目からうろこの小説読み方ガイド本
「大学受験のための小説講義」石原千秋(ちくま新書) 知っている方も多いとは思いますが、この本は一応受験生のために書かれた本です。でも、受験生だけに読ませておくには、もったいない本です。 小説を読める人になるためのいろいろなヒントが盛りだくさんです。 物語と小説の違いは何か? 物語は次にどうなる?と読むが、小説はなぜこうなった?と読む。というように。 そして、書かないのが小説。これは、私も「なるほど」と、うなりました。 つまり、小説はもともと断片的なもので、隙間だらけ、つまり、作家はいちいち人物の気持ちを書かない。それを想像力で埋めていく。 そこらへんを、入試問題を例にして説明しているのです。 また、受験生にはセンター入試や学校の入試問題の隠された約束事など、書かれていますので、読むと、受験生はもちろんのこと、小説とはこういうものなのだとまさに目からうろこです。 私は何回も読み直していますが、そのたびに、新たな発見があります。 一押しです。GWに読書という贅沢な時間を過ごすために、まず一読をお勧めします。