は大笑いする

ぼくも笑う

「ゲームにネコを登場させるといいかもね」
と彼女は言う

「うんうん さて どんな筋立てにしようか」
とぼくは返す

「えーとね 尾も白い真っ白なネコがそのゲームという物語りを進めるのよ」
と彼女は声をあげる

「ニャールヘソ
ニャーちゃんが物語のヘソになるんだね」
と言ってぼくは笑いだす

「そうよ
そのニャーちゃんは 引っかきワザ ネコパンチ 噛みつきワザ 跳びケリ 罵倒能力 それに超能力なんかを使うわけ」
と彼女は言って笑う

ややあって笑いをおさめたぼくは
「ニャンともすごい話しだなあ」
と言ってまた笑う

「ニャンでもできるニャンちゃんなのよ」
と言って彼女も笑う

「まるで全知全能のネコみたいだね」
とぼくは返す

「そうなの 全知全能どころか ほかの全知全能の登場者たちをも操れるのよ」
と彼女はのたまう

「ほー それは凄い」
とぼくは返す

「そうなの ホーホー歌うフクロウやミミズクもでてくるのよ」
と彼女は応じる

「あははは タイトルは ダジャレ合戦 ってとこでどう? 」
とぼくは言って笑う

「そうそう そんなゲーム なんの役にも立たない ってわけね」
と返して彼女も笑う

「で そのスーパーネコとスーパーフクロウたちが ゲーマー氏たちに催眠術をかけるんだ」
とぼくは声をあげる

「そうなの その結果 世界が平和になるのよ」
と彼女は言う

「うーん そんなゲームができるといいな」
とぼくは返す

「そんなゲーム 夢の世界ね」
と彼女は言う

「夢の世界 つまりその実現性ゼロ そりゃマチガイないね」
とぼくは言う

夜もふけ 逆さ祝宴もたけなわを過ぎる

「実現性ゼロに落ち着いたところで あしたの夕方 なにしようか? 」
とぼくは訊く

「うーん さあねえ なんにも思いつかないわよ」
と彼女は返す

「ぼくもさ イルカ君を探して散歩 ぐらいかな」
とぼくは言う

「そうね そんなところね」
と彼女は応える

……次の日…
今日もぼくたちは仕事と雑用に追われ 苦しんで質時間のプラスを積んで過ごす

ようやくそれらから開放され ぼくたちはイルカ君の出現をいくらか期待して 散歩にでる

夕暮れどき 景色が美しい

夕映えで まわりはピンクオレンジ色に染まっている

上空にはあいかわらず イルカ君を模した飛行船たちが飛んでいる

飛行船のひとつが なにかしなびたようになって 高度を下げていく

人びとが騒ぎだす

するとイルカ君が現れ その飛行船に近づいていく

イルカ君はその飛行船を ヒレで撫でる

すると飛行船は元通りになって 高度を上げていく

「今の見た? イルカ君 凄いわね」
と彼女が興奮したように声をあげる

「見た見た やっぱりイルカ君は超能力者だね しかも いろんなことができるみたいだ」
とぼくも興奮して声をあげる

……ややあって
「イルカ君が言ってる まだ時期尚早だって」
と彼女が言う

「ぼくもおんなじだよ あの世界を見に行くのはまだ早いってことだね」
とぼくは返す

「ええ そうね」
と彼女は応じる

「それじゃあ いつものように買い物して帰ろうか」
とぼくはつぶやく


……マーケットをでた二人は膨らんだレジ袋たちを提げて 家路を急ぐ

美しかった夕映えは とっくにどこかに行ってしまっている


……家にはいった二人は さっそく料理をつくり始める

「今日はなんのうたげにする? 」
と彼女がつぶやく

「そうだなあ 逆さ祝宴はやったし イルカ君が この世界を助けることを祈る 祈願うたげにしようか」
とぼくは応じる

「祈っても叶わないって結論はでてるわよ」
と彼女は返す

「それはわかってるんだけど ほかの名目を思いつかないんだ 君の提案はなんだい? 」
とぼくは応じる

「あはは 痛いとこつかれたわね あたしも思いつかないから あなたにバトンを渡したわけ」
と彼女は言う

「あはは それじゃあ ぼくが言ったとおり イルカ君のそれでいこう」
とぼくは声をあげる

「ええ いいわよ」
と彼女は応じる

料理は進む


……イルカ君が この世界を助けることを祈る 祈願うたげ の準備は整った…


飲みイジと食いイジのはった二人は さっそく うたげを始める

飲み飲む 食い食う……

「ところでさ この問題の一番の重要点は 質時間の総計だよね」
とぼくは声をあげる

「そうね 質時間のプラスを積んだ方がいいって話しね」
と彼女は返す

「うん それだよ」
とぼくは応じる

「あ そうだ 質時間計測器をつくればいいじゃない」
と彼女は声をあげる

「質時間計測器だって? そんなもんつくれるかなあ」
とぼくは返す

「そう それをつくるのよ」
と彼女は言う

「どうやってつくるんだい? 」
とぼくはいぶかしむ

「あのねえ 昔の人たちの多くは 一所懸命 今では一生懸命って言うけど 一所懸命に仕事をしていたのよ その結果 もの凄い能力や 超能力を発揮する人たちがでてきたのよ」
と彼女は言う

「君 なんでそんなこと知ってるの? 」
とぼくは訊く

「いろんな本を読むと そのこと 一目瞭然よ それに あたしの先生もそれを教えてくれたの」
と彼女はこたえる

「ふーむ そうなんだ 人間の能力ってはかり知れないんだな」
とぼくは応じる

「だから 一所懸命になれば 質時間計測器をつくれるはず って言いたいわけ」
と彼女は言う

「なるほど とすると イルカ君も 人間にかかわりたくて 一所懸命になって あんな能力をもつようになったのかもね」
とぼくは応じる

「いい着眼ね そうかもね」
と彼女は返す

「それにしても うーん 質時間計測器か どうやってつくればいいのかなあ」
とぼくはぼやく

「そんなこと あたしにできるはずないでしょ あなたの課題よ」
と彼女は応じる

「うーん ところでさ 君の先生って 何者なんだい? 」
とぼくは返す

「みんなと同じよ 学校の先生なの」
と彼女はこたえる

「ふーん 今でもその先生とは連絡がとれるのかい? 」
とぼくは返す

「それがね なにかの手違いなのか なんなのかわかんないけれど 連絡がとれないの」
と彼女は言う

「うーん その先生に訊けば いくらか道が拓けるかも と思ったんだけど ムリか」
とぼくは言う

「質時間計測器ぐらいつくれなくてどうするの あなた」
と彼女はたたみかける

「そうなんだよ 質時間計測器なんてつくるの かんたんなんだよ
かんたんだから 君がつくるのが うってつけなんだよ」
とぼくは応じる

「あははは まいっちゃうなあ 見破られたかしら」
と彼女はなぜかゴキゲンになったようすである

「ジョーダンはともかくとしてさ 自己申告の質時間計測器 しか思いつかないよ」
とぼくは返す

「そうね 人間の心や意識の深部にまで立ち入った質時間計測器なんて できっこないものね」
と彼女は言う

「うん 今の段階ではね」
とぼくは返す

「今の段階では? ってことは将来はできるってわけ? そんなの 質時間計測器なんてつくれない って言ってるあなたが言うセリフじゃないわね」
と彼女は言う

「それわかるんだけどさ 将来 なんやかんやが進んできたら 本物の質時間計測器ぐらい つくられるかも って話しさ」
とぼくは返す

「なーんだ その程度の話しなんだ」
と彼女は応じる

「まあ ともかく 今の段階では 自己申告制 つまり 自分は今日 これくらい苦しい思いをした これくらい楽しんだ ってことを点数化して打ち込む装置 ぐらいしかつくれないだろうね」
とぼくは言う

「うーん そうかもね
それは紙に書いてもできるし パソコンやスマホのアプリとしても カンタンにできそうね」
と彼女は応じる

「そうだね
つまり 苦しさの程度と楽しさの程度を数値化して入れる それから それぞれを感じた時間の総計 を入れる
ってことだね」
とぼくは言う

「そうなるわね
でも 自己申告なんだから 不正確になるでしょうね」
と彼女は言う

「そうなんだよね
ぼくたち人間の多くは 基本的に楽しむことを優先するし 今言った評価では 苦しんだ方を過大評価して 楽しんだ方を過小評価するだろうね」
とぼくは返す

「そんな感じね
ってことは そんなの役に立たない ってことね」
と彼女は返す

「うん そうだと思う
それに そんな質時間の総計をだそうとする人はいないだろうし 難しい問題だよね」
とぼくは応じる

「おまけに 前提となる質時間回帰則を信じる人もほとんどいないでしょうし これって難問中の難問ね」
と彼女は声をあげる

「まさにそうだね
難問中の難問だね」
とぼくは返す

「あたしたちは いろんな研究によって 質時間回帰則を信じているし 世界はそのとおりに動いてきているし さあてね どうしたらいいのかしら」
と彼女は言う

「もう 完璧に手詰まりなんじゃないかな」
とぼくは気落ちして言う

「ってことは イルカ君が言ったとおり この問題を追究しない方がいいってことね」
と彼女もがっかりしたようすで言う

「うーん うーん 困ったなあ
あ そうだ この難問での 運命ってのはベートーヴェンの交響曲第五番のことであって ハ短調 つまり 破綻する調子なんだよ
ハ短調ってのはCマイナーだから そんなの仕舞いな ってことなんだよ
これを元になんとかしたいもんだね」
とぼくは笑いながら言う

「あははは
突然転調してなに言うの
ベートーヴェンは その交響曲について 運命はかくのごとく扉をたたく っていったそうで そこからきたタイトルって話しだけど それを元にこの難問を打開って いったいどうやるの? 」
と言って彼女はさらに笑う

「つまり ハ短調 破綻調 この曲はいままでの運命が破綻する ってことを予言してる と解釈するのさ」
とぼくは応じて笑う

「なるほどね
それでCマイナー 困った運命は仕舞いな~ ってわけね」
と言って彼女も大笑いする

「そこでさ ベートーヴェンが天国からこの様子を見て聞いていたとしたら 『そんなダジャレ なんの役にもたたないよ』って言うだろうね」
とぼくは言って笑う

「モチのロンでそうね
ベートーヴェンは『そんなことより 美味しいベントーをつくって わしに供える方が賢明だよ』
なんて言うかもね」
と言って彼女は笑う

二人してしばし大笑いになる

……そんなふうにして 夜もふけていく…


……次の日もぼくたちは仕事と雑用に追われ質時間のプラスを積む

そして夜になると いつものように質時間のマイナスを積む

それぞれの質時間を総計すると マイナスになるとぼくは思う

(筆者「このタイトルを最初に入れる」・・・・・幻想世界協奏曲・ファンタジア-ファンタジカ・・・)


……
「この問題を解決する決め手がみつからないなあ」
とぼくはぼやく

「そんなのムリだって結論がでてるじゃない」
と彼女は応じる

「前にも言ったように ケ-セラ-セラだね」
とぼくは応じる

「そういうことね ケ-セラ-セラよ」
と彼女は返す

「♪ケセラセラ~セーラーポ杯がなんとかするさ~飽連想を沢山食べて~お~ケセラセラ~♪」
とぼくはふざけて歌う

彼女は笑いだす。

 

……そんな日々が続いていく…

そんなある日ぼくたちは散歩にでる



(筆者言「・・・さらにここで、幻想ファンタジアで憩ってみよう・・・はどうなったかというと・・・

・・・題して・・幻想世界協奏曲・・・

これは200ページぐらいになっている」)



「じゃあ、あの神秘の世界にはいってみようか?」
とぼくは彼女に告げる

「そうね もうその頃合かもね」
と彼女は返す

ぼくたちは三たび 神秘の世界の扉をくぐり 神秘の世界にはいっていく

ぼくたちは今まさにその世界を巡ろうとしている

暗い

真っ暗に近い

しかもその世界の中は おかしな臭いの煙が充満している

息苦しい

「どうなってるのかしら」
と彼女が心細そうに言う

密林の樹木は枯れかかっている

下草も枯れかかっている

「これはいったいどういうことなんだろう」
とぼくも声をあげる

「ここにとどまってはいられないわね」
と彼女が切羽詰ったようすで言う

「うん 真相を見極めなきゃね」
とぼくは応じる

ぼくたちはさらに進んでいく


……いつのまにかぼくたちは空を飛んでいる

イルカ君もやってきて ぼくたちと並んで飛ぶ

下の方は真っ黒な煙が充満していて何も見えない

どこまで行ってもそんな状態だ

彼女がイルカ君に向かって訊く
「いったいどうなってるのかしら」

イルカ君の声がぼくの心の中に響いてくる

「さあね もうぼくには何も言うことはないよ」

彼女にも聴こえているはずだ


・・・つづく鴨duck・・・(と、怒鳴るどダック…JK…)・・・





(過去の分)


今日は元旦-正月です。


新年あけもうしておめでとうございまする・・(昔の言い方)・・・

で、
昨日のオオミソカのあいさつは・・・
旧年締めもうしておめでとうございまする

というところでせふ・・・


さて、
1月1日といえば・・・、
脱線して、ワンワンの日・・・

この間、「ここ掘れワンワン」とワンコが登場する拙作をネット上に載せたなりす・・

それをここに再掲してみませふ・・・


(最後尾にオオミソカの分をそのまま入れたナリス)



(かなり前ネット上に載せた雑文・書きなぐりの再掲)



ワンダーランドとニャンダーランド


昔むかしの大昔、大宇宙の中に、ドングリ山という神聖な山があって、そこに、ワンダーランドとニャンダーランドという地域sがありました・・・

・・・ん・・・これは筆者の記憶があやふやなので・・・困ったのでアール・・・

・・・いやいや・・・

遥かなる未来に、大宇宙の中に、ドングリ山という神聖な山があって、そこに、ワンダーランドとニャンダーランドという地域sがあるはずなのです・・・

そのどっちなのか知らないけれども・・・

・・・ということで、ここからは主に現在形の書き方でいこう・・・

で、

ワンダーランドには、ワンコが大勢住んでいるのでアール。

もちろん、ワンコというのは、ワンワン吼えるカワイコちゃんたちなのでアール・・・

そこのみんなは、我こそはワンコの中のワンコ、ワンダーワンダーと吼えているのでアール。

で、
ニャンダーランドには、ニャンコが大勢住んでいます。

ニャンコというのは、もちろん、ニャン-ミャー-ニャンと吼える(?)ネコたちのことなのでアール(時々引っかくが・・引っかかれると痛い上にチがでるのでアール)。

それらニャンコたちも、我こそはニャンコの中のニャンコにゃんじゃ、ニャンダーニャンダーと吼えて(?)います。

・・・そういえば、ワンコの方は吼える、で、ニャンコの方は普通、鳴くというなあ・・・

さて、

ある日、ワンダーランドに住む、シバイヌのシバポンと、マルチーズのマルポン、その他大勢が、ニャンダーランドに遊びにでかけたのでアールス・・・

で、それら大勢は、ニャンダーランドに着いて、シバポンが
「ニャンダーランドにはイヌは居ぬ」
とダジャレたのでアール。

出迎えたのは、ミケネコのミケポンと、ヒマラヤンのヒマポン、そのほか大勢なのでアール。

ミケポンはそれを聞いて、
「あんた何言ってるのさ、ニャンダーランドにも今やワンコが大勢いるじゃないのさ」
と反撃するのでアール。

シバポンは
「こりゃあまいった、1本とられたなあ」
と頭を掻くのでアール。

ヒマポンは
「あたいもダジャレようか・・ニャンコってのはね、しょっちゅうゴロニャンって寝ることが多いから、寝る子、つまり、ネコって言われてるんだよ」
と返す。

マルポンが
「へーえ、そうなんだ。
といってもさ、ワンコだって、ひまな時には、ゴロワンって横になってるから、おあいこだね・・・だけどワンコはネコとは呼ばれないなあ」
と返す。

ミケポンが
「そりゃそうなのさ・・なぜかってさ、ニャンコの方が、なんというかかんというか、小さくて丸っこくてかわいいじゃん・・それに比べて、ワンコもかわいいけどさ、ニャンコより大きいし、見た目は・・うーん、どうなのかなあ・・そんなところを全部総合すると、ワンコはイヌという、かわいくないネーミングで、ニャンコはネコというかわいい名前になるのはアタリマエじゃん」

シバポンは
「うーん? なに言ってるんだい。ミケポンはなんかわけのわからない理屈をこねてるけど、そういうのを屁理屈っていうんだよ」
と言って、ミケポンに向かって大きなオナラを放つではないか。

ミケポンも笑いながら怒って、シバポンに向かってオナラを放つ。

で、
そこにいたニャンコとワンコの全員が、オナラ合戦を始める。

あたりは引火性の気体に包まれる。

そのうち、ニャンコたちとワンコたちが小競り合いを始める。

すると、豊かな毛を有する彼らのからだに静電気が溜まる。

そこの地面は、絶縁体的になっているのでアール。

ややあって、
火花sが飛ぶ。

それら火花sは、引火性ガス・・オナラにとりつく。

爆発だ。

ドカーン。

ボワーン。

彼ら全員はその場にひっくりかえってしまう。

・・・この作品においては、「彼ら」というのは両性をさすのでアール・・・

ひっくりかえった彼らは気絶しているようだ。

・・・いくらかたつと、彼らは次々と意識を取り戻していく。

シバポンが言う
「いやはやヒデー目にあったぞ」

ミケポンが言う
「なんというひどいことなのさ」

彼ら全員がギャーギャーわめき始める。

その騒ぎが収まる。

すると突然シバポンが
「ここ掘れワンワン」
と騒ぎだし、
地面を掘り始める。

ミケポンも同時に騒ぎだし
「ここ掘れニャンニャン」
とわめきながら、
シバポンが掘っている同じところを掘り始める。

すると、大勢のワンコたちとニャンコたちも、そこらあたりを掘り始める。

でも、メンドーサ地域とサボりーナ地域出身のワンコたちとニャンコたちは、地面掘りに参加しない。

それら彼らは口々に「メンドーサ」とか「サボりーナ」とわめいているのでアール。

地面掘りが進んで、地下道が現れてくる。

大勢が歓声を上げる。

シバポンとミケポンが、「地面掘りに参加しなかった『サボりーナ』と『メンドーサ』出身者たちは地下道におりることを禁止する」と宣言する。

すると、それら彼らは、すぐにそこらあたりを掘り始める。

そして、最初に見つかった地下道につながる支道を発見する。

大勢が地下道におりる。

彼らは地下道を進んでいく。

メンドーサ地域とサボりーナ地域出身のワンコたちとニャンコたちも共に進んでいく。

彼らも地面を掘ったので文句を言われなくなったのである。

地下道は徐々に広くなっていく。

まわりには、さまざまな景観が広がる-景観といっても実物そのものなのである。

太古の生物たちが蠢いている。

古代文明たちの遺跡-廃墟たちも圧倒的な威容を見せる。

森が広がったり、砂漠が広がったり、統一のとれないところもある。

そのうち神秘的な音楽が響き渡ってくる。

彼らは虹色をした不思議な階段のあるところに至る。

「なんだろうこの階段は」
とシバポンが声をあげる。

「きれいな色してるじゃん。この階段、上のほうに行ってるみたいみたいじゃんか」
とミケポンも声をあげる。

「上りのエスカレーターってとこかもね」
とヒマポンが」言う
「あたいはヒマラヤンだから、ヒマラヤ登山ってとこかな」

だれかが
「虹の階段だ」
と叫ぶ。

彼らは、虹の階段を登っていく。

彼らが登っていくにしたがって、
まわりの景色がずんどん変わっていく。

緑おりなす大地、
太く長い川たち、
果てしない森たち、
光を放つ大都会たちも見える、
さまざまな城たち、
高い山たち、
それから
青く波打つ大海、
地球の実物のパノラマなんだろう、
すべて地球にある実物たちである。

「いったいこれどうなってるのさ」
とマルポンが言う。

「おかしな階段もあったもんだなあ」
とシバポンが応える。

ミケポンが声をあげる
「ちょっと、キミがわるくなってきたじゃんか」

ヒマポンが大きな声で言う
「ほら、あちこちに、霞やら煙やら黒雲なんかが見えるよ。炎もあちこちであがってるじゃん」

シバポンが声をあげる
「ほんとだ。さっきは気づかなかったけどさ」

「ほら、海が大きくうねっているじゃん・・なんか恐ろしげじゃんか」
と、ミケポンが叫ぶように言う。

虹の階段をのぼっていく、大勢の間からも、大きな声ごえがあがる。

彼らはそれでも、階段を上がっていく、

時間が流れる。

虹の階段は宇宙空間にでたようだ。

彼らは依然として階段をのぼっていく。

彼らは息は苦しくないようだ。
普通に呼吸ができるようだ。

虹の階段の上の先に、月が見えてくる。

彼らに見えるのは、月と星ぼしであり、それと下を見ると地球、である。

彼らはさらに神秘の階段を登っていく。

おう、
その虹の階段は月につながっているのが見える。

彼らは汗をかきながら階段を登りつづける。

時がたち、彼らは月に至る。

彼らは月に着いたのでアール・・・

さて、ここは月でアール・・・

「あたし、かぐや姫よ」と名のる女性が彼らを迎える。

その女性は、伝説の物語りどおりの人物に見える。

「あなたたち、よくもよくも物好きにも、こんなとこまで来たわね・・・うひひひ・・・ようこそ」
と、かぐや姫は、ニタリと微笑んで一同にあいさつする。

彼らは驚き、とまどいながらもあいさつを返す。

彼らの間でも「かぐや姫」の伝説は知れ渡っているのでアール。

すると、その横にいたウサたん(ウサギのことでアール・・「ウサギ」では、即物的すぎて映えないので)がでてきて、
「我こそは月のウサギのウサポンなんだぞう」
とのたまう。

(・・・凄くメンド草なので、一人称単数の中の「わたし、ぼく、その他」は、「我」に統一しよう(テヌキ小説・・笑・・・我こそはメンド草人間の第一人者)・・・それについては、日本語にはいろんな言い方がある・・しかも性別まで示すことが多い・・・であるから、「我」に統一するのでアールス・・・)

次には、別なウサたんがでてきて、
「我こそは、月の雪ウサギのユキポンなのでアール」と声をあげる。

ウサポンが言うには、
「ほかにも、月にはウサたんがいっぱいいるんだぞう・・・」
と声を張り上げる。

たしかに、ウサポンの背後には、ウサたんらしいのがいっぱいいる。

ウサポンは、
「では、珍しい子を紹介するんだわさ・・・
この子は、キトゥンという子なんだわさ・・・アダナがクチナシネコっていうんだけどさ」

その子はたしかにネコに見える。

口があるようなないような不思議なネコでアール。

つづいて、
「で、この子は、ミッピーで、ニックネームが、口ヌワレウサギって子なんだわさ・・かわいそうなんだわさわさわさ」

さらに、
「この子は、マイメロンって子で、アダナは耳寒がり、って子なんだわさ」

ウサポンはそういうふうに彼らに紹介する。

かぐや姫が、
「さあさあ、皆さんを月の都に招待して、ごちそうでも食べましょう」
と仕切るようにのたまう。

かぐや姫は、「こっちよ、こっちよ」と言いながら彼らを導き案内する。

(・・・前にも記したが、彼らは息ができるのでアール・・・)

彼らは巨大な丘のようなところに至る。

かぐや姫は、その丘の壁のようなところで立ち止まって、壁に向かって声をあげる
「ひらけ~ゴマ! 」

その壁は扉のように開く。

そこには下り階段がある。

かぐや姫に率いられた彼らは共に階段をおりていく。

彼らはズンドコ-ズンドン進んでいく。

かなりの時間がたち、
彼らは宮殿の中のようなところに至る。

ミケポンが言う
「月にこんなところがあったなんて知らなかったなあ」

シバポンが
「まったくだよ。不思議な話しだなあ」
と応える。

ウサポンが、
「さあ、みんなで餅つきをするんだぞう」
と声をあげる。

ミケポンが、
「餅つきだって? 
伝説として知ってはいたんだけどさ・・ほんとに餅をつくの? 」

ウサポンが
「あたりまえじゃん。
月の世界では、餅つきが恒例行事なんだわさ。
そして、おゾウニとか、いろいろ美味しいものをつくって食べるんだわさ」

シバポンが、
「それでさ、不思議すぎるんだけどさ、月での食料生産はどうしてるんだい? 」

すると、
かぐや姫が、
「そこのところを詳しくお話ししましょうね、シバのポンちゃん・・・

そうそう、
これはね、目もくらむような永い永い年月のかかったお話しなのよ・・あなたたち、気絶しないで聞くのよ・・・
今現在では、月星人と呼ばれてる宇宙人が月には住んでいるのじゃ。

その人たちは、遥かなる大昔、
パルトブルンという星系にある、パルトランドンという惑星から地球にやってきたのですじゃ。
なぜ、彼らが地球にやってきたかというと、そのパルトランドンという惑星がメチャクチャになっていたからなのですじゃ。
つまり、滅びそうになっていたってことね。

その惑星の科学技術が進んで、そのパルトランドンの人たちは、贅沢をしすぎ、驕りまくり、文明が爛熟し、その果てにマイナス面だけが大きくでてきたのです。

で、それ以前から、彼らは、宇宙全体に探査機sを飛ばし、生物の住めそうな惑星を探していたのです。

そこにおいて、彼らは地球を見つけたのじゃ。

そこで彼らは、地球の衛星としての月を、地球の周りにおこうと考え、
惑星になりそこなった天体――今の月を――、地球にもってきたのです。

しかも、その月に手を加え、地球を見守ることができるようにしたのじゃ。

彼らの宇宙船でその天体を引っぱってきて、地球の周りに置き、その月を押したり引いたり、ひっぱ叩いたり蹴飛ばしたりして、今の月の在りようにしたのじゃ。

月と太陽の見た目の大きさを同じくしたり、月はいつも同じ面を地球に向けているように調整したのです。

起潮力-潮汐力関連で起こる月の位置変動も考慮して、さまざまなことも行ったのです。

しかも、月の内部に彼らの基地と住居を建設したのじゃ。

その時掘り出した岩石などを、火星と木星の間に捨てたのです。

それらが今、小惑星群の一部を形成しているのじゃ。

いやはや、宇宙は広大で、どんな生物がいるか、何があるのかわからないくらいなんですよ。

・・・ということなのよ。
皆さん、さぞかしビックリしたでしょうね・・・

・・・それでね、
あたしの話し方は、昔の言葉と現在の言葉をゴチャマゼにしてるので、ヘンな感じだと思います。
うひひひ・・・」

こんな風に、かぐや姫の講義のような話しは終わる。

シバポンが言う
「そうでなけりゃ、今のような、月と地球のような関係はありえない、ってことだね」

ミケポンが
「月はいつも片面の表だけを地球に向けているし、太陽と月の見た目の大きさは同じだし、日食や月食も完璧なパノラマを見せるし、ってことは、偶然では起こらない、ってことなんだ・・・月星人がやったから、こうなってる、ってことなんだね」

「そうそう、そうなのよ。
あなたたち、ワンコとニャンコなのに、理解力が高いわね・・・あら、失礼・・・あら失礼、って言うと、さらに失礼になっちゃうかしらんらん・・・」
とかぐや姫が応じる。

ミケポンが、
「いやいやそんなことないよ。
我らは、人間より優れているからね・・・我らは地球を壊したりはしないんだ」

シバポンが、
「そうそう、そのとおり・・・我らの優秀さを賛美されたみたいだよ」
と声をあげる。

かぐや姫が、
「いいこと言うわねえ。
まったくもってそのとおりですじゃ」

シバポンが、
「繰り返すけどさ、今の月星人が、昔、そういうことをやってなかったら、地球と月の関係は今みたいにはなってなかった、ってことだよね。
それでさ、月星人は、今の地球を見守って、何しようとしてるのかなあ? 」

ミケポンが、
「そうそう、そこのとこ知りたいな。
月星人は、今、我らのすぐ近くにいて、地球を見守ってるんでしょ」

(登場人物の言葉遣いを設定してなかったので、言葉遣いが不安定ナリス・・それを精密にやろうとすると、時間と労力がかかりすぎるのでアール・・・これは、イメージスケッチなる書き流しなのでアールス)

シバポンが、
「かぐや姫さんも、月星人なんじゃないの? 」と訊く。

かぐや姫が応えるには、
「あはははは、そうなのじゃ。
あたしは月に住んでるから月星人ってことにはまちがいがないわね。
で、さっき言った、本物の月星人の子孫なのかどうかは、あたしも知らないんじゃ」
と応じる。

ヒマポンが、
「ところでさ、月星人は、地球を見張ってるってことなんだけど、見張って何するのさ? 」

かぐや姫が、
「それはムズカシイ話しね。
どこででもあることなんだけど、月星人たちは、ふたつの勢力に分かれてしまっているのじゃ。
詳しくは言いたくないのじゃじゃが・・それらの主張が正反対なのじゃ。
しかもその二派それぞれがさらにいくつかに分かれてしまっているのじゃ・・これもどこででもあることなのです。
ということで、収拾がつかないのですじゃ・・・
・・・ということです」

ミケポンが、
「それだけ聞けばよくわかるよ。
うーん、困った話しだなあ」

シバポンが、
「我らも、そういったことには気づいているんだよ。
困ってしまってワンワンニャニャン、ってこのことだなあ」

しばし沈黙がつづく・・・

ウサポンが、
「さあ、みんな餅つきを始めるんだぞう」
と言って、
準備されたものたちを指差す。

「わー、わーわー、凄いぞ~」
という声が沸き起こり、
ヨダレを垂らしながらの餅つきが始まる・・・

大勢がよってたかって餅をつくもんだから、あっという間に餅がつきあがる。

するとすぐに、お雑煮や餅のデザートがつくられていく。

ミケポンが、
「ところでさ、ウサポン、このもち米はどこでとれたのさ? 」

ウサポンが、
「それなんだわさ・・・
月の内部にはいろんな区画がつくってあって、しかも、電気や光や水の設備も整っていて、――つまりそういった設備は月星人がつくったんだけどさ――、作物を栽培するのは、お茶の子さいさい、なんだわさ」

ミケポンは、
「ふーん・・そうなんだ・・・
このお雑煮の緑の野菜は、なんなのさ? 」



(下略)





☆☆☆





by西山浩一(C)(春楽天・世界人)
研究者も西山浩一
Copyright(C)
All rights reserved.





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.10.26 16:39:15
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X