仕事で向き合う　ランドローバー車との日々　　　　Ｌａｎｄ　Ｗｏｒｌｄ

オートマオイル．ＡＴＦ．？？　オートマトランスミッションフルード。

フルード。。。潤滑よりも油圧で動く物に必要なオイルの事です。

パワーステやオートマミッション、ディスコ２ではACEにも使用しています。

フルードを使っている装置には、基本的にポンプがあります。
ポンプにより圧力を作り機械を作動させたり、ミッションでは油圧制御系に作動流体
として使用しています。

ＧＭ社のＤＥＸＲＯＮ ２Ｄなど、俗にＤ２などと呼ばれている呼名が規格として
通用しています。
Ｄ３なども有りますが、これもＧＭ社の規格です。

フォードの場合は、タイプＦや最近ではＭＡＲＣＯＭ等の表示をしています。

Ｄ２とＤ３どちらが良いの？

年代（設計時）による要求性能の差です。
テスト時に使用したオイルの規格ともとれます。

ＣＲＲ、ディスカバリー１、２ｎｄレンジなどはＤ２指定になっていたと思います。

３ｒｄレンジはＤ３規格でしたか？
Ｄ３規格の機械にＤ２フルードは絶対に使わないで下さい。
変速の誤作動などの弊害が必ず出ます。昔の規格の物を入れているのですから、
機械の能力にフルードが追いついていません。

その逆に、Ｄ２規格の物にＤ３フルードを入れる場合の弊害は出ないはずです。
当然、Ｄ３の方が性能が高いのですから、不都合は出ないと思います。
（一部の特殊構造の物は別です。）

よく耳にするのがＤ２規格の時代の車なので、「当時の規格の油脂を使った方が良い。」
と言う言葉です。
これは当然なんの問題も無いと思います。至極ごもっともなお言葉です。

当店でも違いが有るか試してみました。

以前からディスカバリー１で長時間の高速走行をすると、ミッションの変速が不調になる
という現象が出たとユーザー様から指摘がありました。
（聞けば、とんでもない運転の仕方をしているのですが。）
そうなった時は、最高速域でスベリも発生したようです。

でも、暫く市外地を走ると正常に戻りそうです。

そして、この現象は夏場だけで冬には出ません。

多分、熱の問題でＡＴＦがオーバーヒート状態になり、制御系統に誤作動が発生した
のだと思います。動力伝達性能の低下もありますが。
冬には出ない症状なので、ほんの少しの温度差で症状が出たり出なかったりするようです。
そこで、熱に強いという高価なＡＴＦを試したりしました。でも、改善されません。

そこで、他人の言葉でしたが、Ｄ２フルードはＤ３より硬いので動力伝達性能は高いと
言われ試してみました。正確にはＤ２Ｅ規格です。
結果は変わらず。。。。。気持ち、変速時にショックが大きくなったかな～　程度です。

オイル屋さんの話では、熱に関しての性能はＤ３規格の方が高いと聞きました。

そこで、昔チューニングカーでやっていた、ＡＴオイルクーラーを取り付けてみたら
症状は出なくなりました。追加したクーラーコアも小さな物です。
フルードもＤ３で、当店で納車の時に使用しているワコーズ製です。

この結果から、やはりＡＴＦは過酷な条件で使用されている事を再認識いたしました。
長期間使用しているＡＴＦは、熱による性能低下が激しくなります。
オイルメーカーでは２万キロでの交換を薦めています。
当店では３万キロ以内での交換でご案内しております。

　　　　　　　　　　オイルメンテナンスについてはこちらまで

この交換サイクルを守っている車には、フラッシングの必要は無いものと思います。
ＡＴオイルスクリーンの交換も、１０万キロ以上走った車だけ考えれば良いと思います。


ＡＴＦ交換でのご注意！！

出来れば全容量交換はやめて下さい。
配管を外して機械をセットして交換する方法。１５リッター位オイルを使う方法。

マメにＡＴＦ交換している車はまだ良いと思うのですが、５万キロ以上、交換歴が無い車は
危険です。オイルパンに溜まったゴミが舞い上がり、フィルターに吸い込まれて詰まらせる
と車が動かなくなります。
ＡＴＦ交換後にミッションがおかしくなった、との内容のお問合せ頂いた時は必ずスタンド
等で交換をしている車です。

この様な状態になってディーラーへ修理を出して、ミッションをオーバーホールをされた
方もいらっしゃいます。
本当はフィルターを交換すれば直るのですが。

全容量交換は高いですし、トラブルが起きる可能性もあります。
今まで交換したことが無いからしっかり交換してやろう。と思っての全容量交換は逆効果
になる可能性があります。
この方がオイルがきれいになりますよ！の言葉は信用しないで下さい。

全容量交換をする時は、フィルターも同時交換して下さい。
（走行距離が多い車で、初めて交換する時の話です。）