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オーストリアの洪水
日本ではあまり報道されなかったが、今年のオーストリアの5、6月には雨が多く、国中のあちことで洪水に見舞われた。 特にヨーロッパの家屋は地下室(ワイン蔵、洗濯場、物置)を備えていることが多いので、水が出ると被害は深刻なものとなる。 そもそも例年初春の雪解け水による洪水は、この地域にはつきものである。オーストリアの山沿いの谷あいの村などはしばしば洪水の被害にあう。また特に雪が多かった年は、暖かくなると一気に雪が溶けて洪水による被害がでる。そうした雪の量や、さらに地形による要因が強いが、その一方で、日本のようなコンクリート剥き出しの堤防を作らないヨーロッパの治水のありかたも一つの要因となっている。オーストリアのヴァッハウ渓谷などを歩くとわかるが、ドナウ河の水位と堤防の高さの差がほとんどなく、4-5メートルの増水で水が溢れそうなところをよく見かける。もちろん全ての流域にわたってそうなっているわけではないが、しかし河川の景観を保持するためにも、また日本の台風時のような集中豪雨なども稀であることなどからも、趣味の悪いコンクリート堤防を作らずに、自然な形での治水能力の確保が方針になっている。 しかし近年ヨーロッパでも、かつては見られなかったような天候不順が起こることが多くなってきた。頻発する洪水に対して、どのような対応を取るのか注目されるところだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年08月01日 19時36分31秒
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