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カテゴリ:徒然草を読もう
第二百十段
「喚子鳥(よぶこどり)は春のものなり」とばかり言ひて、如何(いか)なる鳥とも、さだかに記せる物なし。ある真言書の中に、喚子鳥鳴く時、招魂(しょうこん)の法をばおこなふ次第あり。これは鵺(ぬえ)なり。万葉集の長歌(ながうた)に、「霞立つ長き春日(はるひ)の」などつづけたり。鵺鳥(ぬえどり)も喚子鳥のことざまに通ひて聞こゆ。 現代風訳 「喚子鳥(よぶこどり)は春の風物」とだけ言うが、どんな鳥なのかはっきり記した物は無い。ある真言宗の書の中に、喚子鳥が鳴く時、亡者の魂を招いて供養する法を行うやり方がある。これは鵺(ぬえ・トラツグミ)のことである。万葉集の長歌に、「霞立つ長き春日の」などと歌われている。鵺鳥も喚子鳥の様子に似通っていると思われる。 (※万葉集巻一・五「霞経つ長き春日の 暮れにける わづきも知らず 村肝の 心を痛み 鵺子鳥…」・霞の中で長い春の日が暮れていくように、わけもなく心が痛み、トラツグミのように泣いていると…) 喚子鳥は郭公説が有力。 トラツグミの鳴き声 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.09.13 07:00:19
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